20日、日本アンチ・ドーピング機構(http://www.playtruejapan.org/)は、競技会検査で禁止物質が検出されたとして、ロンドンオリンピックも目指していた男子レスリング選手に2年間の資格停止と昨年12月の全日本選手2位の記録などが失効したことを明らかにしています。
日本ドーピング防止規律パネル決定(2012.02.06)
http://www.playtruejapan.org/downloads/disciplinary_panel/dopingcontravention120206.pdf
禁止物質として検出されたのは、選択的エストロゲン受容体調整薬(SERMs)のタモキシフェンですが、聴聞では、「同居女性のが服用していた薬をカルシウム剤と誤って服用したため」と弁明したそうです。しかもこのタモキシフェンは、別の人が個人輸入で購入したもので、この女性は医師の治療も受けていなかったとのことです。
禁止薬物というと、男性ホルモンを頭に浮かべがちですが、SERMsなど女性ホルモンの働きを抑える作用がある薬についても、ホルモンのバランスを相対的に男性ホルモン側に傾けることにより、男性ホルモン作用の増加を期待して用いられるとして、アナストゾール(アリミデックス)などのアロマターゼ阻害薬、抗エストロゲン作用を有する、クロミフェン(クロミッド)、シクロフェニル(セキソビット)などの排卵誘発剤もなどと共に禁止薬物に指定されています。(SERMsは 禁止表では、その他の蛋白同化薬となっている)
それにしても、同居人が個人輸入をしているものを誤って服用したというのは、あまりにも不自然ですね。
このためか、JADA(日本アンチ・ドーピンング機構)では厳しい決定となりましたが、所属の日本レスリング協会では、所属選手が去年の処分(TOPICS 2011.06.14)に続き2度目の処分となったことから、そのショックは相当大きいようです。
関連情報:TOPICS
2011.06.14 ドーピングの話題を3つ
2011.10.03 WADA 2012年禁止表国際基準が公表
参考:
47NEWS 2月21日
http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012022101001236.html
報知新聞 2月21日
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20120221-OHT1T00122.htm
2012年02月21日 17:34 投稿