ヘルスカナダは19日、前立腺肥大症治療薬として使用されている5α-還元酵素阻害薬(5-ARIs)のフィナステリド(本邦で低用量のものがプロペシアとして販売)、デュタステリド(アボルブ)について、 高グレード前立腺がん(High-grade prostate cancer)の発症リスクが増大する可能性があるとして、安全性情報を発出しています。
Finasteride (Proscar, Propecia) and dutasteride (Avodart, Jalyn):
may increase the risk of high-grade prostate cancer
(Health Canada 2012.03.21)
http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/media/advisories-avis/_2012/2012_38-eng.php
内容的には、米FDAが去年6月に発出した安全性情報(TOPICS 2011.06.10)と同じような内容ですが、用量の少ないプロペシア(リスクが除外されているわけではないが)を除いて、処方の前に泌尿器系の疾患がないかどうかチェックする必要があるとしたラベルの変更が行われたそうです。
ただ、今回の発表については、(低リスクの)前立腺がんの発症リスク自体は減少させ、結果的に悪性のがんの予防につながるとして、まれな有害事象のためのこれらの薬の利益を否定するべきでないとの専門家の意見もあります。
関連情報:TOPICS 2011.06.10 5α-還元酵素阻害薬と前立腺がんリスク(米FDA)
参考:
Prostate cancer expert disappointed by drug warning
(CTV Ca. 2012.03.20)
http://www.ctv.ca/CTVNews/Health/20120320/prostate-cancer-dutasteride-bph-fleshner-120320/
2012年03月21日 10:40 投稿
関連記事です。
浜六郎の臨床副作用ノート ~デュタステリドは前立腺癌を増加~
(集中 MEDICAL CONFIDENTIAL 2012.07.25)
http://medical-confidential.com/confidential/2012/07/post-427.html