最近まで実証研究が行われていた、オンラインによる患者副作用報告(TOPICS 2011.01.11)ですが、3月26日から正式な試行事業としてスタートしています。
(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)による患者からの医薬品副作用報告の試行開始について(お知らせ)
(厚労省2012年3月26日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000266sh.html
患者副作用報告(PMDA)
http://www.info.pmda.go.jp/fukusayou_houkoku/fukusayou_houkoku_attention.html
試しに入ってみたところ、「あなたは医療従事者ですか」との項目があり、私たちも報告に利用できるようなのですが、メールアドレスではねられてその先に進めませんでした。(不具合ってことはない? あとでリトライしてみます)
今回の本試行までには、「患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究」という厚生労働科学研究として、3年間にわたる検討と実証研究が行われています。
研究の報告書は、下記サイトからその内容を見ることができます。(現在平成21、22年度分は全文が見ることができます。下記検索画面で、患者から副作用情報というキーワードを入れ、検索をかけて下さい)
厚生労働科学研究成果データベース検索トップ
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do
なお、今日26日には都内で、これまでの研究の報告会が予定されています。
厚生労働科学研究費補助金
(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)
「患者から副作用情報を受ける方策に関する調査研究」
成果報告会開催のお知らせ
http://www.info.pmda.go.jp/info/file/rxdi-guidance.pdf
関連情報:TOPICS
2011.01.11 副作用自発報告システムの実証研究が始まる
2009.10.25 生活者からの副作用自発報告システムは日本でも必要(国内研究)
2009.01.10 患者副作用直接報告は、医療専門職からの報告を補完する
2008.02.19 イエローカードオンライン副作用報告システムが本稼動(英国)
2007.04.07 Adverse Medicine Events Line(豪州)
3月26日15:20 リンク追加
2012年03月26日 01:11 投稿
試行事業の概要が、23日開催された平成23年度第3回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会で紹介されています
2011年度第3回薬・食審 医薬品等安全対策部会 資料-4(p85-7)
(日刊薬業WEB 行政資料、ファイルが大きいのでダウンロードに時間がかかります)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226545178238
(厚労省の資料アップがいつも遅いので本当に助かります)
(3/28追記・厚労省資料もアップ)
平成23年度第3回医薬品等安全対策部会
(2012年3月26日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026c1b.html
資料5-7 患者からの副作用報告システムの試行的開始について(PDF:434KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026c1b-att/2r98520000026f3u.pdf
リトライも、まだメールのところで先に進めないんだけど・・・
うまくいった方はいますか?
とりあえず、報告者の入力、事例の入力まで進むことができました。(3/26)
メールアドレスも、職場のメールアドレスで大丈夫でしたが?
個人のメルアドだとだめでしたが、アポネットで使っているのでやったら入れました。
特定のアドレスははねてしまうとか。(まさかブラックリストのわけないか)
これじゃ個人のメルアドだと利用できないかもしれない。
中に入ってみました。
副作用の症状を記載する際、例えば「味覚」という言葉を入れると、Googleの予測検索ではないですが、「味覚異常」「味覚がない」「味覚の変化」いった候補が出てきて、症状を文章で表現しにくい人にとっても報告しやすくなっています。(確か英国MHRAのイエローカードもこれと同じだった)
また、副作用を引き起こしたと疑われる医薬品名も、「アダラ」と入力すると3種類のアダラート製剤の候補が出てきます。
一般用医薬品の報告もできます。この場合には、購入経路を選択するところがあります。
私たちが副作用の報告をする手段としては利用できないようですが、こんなことがあったので直接報告したいという患者さんの報告の手助けはできると思います。
サイドバーにリンクをつくりましたので、ご活用ください。
先日の安全対策部会で、このシステムを利用した報告対象として、一般用医薬品に限定するものではないこと、医療用医薬品についても、又個人輸入した医薬品や、いわゆる脱法ドラッグ等も報告の対象とすることができる旨、安全対策課長が説明していたと理解しています。
ただ、便利になることと引き換えに、あやふやな記憶が「修正」されてしまう恐れもあるように思われますが、今後の改善点若しくは運用上の課題かもしれません。
>一般用医薬品に限定するものではないこと、医療用医薬品についても、
>又個人輸入した医薬品や、いわゆる脱法ドラッグ等も報告の対象とする
>ことができる
医薬品が含まれているかもしれない怪しげなダイエット食品なども対象なのですか?
厚労省は29日、「薬剤情報提供書」にPMDAの医薬品医療機器情報提供ホームページのアドレス(http://www.info.pmda.go.jp/ippan.html)を記載し、同ページの周知を求める通知を行っています。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「医薬品・
医療機器情報提供ホームページ」の周知に係る御協力のお願い
(薬食安発0329 第1号 平成24年3月29日)
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku/file/h240329-004.pdf
おそらく、この「オンラインによる患者副作用報告」の事業の存在についても患者さんに周知してもらいたかったのではないかと思うのですが、なぜこの通知ではそこまで求めなかったのでしょうか。
もっとも、事業の開始については別の通知があったので、あえてふれなかったのかもしれませんが。
患者からの医薬品副作用報告の試行開始について
患者副作用報告システムを介した副作用報告の受付開始について
(日本病院薬剤師会 3月30日)
http://www.jshp.or.jp/cont/12/0330-2.html
(日病薬はきちんとアナウンスするんだけど、日薬はこういう情報の発信は鈍いですね。先日の日薬ニュースでもふれていないし)
健康被害救済制度の広報資料用ポスターには、アドレス入っていません。
フリーダイヤルとEメールです。
入れてください!
と、すみません、あえて突っ込みを書いてしまいました。
5月4日の最新の医療ルネサンス・医療解説(WEB版(http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/)は5日)掲載の連載記事(副作用情報)によれば、1か月で64件の報告が集まったそうです。
読売新聞5月5日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=58288
当然、医療従事者がこの報告にアクセスできる方法も検討されているのでしょうね?
6月21日に開催された PMDAの平成24事業年度第1回運営評議会 審査・安全業務委員会で、3月26日から5月31日までの報告の状況が報告されています。
平成24事業年度 第1回 運営評議会、審査・安全業務委員会
(2012.06.21 開催)
http://www.pmda.go.jp/guide/hyougikai/24/h240621gijishidai.html
資料4 患者副作用報告の試行について
http://www.pmda.go.jp/guide/hyougikai/24/h240621gijishidai/file/siryo4.pdf
この間に90件の報告があり、報告された医薬品数は 120品目(医療用117品目、OTC3品目)に達したそうです。
報告者は患者本人が71件、家族19件で、患者が死亡したと報告されたものも5件あったそうです、
報告された時期副作用の発生時期は比較的新しい報告が過半数を占めていたとのことで、PMDAでは現在、安全対策の要否などの評価を進めているとのことです。
医薬品・医療機器等安全性情報No.292で、事業の概要についての記事があります。
「患者副作用報告」の開始について
(医薬品・医療機器等安全性情報No.292)
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/file/PMDSI292.pdf#page=3
12月26日に開催されたPMDAの平成24事業年度第2回審査・安全業務委員会で、10月31日までの報告の状況が示されています。
平成24事業年度第2回審査・安全業務委員会 資料
(日刊薬業WEB 行政資料 2012.12.26開催)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226586907175#page=27
・報告数:146件
(他に無効な報告が4件(意味不明の記入等))
・報告された医薬品数: 192品目(医療用 183品日、OTC 9品目)
記載された医薬品名、副作用名は概ね明確であつた。
・報告された副作用の発生時期:比較的新しい報告が過半数を占めていた
(2011年以降のものが104件(71%))
・報告者の内訳:患者本人116件、家族30件
・患者が死亡したと報告されたものが6件
これらの報告については、安全対策の要否などの評価を進めているとのことです。