第1回「統合医療」のあり方に関する検討会(Update2)

  26日、従来の近代西洋医学に、漢方やはり・きゅう、サプリメント療法などを取り入れたいわゆる「統合医療」について、適切な医療の推進の観点から今後のあり方等について検討を行う第1回の会議が開催されています。

 第1回会合では、「統合医療」についての概念、「統合医療」をめぐる課題、今後のあり方についての意見交換が行われています。

第1回「統合医療」のあり方に関する検討会
(2012年3月26日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026chz.html

 日本統合医療学会(http://imj.or.jp/)の渥美和彦氏が、統合医療は東日本大震災で大きく貢献したと指摘、今後統合医療は未来の医療となるとした展望を示したうえで、統合医療の考え方について説明を行っています。

 資料3  一般社団法人日本統合医療学会提出資料(PDF)

 そして今後検討すべき課題として次のような事項を示しています

  1. 統合医療の診療ガイドラインの検討と作成
  2. 統合医療の評価基準の検討と作成
  3. 国内外の統合医療に関するデータ収集、整理、分析
  4. 統合医療の各分野の研究項目の洗い出しと研究の実施
  5. 統合医療センターの設立
  6. 有事の際の伝統医学や相補・代替医療(人・物)の活用

 ついで、千葉中央メデイカルセンター和漢診療科 部長の寺澤捷年氏が統合医療における漢方の役割について話をしたそうです。

  資料4 社団法人日本東洋医学会提出資料(PDF)

 検討会では、今後以下の点について、検討を行っていくそうです。

  • 「統合医療」を、どのような概念として捉えるべきか。
  • 「統合医療」について、現時点において、どの程度の科学的知見が得られていると言えるか
  • 「統合医療」の安全性・有効性等について、どのように評価したらよいか。
  • 「統合医療」を推進していくためには、どのような取組が必要か。

主な発言(第2回検討会資料 4月29日追記)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000295bh-att/2r985200000295gz.pdf

 なお、厚生労働科学研究では、統合医療に関する多くの研究が行われています。(下記検索画面で、統合医療というキーワードを入れ、検索をかけて下さい。なお一部は聖路加病院のHP に掲載されています)

 厚生労働科学研究成果データベース検索トップ
   http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do

 米国では国のセンターがあります。

  National Center for Complementary and Alternative Medicine (NCCAM)
    http://nccam.nih.gov/

資料:
統合医療の情報発信等の在り方に関する調査研究 他  
(聖路加国際病院研究活動)
http://www.luke.or.jp/about/approach/research_activities.html

「統合医療プロジェクトチーム」第1回会合
(2010.02.05 開催)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/s0205-17.html

「統合医療プロジェクトチーム」第2回会合
(2010.04.26 開催)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/s0426-9.html

参考:医療介護CBニュース(3月26日、27日)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36895.html
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36897.html

3月27日 18:57 掲載 3月28日 0:50 リンク修正 4月29日リンク追加


2012年03月28日 00:50 投稿

コメントが2つあります

  1.  局長の代わりに木村参事官が挨拶を行ったが、鳩山首相(当時)の提唱から、与党の施策に入っている「統合医療」振興を進めるに当たり、どうすれば良いのかという悩みから懇談会を設けたというニュアンスでした。 米国での国立研究機関設置も、NIHの中で、担当する部署として設けられたものであり、かなり現実的な対処に向いているという様子でした。又、米国や中国・印度等では経済的要因からの注目であることに留意が必要としています。
      WHOの健康の定義でも物議を醸しましたが、従来の解析的な科学研究の限界を踏まえるとしても、過大な期待を抱かないようにする自制も必要と思われます。

  2. アポネット 小嶋

    議事録が掲載されました。

    第1回「統合医療」のあり方に関する検討会議事録
    http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000029z6o.html