総務省消防庁は30日、トリアージに関する検討会の報告書をまとめ、ホームページに掲載しています。
「平成23 年度 社会全体で共有する緊急度判定(トリアージ)体系のあり方検討会 報告書」の公表
(総務省消防庁2012年3月30日)
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2403/240330_1houdou/01_houdoushiryou.pdf
今回の検討会は、平成23年度に行われた「重症度・緊急度の判定・選別に関する作業部会」で、緊急度判定(トリアージ)の基準を社会全体で共有することの効果やメリット、その活用方法について検討していく必要があるとした提言から開催されたものです。
平成23年度 社会全体で共有する緊急度判定(トリアージ)体系のあり方検討会
(総務省 消防庁)
http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h23/shakai_triage_arikata/index.html
検討会では、電話相談や119番通報、現場搬送時の判断アルゴリズムの他
- 救急車を呼ぶべきかどうか判断に迷った場合、自身の緊急度を把握することで、自信を持って行動できる。
- 本来、社会全体で共有されている「急ぐべきは急ぎ、待つべきは待つ」という行動規範をサポートし、「救急医療は、緊急対応を要する傷病者のためにある」ということを再確認できる。
として家庭における自己判断についてのプロトコルもまとめられています。
検討会報告書(平成24年3月)
http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h23/shakai_triage_arikata/houkokusyo/honbun.pdf
上記報告書p25にある、家庭自己判断アルゴリズムによれば、緊急性があるものとしては、生理学的に生命危機に瀕している病態、急激に悪化・急変する病態として、下記のようなものがあるとしています。
- 呼吸をしていない。息がない。
- 脈がない。心臓が止まっている。
- 水没している。沈んでいる。
- 冷たくなっている。いつもどおり)普通にしゃべれない。
- 声が出せない。
- ハアハアしている。
- 息が苦しい(苦しそう)。
- 顔色、唇、耳の色が悪い。
- 冷汗をかいている。
- しっかりと受け答えができない。
今回の緊急度判定プロトコルの策定にあたっては、「電話救急医療相談プロトコール」の80種類のプロトコールのうち、緊急度が高い病態と考えられる9症状と東京都が実施する救急相談センターにおいて相談頻度の高い10症状の合計19症状について検討が行われていますが、これら症状は、持病がある人の症状悪化時の病態として生じることがあります。
検討会でまとめられた下記資料は私たちにも参考になります。(バイタルサインのチェックとして知っておいた方がいいかも)
症候別の「緊急(赤)」の想定疾患・病態および運用上の留意点(検討結果)
(第4回検討会資料 緊急度判定プロトコル作成ワーキンググループからの報告)
http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h23/shakai_triage_arikata/04/haifu_01.pdf#page=31
今後は、他のプロトコルを含め、公募方式で試行的運用を開始して、検証を行うとのことです。
関連情報:TOPICS 2011.05.03 救急車利用マニュアル(消防庁)
2012年04月06日 14:08 投稿