本サイトでもたびたび紹介した茶のしずく石鹸などの小麦麦加水分解物含有石鹸による健康被害の問題(TOPICS 2011.05.21 2011.07.15)ですが、ついに集団訴訟に発展しています。
茶のしずく被害で一斉提訴 5百人超、70億円請求
(47NEWS 2012.04.20)
http://www.47news.jp/CN/201204/CN2012042001001854.html
茶のしずく石鹸:提訴の購入者ら「死の危険感じた」
(毎日新聞 2012.04.20)
http://mainichi.jp/select/news/20120421k0000m040054000c.html
「茶のしずく石鹸(せっけん)」 被害拡大の一因に行政の連携不足
(FNN NEWS 2012.04.20 動画あり)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00221701.html
訴えは、北海道、東京、大阪、福岡など15都道府県地裁などに原告535人によって行われ、製造物責任法(PL法)に基づき、販売会社の悠香など3社に計約70億4千万円の損害賠償を求めています。
第一次提訴のご報告
(茶のしずく石鹸被害救済東京弁護団)
http://chanoshizuku-kyuusai-tokyo.jp/?p=822
3月23日に開催された医薬品等安全対策部会提出資料によれば、厚労省が把握しているだけで、今年の2月末までに医療機関からの報告で219例(うち重篤例54例)、製造販売業者からの報告で1567例(うち重篤例172例)に達していて、報告件数は現在も拡大しているようです。
平成23年度第2回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会(2012年3月23日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026c1b.html
(資料5-3)
小麦加水分解物を含有する医薬部外品・化粧品の使用者に発生した全身性アレルギーに係る報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000026c1b-att/2r98520000026f2v.pdf
少し前、「調剤した薬の明細を出してほしい」との要望があり、「もしかして、茶のしずくですか?」と尋ねたとこころ、「証明に必要なのです」と言われたケースがありました。(こういうとき、明細書をきちんと保管ていると有用なんだろうな)
私の所でさえ、2例に遭遇していることを考えると、潜在的な被害者は相当数いると思います。
もし、来局者で原因不明のじんましんに悩まされている人がいたら、「過去に茶のしずくをつかっていませんでしたか?」と尋ね、必要な対応に結びつくよう、皆さんも心がけて下さい。まだ、気づいていないケースもあるからです。
関連情報:TOPICS
2011.11.19 小麦加水分解物を含有する製品によるアレルギー報告
2011.07.15 小麦加水分解物含有石鹸による健康被害広がる
2011.05.21 小麦加水分解物と小麦依存性運動誘発アナフィラキシー
2012年04月21日 00:00 投稿
8月2日に開催された医薬品等安全対策部会で、平成24年6月30日までに受け付けた、「茶のしずく石鹸」の使用者に発生したアレルギーの報告の集積状況が報告されています。
平成24年度第1回医薬品等安全対策部会
(厚労省 2012.08.02 開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002gyjo.html
(資料6-2)
小麦加水分解物を含有する医薬部外品・化粧品の使用者に発生した全身性アレルギーに係る報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002gyjo-att/2r9852000002gz03.pdf
食品業界では、アレルギー物質を含む食品に係る表示制度(2001年通知)の施行に対応してきたが、根底にあったのは製造物責任法(PL法)でした。食物で消費者に不利益を与えないことが品質保証関係者にとって最大の課題です。一方、化粧品分野は法規制が緩く、安易にこの分野に進出する企業経営者が少なくない現状で、今回の訴訟は大きなインパクトを与えるでしょう。