米FDAは20日、アリスキレン(米国:Tekturna他、日本:ラジレス)についてのレビュー結果を明らかにし、ARBまたはACE阻害剤とラジレスとの併用については、2型糖尿病患者に対しては禁忌に、また中等度から重度の腎障害への患者については投与を避けるとしたラベルの変更を行うと発表しました。(米国では腎障害患者に対しては禁忌にならなかった)
Aliskiren-containing Medications:
Drug Safety Comunication – New Warning and Contraindication
(FDA Safety Information 2012.04.20)
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/
SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm301120.htm
FDA Drug Safety Communication:
New Warning and Contraindication for blood pressure medicines containing aliskiren (Tekturna)
(FDA Drug Safety and Availability 2012.04.20)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm300889.htm
Novartis’s Dear Healthcare Professional letter (PDF – 762KB)
http://www.pharma.us.novartis.com/assets/pdf/Tekturna_Quo_Site_for_Professionals.pdf
糖尿病患者へのアリスキレンとARB/ACEの併用禁忌の理由についてFDAでは、 腎機能低下、血圧低下、高カリウム血症のリスクをあげていますが、心血管イベントのリスクについては、若干のリスク増はあるものの、これらの薬の併用と死亡や発作との関連性については確かな結論は得られなかったとしています。
ノバルティス社も19日アナウンスを行っています。(日本語訳もすぐに出ると思う)
Novartis announces Aliskiren will continue to be available to appropriate patients, as FDA interim assessment is concluded; product information updated
(Novartis Media Release 2012.04.19)
http://www.novartis.com/newsroom/media-releases/en/2012/1604332.shtml
米国内で販売されているバルサルタン(ディオバン)との合剤のValturnaの販売中止も明らかにしています。
これで、日本でも糖尿病患者さんへのARBまたはACE阻害剤とラジレスとの併用が禁忌となる可能性が出てきました。(現時点では予防的措置として処方しないようにお願いされているだけで添付文書で禁忌とされているわけではない→リンク)
関連情報:TOPICS
2012.02.18 糖尿病患者へのラジレスとARB/ACEの併用は禁忌(欧州医薬品庁)
2012.01.24 ラジレス情報(カナダ)
糖尿病患者でのラジレスとARBの併用は是か非か
(日経DIオンライン 2012.03.10 要会員登録)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201203/523976.html
Aliskiren May Pose Risks for Those With Diabetes, Kidney Impairment
(ASHP News 2012.04.20)
http://www.ashp.org/menu/News/PharmacyNews/NewsArticle.aspx?id=3711
4月21日 10:10、4月23日11:50 リンク追記
4月23日タイトル等変更(米国ではラジレスの名称では販売されていないので)
2012年04月21日 01:46 投稿
日本語訳がアップされました。
ノバルティス、米国食品医薬品局(FDA)の中間評価を受け
米国においてアリスキレンの添付文書を改訂し
適切な患者さんのために製品供給を継続
(ノバルティス ファーマ 株式会社 2012年4月23日)
http://www.novartis.co.jp/news/2012/pr20120423.html
>日本の「ラジレス®」の添付文書については、PMDAと協議中です。
となっていますが、日本では独自にレビューを行っているということなのでしょうか?
それとも、間もなく「EMAとFDAが禁忌への改訂の指示を出したので日本でも禁忌にします」ということになるのでしょうか?
(添付文書で禁忌になっていないことから、併用している医師は少なからずいると思う)