偏頭痛予防の薬物治療ガイドライン(米国)

 24日、the American Academy of Neurology and the American Headache Societyが共同でまとめた、偏頭痛の予防に関する薬物治療のガイドラインの更新版が Neurology 誌のオンライン版に掲載されています。(今のところオープンアクセス)

Evidence-based guideline update: Pharmacologic treatment for episodic migraine prevention in adults
Report of the Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology and the American Headache Society
Neurology April 24, 2012 vol. 78 no. 17 1337-1345)
http://www.neurology.org/content/78/17/1337.full
http://www.neurology.org/content/78/17/1337.full.pdf

 このガイドラインは、最近10年間の284の文献をレビューしたもので、下記のカテゴリーに分けて、エビデンスの強さをまとめた勧告を行っています。

Level A:
有効性が確認されており、偏頭痛の予防薬として使用される
(established as effective)
抗てんかん薬
 Divalproex sodium、バルプロ酸、トピラマート
βブロッカー
 メトプロロール、プロプラノロール、チモロール
トリプタン
 Frovatriptan(MAM:月経関連の偏頭痛)
Level B:
有効性はたぶんあり、偏頭痛の予防薬として考慮してよい
(probably effective)
抗うつ薬
 アミトリプチン、Venlafaxine
βブロッカー
 アテノロール、ナドロール
トリプタン
 ナラトリプタン、ゾルミトリプタン(MAM)
Level C:
有効性はおそらくあり、偏頭痛の予防薬としても使用可能
(possibly effective)
ACE阻害薬
 リシノプリル
ARB
 カンデサルタン
α-アゴニスト
 クロニジン、グアンファシン
抗てんかん薬
 カルバマゼピン
βブロッカー
 Nebivolol、ピンドロール
Level U:
エビデンスが不十分または相反するデータがあるとして支持できないもの
(Inadequate or conflicting data to support or refute medication use)
抗てんかん薬
 ガバペンチン
抗うつ薬
 フルボキサミン、フルオキセチン、Protriptyline
抗血栓薬
acenocoumarol、 Coumadin、picotamide
βブロッカー
 ビソプロロール
カルシウム拮抗薬
 ニカルジピン、ニフェジピン、Nimodipine、ベラパミル
アセタゾラミド
シクランデレート
Level A negative:
無効なので使用されるべきではない
ラモトリジン
Level B negative.:
たぶん効果がないので考慮すべきではない
クロミプラミン
Level C negative:
おそらく効果がないので使用しない方がよいと思われる
アセブトロール、クロナゼパム、ナブメトン、Oxcarbazepine、テルミサルタン

 Medpage TODAY によれば、トピラマートはランクアップし、逆にベラパミルとガバペンチンのランクは2つ下げられたそうです。

参考:
Migraine Guidelines: What Works, What Doesn’t
(Health DAY 2012.04.23)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663961
New Migraine Guidelines Rank Rx, OTC Efficacy
(Medpage TODAY 2012.04.23 要会員登録)
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AANMeeting/32304


2012年04月24日 13:50 投稿

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