偏頭痛予防に対するOTCや補完医療の有効性(米国)

 これも24日、Neurology 誌のオンライン版に掲載されたもので、成人の偏頭痛予防に対する、NSAIDsやサプリメント等の補完医療のエビデンスをまとめたものです。the American Academy of Neurology and the American Headache Societyが共同でまとめています。 (今のところオープンアクセス)

Evidence-based guideline update: NSAIDs and other complementary treatments for episodic migraine prevention in adults
Report of the Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology and the American Headache Society
Neurology April 24, 2012 vol. 78 no. 17 1346-1353)
http://www.neurology.org/content/78/17/1346.full
http://www.neurology.org/content/78/17/1346.full.pdf

このガイドラインは、最近10年間の284の文献をレビューしたもので、下記のカテゴリーに分けて、エビデンスの強さをまとめた勧告を行っています。

Level A:
有効性が確認されており、偏頭痛の予防薬として使用される
(established as effective)
Petasites(フキから精製された抽出物)
Level B:
有効性はたぶんあり、偏頭痛の予防薬として考慮してよい
(probably effective)
NSAIDs
 フェノプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム
マグネシウム
MIG-99 (feverfew:ナツシロギクの抽出物)
リボフラビン
Histamine SC(ヒスタミンの注射?)
Level C:
有効性はおそらくあり、偏頭痛の予防薬としても使用可能
(possibly effective)
NSAIDs
 フルルビプロフェン、メフェナム酸
Co-Q10(water-soluble disbursable form)
エストロゲン(大豆イソフラボンなどを含むサプリメント、経皮エストラジオール)
抗ヒスタミン薬
シプロヘプタジン
(4mg/日がプロプラノロール80mg/日と同等の効果)
Level U:
エビデンスが不十分または相反するデータがあるとして支持できないもの
(Inadequate or conflicting data to support or refute medication use)
NSAIDs(悪化させる可能性がある)
 アスピリン、インドメタシン
Omega-3
高圧酸素
Level B negative.:
たぶん効果がないので考慮すべきではない
ロイコトリエン拮抗薬
モンテルカスト

 一方で、今後は次のような点などについての調査も必要だとしています。

  • どこまで予防的な治療として許容するか、長期服用、安全性と効果
  • 複合成分が配合されたものや行動療法など、複数の予防法を用いた場合の取扱い
  • 予防的治療の期間や止めるタイミングはどのようにしたらよいか 他

関連ブログ:
成人片頭痛 ガイドライン:NSAIDSや補完医療
(内科開業医のお勉強日記 4月24日)
http://kaigyoi.blogspot.jp/view/magazine#!/2012/04/nsaids.html

参考:
Migraine Guidelines: What Works, What Doesn’t
(Health DAY 2012.04.23)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663961
New Migraine Guidelines Rank Rx, OTC Efficacy
(Medpage TODAY 2012.04.23 要会員登録)
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AANMeeting/32304


2012年04月24日 13:50 投稿

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