食品の機能性評価モデル事業(消費者庁)

 消費者庁(http://www.caa.go.jp/)は、このほど「食品の機能性評価モデル事業」の結果をまとめ、25日に公表しています。

食品の機能性評価モデル事業について
(消費者庁 2012年4月25日)
http://www.caa.go.jp/foods/index17.html

 この「食品の機能性評価モデル事業」というのは、「『健康食品の表示に関する検討会』論点整理」(→リンク)(2010年8月公表)において、「消費者庁において早急に対応すべき方策」の1つとして、「新たな成分に係る保健の機能の表示を認める可能性について研究すべき」旨が挙げられたことを踏まて行われたものです。

 調査・検討が行われたのは。

  1. 諸外国等における健康強調表示制度の実態調査
  2. 食品成分の機能性評価に係る評価基準等の検討
  3. 食品成分の機能性評価に係る課題等の整理

と難しい文言が並んでいますが、簡単に言うと日本で健康食品やサプリメントなどに相当するものが、人体への健康的影響(本当は効能や効果という言葉を使いたいけど、医薬品ではないので適当ではない)についてのどのような表示が可能かどうか、また諸外国ではどこまで認められているかというものです。

報 告 書:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin842_1.pdf
添付資料:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin843.pdf
       (評価の流れについて記載)

 報告書冒頭で、「食品の機能性評価モデル事業」の結果をご紹介するものであり、現段階において、食品に新たな機能性表示を認める、あるいは、今回調査対象とした特定の成分の有効性や安全性を国が保証するものではありません。」としてはいますが、文献検索など機能性評価方法により、実際の食品成分について機能性の評価(エビデンスの程度)が行われた点で興味深い内容となっています。

 今回モデルケースとした選定されたのは下記11成分で、諸外国において機能性が公的に評価されている成分、または健康食品市場おいて市場規模が大きい成分のうち、一定のエビデンスを有することが見込まれるものとして選定されています。

  • セレン
  • n-3系脂肪酸
  • ルテイン
  • コエンザイムQ10
  • ヒアルロン酸
  • ブルーベリー(ビルベリー)エキス
  • グルコサミン
  • 分枝鎖アミノ酸(BCAA)
  • イチョウ葉エキス
  • ノコギリヤシ
  • ラクトフェリン

 成分ごとのエビデンスの紹介は、栄養研の「健康食品」の安全性情報(https://hfnet.nih.go.jp/)でも各成分ごとに紹介されていますが、今回の報告書を見ると、近い将来、これらエビデンスを評価し、ABCの3分類にして、生活者がこれらを利用(使用)する際の判断材料となることを目指しているようです。(要は効能・効果じゃないけど、疾病予防や治療にどのくらい期待が持てるかをエビデンスに基づき表示を可能とすることを目指しているらしい)


2012年04月29日 14:07 投稿

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