市民数千人が利用している薬局を生かさない手はない(高岡市)

 紹介記事は限られているのですが、自治体(富山県・高岡市)の新たな取組として取り上げました。(記事の確認はお早めに)

市民の健康向上へ協定 高岡 市と市薬剤師会
(中日新聞5月3日)
http://www.47news.jp/CI/201205/CI-20120503-00656.html
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20120503/CK2012050302000215.html

 記事の通り、地域の薬局が市の「健康づくりの窓口」となり、健診や健康相談の案内ちらしを置いてもらうなどの取組で、「すでにうちの地域ではやっているよ」というところもあるかと思いますが、注目点は、市主催の健康相談など各種案内や地域ごとの「歩こう会」、運動教室などの健康関連の情報も発信していくということで、地域薬局が行う Public Health 活動(国民健康づくり運動)ともいえます。

 高岡市が働きかけたか、地元薬剤師会がアピールしたかの経緯は定かではありませんが、同市薬剤師会会長の「毎日、市民数千人が利用している薬局を生かさない手はない」としたコメントは、英国における地域薬局への職能への期待に通ずるところがあります。(TOPICS 2008.04.05

 こういったことを通じて、地域薬局を地域住民を検診につなげたり、将来的には生活習慣病のスクリーニングや予防活動などにつながっていくのではないかと思います。

 高岡市の下記広報紙を見ると、今回の取組み背景には地域医療連携の中で、地域薬局は何ができるかといったことも背景にあるような気がします。

たかおか市民と市政 2012.2.1
http://www.city.takaoka.toyama.jp/kikaku/0204/kou/2402pdf/2402all,sec.pdf

 地元市長もやってもらえないかな? 個人的には、近くの公民館でのサークル活動や、生涯学習などの紹介も、リタイア後の居場所づくりの提案として必要かと思うんだけど。

関連情報:TOPICS
 2012.03.12 地域薬局・薬剤師と Public health 活動
 2012.01.23 大きく変わる国民健康づくり対策~新健康日本21
 2011.10.20 日本セルフメディケーション学会で話をしました
 2011.07.28 公衆衛生分野における薬剤師活動の認知と期待はこれから
 2010.05.08 公衆衛生分野における薬剤師活動の認知度と期待度(英国)
 2008.04.05 薬剤師はさらなる役割を担うべき(英国)


2012年05月03日 21:51 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    協定の一環だと思いますが、大腸がん検診のキットを薬局で配るという取り組みが行われているそうです。

    大腸がん検診 手軽に 薬局で検査セット配布
    (中日新聞 2012.09.08)
    http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20120908/CK2012090802000200.html

    もともと検診会場や保健センターなどで配布されていたそうですが、アクセスを考えて薬局での配布も始めたそうです。(どのようなタイプのものなのかは記事ではわからない)

    同様な事例がないかどうかググったら、石川県能登町では一般商店をも巻き込んだ取り組みも。(タイプがちがうのかなあ?)

    大腸がんの検査キットを店頭配布
    (中日新聞 2012.06.01)
    http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120601150932776#

    大腸がん検診容器がお店にあります(能登町)→キャッシュ