Medpage TODAY に興味ある記事が出ていたのでググってみました。
Pharmacy Model Effective for Heart Checkup
(Medpage TODAY 2012.05.05 要会員登録)
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/EuroPRevent/32527
Euro PRrevent(http://www.escardio.org/congresses/europrevent-2012/)という学会で発表されたポスター発表で、スウェーデン国内に345店舗を擁するチェーン薬局“Apoteket AB”(http://www.apoteket.se/)が行っている、健康チェックサービス“Apotekets Hälsokoll”の取り組みの報告です。
アブストラクトも見ることができました。
Check-up your hearthealth at the pharmacy
http://spo.escardio.org/AbstractDetails.aspx?id=102828&eevtid=52
上記によれば、このサービスは20分をかけて、ライフスタイルについてのアンケート、血圧、総コレステロール量のチェック、胴囲の測定と、アルゴリズムによる心臓血管病(CVD)のリスクチェックを行うというもので、料金は20ユーロ。これに、血糖値検査とカウンセリングが加わると所要時間が30分となり、料金も450KR(スウェーデンクローネ)=63ドル=5270円 となるようです。
このサービスは2010年から開始され、現在345店舗中100店舗で行われていて、サービスを紹介するページ(→Goggle 翻訳)と下記動画で、実際の様子が紹介されています。
Varför Apotekets Hälsokoll gör skillnad(2010.4.12アップロード)
このサービスは欧州心臓学会のサポートも受けているとのこと。
Nu lanseras Apotekets Hälsokoll – stöd för ett mer hälsosamt liv(2010.04.08)→Google翻訳
Medpage TODAYによれば、このサービスはこれまでに1万人以上が利用(72%が女性で、中高年が多かった)していて、ポスター発表では66の郵送によるアンケートと936のwebアンケートの結果の分析結果が報告されたそうです。(結構利用されているんだ。国による健診のシステムはないのかな?)
結果によれば、利用者の多くは満足度が高く、9割の人が食生活の改善や運動にとりくむなどの健康づくりにつながったそうです。(論文となって出てきたら注目です)
それと記事を書いていて思い出したのですが、スウェーデンでは薬局は最近まで国営だったのですが、2010年に民営化と売却が行わています。
薬局の民営化
(Taro の独り言 2010.01.12)
http://sweden904.blog9.fc2.com/blog-entry-281.html
公共企業の民営化その後
(From Stockholm 社会ニュース 2010年度)
http://fukushi-sweden.net/news/2010/sv.news.1017.html
国営薬局の民営化問題
(ディチャーム スウェーデン シニアレポート)
http://www.dignitycharm.co.jp/senior_report/090825.html
全国チェーンという組織があったからこそ、本来なら国が中心となって行うようなサービスも可能だったのかもしれませんが、日本でもそんなに遠くない時期に地域薬局でこういったサービスが提供された場合、やっぱり全国チェーンを展開しているところが優位なんでしょうね。
関連情報:TOPCIS 2008.03.09 薬局でアダルトグッズを試験販売(スウェーデン)
2012年05月06日 22:21 投稿
欧州では、スウェーデン等のように薬局が単一のチェーンとなって医薬品供給を独占しているところもありましたが、独占打破のかけ声と、薬局以外でのOTC医薬品流通(販売)を進める動きとで、変化が起きています。
欧州諸国は、国の大きさもそれほど大きくない事もあり、薬剤師会といっても、日本の県薬に相当するところが頑張れば一国の代表となれるわけです。
日本の場合は、大手チェーンと言っても、競合相手が多く、難しいのかもしれません。