やはり国は上告だそうです。
NHK NEWS WEB 5月9日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120509/k10014984251000.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120509/k10014998121000.html
「東京高裁の法律判断が妥当とは言いがたい。さらに十分な法的議論を尽くすべく最高裁の判断を仰ぐ必要があると判断した」とコメントしたそうです。
SankeiBiz 5月9日
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120509/cpb1205091641003-n1.htm
共同通信は、厚労省は訴訟と並行して、緩和策の検討を進める方針と伝えています。
国、薬ネット販売で上告へ 規制緩和は並行検討
(47NEWS 5月9日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012050901001023.html
ツイッターでも次々とツイートが出ています→リンク「薬 上告」で検索
現時点では、次のような声が。(随時追加。貴重な意見として参考としたい)
- 違法な薬を販売している訳でもないのだから、販売禁止ではなく購入者と販売者の責任を重くするだけでいいのではないか。
- ろくでもないサービスしかできないドラッグストアよりはマシ
- 対面販売でなければ安全性を保てないというが、対面販売で風邪薬を買って、副作用についての注意を受けた事など一度もない。ネット販売と比べてどこが安全なのか。
- 大衆薬だよね? 薬剤師の指導なしに普通に買える薬をネット販売して、一体何の問題があるのかわからない
- 社会的弱者を見ないで、全て自分達の想像した枠中で楽に運営しようという役所の愚かさだな
- 対面で購入するか、ネットで購入するか。国が、今回の問題の根本的な要因は何かを掘り下げて考えているのか疑問
- ネットで買えなくするより、ネットで安全に買えるような法整備を頑張って欲しいと思ってるのですが、どうなんでしょう。
- 1審は薬の安全性、2審は法律論。判断基準が違う。最高裁でも争点の置き方で判決は変わってしまうだろう。
最後の方が指摘しているように、第2審の判決は、第1審と争点が異なったがために逆転判決がでたようです。(だからケンコーコムなども手放しでは喜んでいない。第2審の判決文全文をだれか公開しないかな)
国がどこを争点に上告するかで、また判断が違ってくるかもしれません
関連情報:TOPICS
2012.04.29 医薬品ネット販売を認める判決に思う
2012.04.26 東京高裁、医薬品ネット販売を認める判決
2010.03.30 医薬品ネット販売規制は適法(東京地裁判決)
17:10 タイトル変更し、更新
2012年05月09日 12:09 投稿
一般用医薬品の通信販売解禁を推進する議員連盟」は9日、緊急の会見を行い、(1)上告を断念すること(2)通信販売を原則禁止する規制を撤廃する要望書を提出したそうです。(上告はされてしまったけど)
医薬品のネット販売訴訟で厚労省が上告–蓮舫議員ら解禁派は緊急会見
(CNET Japan 5月9日)
http://japan.cnet.com/news/business/35016884/
日薬は10日の定例記者会見で、コメントを発表しています。
医薬品のインターネット販売訴訟について
(日本薬剤師会5月10日定例記者会見資料)
http://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/2012/05/120510_1.pdf
医薬品のインターネット販売訴訟について
平成24年5月10日
日本薬剤師会
一般用医薬品のインターネット販売業者が、第1類・第2類医薬品の通信販売を行う権利の確認を求めた裁判について、4月26日、東京高裁においてこれを認める判決が言い渡されたところでありますが、これに対し、5月9日、厚生労働省より、この判決を不服として最高裁へ上訴したとの発表がありました。
日本薬剤師会はこれまでも、インターネットでの販売は匿名性が高く、ネット販売された健康食品や脱法ドラッグによる健康被害の発生等にみられるように、現状では、国民の医薬品の適正な選択、使用、安全を揺るがしかねない販売方法であると考えております。また、海外においてはインターネットによる偽造医薬品の販売が蔓延しており、世界的な問題となっています。
したがいまして、国民の医薬品の安全性と適正使用の確保を本分とする公益職能団体の立場といたしましては、現時点では、インターネット販売の規制を行うことは不可欠と考えており、当局の上訴の判断は当然であると考えます。
以上
ケンコーコムも上告についてコメントを発表しています。
ケンコーコム 医薬品ネット販売規制裁判 上告について、コメントを発表
(ケンコーコムプレスリリース 5月10日)
http://blog.kenko.com/company_pr/2012/05/post-d23e.html
控訴審判決において、薬事法の規定は、許可を有する薬局・店舗による郵便等販売を一律に禁止することまでを省令に委任してはおらず、法律の委任によらないで国民の権利を制限する規定することは違法であるとしました。
また、副作用の実証なく、医薬品のネット販売を禁止できないことも明言しています。官僚が裁量によって、法律で定められていない規制を恣意的に、しかも、副作用の実証的な根拠なく行なうことは許されないことが明確に示されたのです。
当社は、この厳正な司法による判決も省みない上告という判断に驚きと憤りを禁じ得ません。
社説より2012.430
ネット販売を禁じた裁量行政への警告。
規制根拠について厚労省は、副作用の危険性が高い薬は薬剤師など資格者が直接、買い手に面と向かって売らなければ健康被害を防ぎきれない、などと説明してきた。高裁判決は服薬時の注意事項や副作用情報を伝える手立てについて、ネットなどを通じた「幅い広い方法が考えられる」と、同省側の主張を完全に退けた。理にかなった判断と言えるだろう。
民主党政権は昨春、行政刷新会議の規制仕分けで薬ネット販売を取り上げたが、厚労省に押し切られて消費者の利便を重視した結論を出さなかった。本来、規制改革は政権が先導して推し進めるべきものだ。今回の司法判断が確定したわけではないが、改革を裁判所に頼るようでは情けない。
高裁判決がさらに画期的なのは「改正薬事法には市販薬のネット販売を禁じる規定はない」と、厚労省の裁量行政に警告を発した点にある。同様な裁量行政は、保険診療と自由診療とを組み合わせて提供する「混合診療」の原則禁止などにも見られる。
薬ネット販売にしろ混合診療にしろ、真に規制が必要と考えるなら国会での審議を通じて立法措置を講じるのが筋だ。既得権者の意向に引きずられた官僚の胸三寸で、消費者や患者の利益を損なうようなやり方を、同省は断ち切るべきである。
私は法の存在形式を何度となく投稿してきたが政省令(規則)がレトリックで、上位である法律をないがしろにしてはならないはずだ。法律は国民の代表の場である国会で審議し決めるべきであり、薬剤師会をはじめ業界の既得権益守護者と組んだ官僚の胸三寸で勝手に省令如をレトリックし国民を欺く行為は断罪せねばならぬ!
2011.10.31混合診療判決 がん患者が国を相手取り、「混合診療」を原則禁止しているのは不当だと訴えていた裁判で最高裁第3小法廷は退けた。
ただし、小法廷の5人中4人の裁判官が、制度の現状について個別意見を付けた」。裁判長は、混合診療について「健康保険法に正面からの規定がなく、患者側からすると分かりにくい」と指摘。
確かにそうだ。厚生労働相は「国の主張が認められた」と・・・しかし個別意見を重く受け止め、制度改善に努めるべき。
主な争点は2つ。
(1)混合診療を禁じる法的根拠があるかどうか。そして、原則禁止としている政策自体の妥当性である。
(2)健康保険法には「混合診療を禁止する」との規定はなく、他の条文から厚労省が勝手に解釈しているに過ぎない、ことである。
1審は「厚労省の解釈は誤り」として主張を認め、2審は「解釈は妥当だ」と逆転、最高裁は2審判決支持したが、下級審で判断が分かれたのは、現行法に異なる解釈余地があるためだ。それが患者側の不満にもつながっている。
混合診療の原則禁止については、最高裁は「安全確保や財源制約などから、保険適用を合理的に制限することはやむを得ない」と現状追認した。
ただ、現実には、混合診療を認める例外的制度適用が、すでに相当拡大している。
例えば、新療法を医療機関が届け出て、「先進医療」に認められれば保険診療と併用できる。未承認薬の投与も検討に時間をかけず混合診療を認めたり、保険医療に組み込んだりしている。
現状は「実質的解禁」に近いと指摘する声も多い。
医療は日進月歩であり、常に混合診療を認める範囲の拡大努力しなければ、患者の要望に応えられない。
国民不在で官僚主導を変えなければダメであり、より柔軟な制度運用が必要である。
法はまず、文書によってあらわされる成文法として存在し種類として、憲法・条約・法律があります。ここでは、理解を深めるため法律について少し説明いたします。
法律はのちに述べる政令その他の命令よりは、“上位”にたつ。
(a)命令・命令は法律と異なり、国会の議決を経ないで制定される。命令のうちで、内閣の制定すものを“政令”といい、各大臣の制定するものを“省令”という。
(b)規則・規則とは、国の立法機関である国会以外の機関によって制定される“成文法”で、たとえば最高裁判所規則、地方公共団体の長の定める規則などがある。
(c)自治法・自治法とは、国家以外の団体が団体員にたいして、その自治権にもとづいて定める法である。おもなものは、都道府県・市町村が定める“条例”である。
恐らく若き登録販売者・薬剤師は法の存在形式も理解してない方も多いだろう。
そして、各都道府県の薬務も法を超えた行政指導は厳に慎むべきである。私自身、薬務課には建設的な意見やクレームもつけてきた一人である。
この掲示板を見ておられる方々もしっかり自身の意見をもって行動して職務に全うして戴きたい。全て行政が正しいのではないし、行き過ぎた行政指導は逆に監視しなければならない。悪な行政指導があればどんどん議員などに申告すべきである。
もとより、国民によって選ばれた各議員の仕事は国民からの要望を良き法案に作成提出されそれが決定したら、その事がしっかり実施されているかの監視である。国民も行政を監視しなければならない。
話は変わるが、薬剤師会のHPって意見する電話受付やメールもないんだね。前からおかしいなと思ってましたが。多分、規制改革等、文句言われるのが既得権益者のその意味で困るんだろうね。
既得権益者と言われる事には少し疑問があります。
末端にいると、行政に飼いならされているような印象があります。
行政に盾つくな!、我々が正しい、我々の言う通り1mmたりとも道をはずすな!そうしないと許可を与えないぞ!って。
しかし、勉強になりました。深いご意見有難うございます。
関連記事です。
ケンコーコムの行政訴訟、逆転勝訴の理由と最高裁の行方
(CNET JAPAN 2012.05.22)
http://japan.cnet.com/news/commentary/35017258/