セフカペンピボキシル塩酸塩細粒GE品の回収に思う

  RISFAXで気になる記事が出たので調べてみました。

長生堂製薬 自主回収「セフカペン」、製造委託集中で対象拡大
(RISFAX 2012.05.24)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=38469

 各社回収のアナウンスを見たのですが、代替品として「サワイ」「トーワ」だけを示して、その他のメーカー品を挙げていないのは何とも不思議な感じです。(中身は同じとはいえないだろうし。リンクすみません)

 経口用セフェム系抗生物質製剤 『セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用10%「CH」』の自主回収について(医療関係者様)
(田辺製薬販売 2012.05.12)

セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用100mg「TCK」自主回収に係お知らせ
(辰巳化学 2012.05.14) (本製品を製造している製造所との記載はある)

 セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用10%「JG」 「自主回収のお知らせ」を掲載致しました
(日本ジェネリック 2012.05.18)(委託先製造所との記載はある)

セフカペンピボキシル塩酸塩細粒10%小児用「日医工」の自主回収に関するお知らせとお願い
(日医工 2011.05.21)(東和薬品製品を代替供給するとの記載はあるが製造委託の記載はない。自社品としたいプライドがあるのか)

セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用10%「マイラン」 自主回収について(医療関係者様向け)
(マイラン 2012.05)(委託先製造所との記載はある)

セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用10%「YD」自主回収に関するお知らせ
(陽進堂 2012.05)(委託先製造所との記載はある)

 過去にも確か炭酸リチウムで複数のメーカーで回収になった記憶がありますが、今回のように一度に6社の製品が回収の対象となるのはおそらく初めてではないでしょうか。

 後発品企業6社の共同開発というのは聞こえはいいけど、PMDAで各社製品の溶出試験を見ればデータは同じで中身は同じということ。(それだけ単独では開発力が必ずしも十分ではないということ。その点やはり東和や沢井はすごいと思う。中堅メーカーのGE品も似たような実態があると思う)

 しかし、薬価は「マイラン」と「TCK」は128.9円/g、「CH」と「日医工」は122.8円/g、「YD」「JG」へ113.4円/g と異なります。(経済原理なので仕方はないけど)

 一般名処方で融通は利くようになったとはいえ、中身が同じなのに複数在庫を余儀なくされているところもあるはず。

 今回の回収劇をみると、共同開発だとしても実質中身が同じなら、やっぱり薬価収載名は同一にすべきではないかと改めて思いました。(こういったことも後発品への不信感につながる原因になる)

関連情報:TOPICS 2008.07.01 GE品銘柄別収載を見直すべき(アムロジピン錠データから)


2012年05月24日 11:22 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    ちなみにPMDAの下記ページでも各社各製品の自主回収に関する情報が掲載されています。(メディナビでも配信されるけど。私は登録していなかった)

    医薬品等の回収に関する情報(PMDA)
    http://www.info.pmda.go.jp/kaisyuu/menu.html

    この件は、2012年度クラスIIのページにありました。

    バファリンジュニアかぜ薬が自主回収になっているとは知らなかった。

  2. アポネット 小嶋

    今回の問題について、日経DI(冊子版)7月号のInside Outside で取り上げています。

    食品では産地まで記されている時代なのに、後発品だけは実際に作った「製造元」が公表されていないことに不自然さすら感じると指摘。

    後発品の品質確保や信頼性の向上という観点からさらなる情報公開が必要だと考えるというのには同意します。