先日、前立腺がんのスクリーニングはリスクがベネフィットを上回るとした勧告を行った（TOPICS 2012.05.22）米国予防医学作業部会（USPSTF：U.S. Preventive Services Task Force）が28日、HRT（ホルモン補充療法）に関するエビデンスレビューを発表し、海外では話題になっています。
Menopausal Hormone Therapy for the Primary Prevention of Chronic Conditions
A Systematic Review to Update the U.S. Preventive Services Task Force Recommendations
（USPTF Evidence Update 2012.05）
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf12/menohrt/menohrtart.htm
（Ann Intern Med 2012;157:1-10; publishe online May 28, 2012）
http://www.annals.org/content/early/2012/05/23/0003-4819-157-2-201207170-00466
http://www.annals.org/content/early/2012/05/23/0003-4819-157-2-201207170-00466.full.pdf
このエビデンスレビューは2002年に発表された更新版で、2002年以降に発表された51のRCTやシステマテイック・レビューをチェックしたもので、次のようなことが分かったそうです。
- エストロゲン＋プロゲスチンの併用療法、またはとエストロゲンの単独療法は、骨折リスクを低下させたが、発作、血栓塞栓症イベント、胆嚢疾患と尿失禁のリスクを増加させた
- エストロゲン＋プロゲスチンの併用療法は、乳がんと認知症の可能性のリスクを増加させたが、エストゲンの単独療法では、乳がんのリスクを低下させた
USPSTFでは、「閉経後の慢性疾患の予防としてのエストロゲン＋プロゲスチンの日常的な使用」と、「子宮を摘出した人の閉経後の慢性疾患の予防としてのunopposed estrogen の日常的な使用」については、2005年に既にリスクがベネフィットを上回るとした勧告Dを行っており、現時点ではこれは変更はされていません。(再検討中)
関連ブログ：
USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る
（内科開業医のお勉強日記5月29日）
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/05/uspstf.html
参考：
HRT Update: Therapy May Reduce Fractures, Boost Some Risks
（Health DAY 2012.05.28）
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665125
HRT Risk Holds Steady Based on Updated Review
（Medpage TODAY 2012.05.28 要会員登録）
http://www.medpagetoday.com/OBGYN/HRT/32952
New study sounds warning on hormone replacement therapy
（Washington Post 2012.05.28）
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/new-study-sounds-warning-on-hormone-replacement-therapy/2012/05/28/gJQA78wfxU_story.html
I’ve studied HRT for years – and I’m still convinced it raises women’s risk of cancer
（Mail Online 2012.05.29）
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2151238/Ive-studied-HRT-years–Im-convinced-raises-womens-risk-cancer.html
5月29日 14:20 リンク追加
2012年05月29日 12:30 投稿
