18日、 Pediatrics 誌のオンライン版で、米国における子ども向け処方薬の処方動向が明らかになっています。
Trends of Outpatient Prescription Drug Utilization in US Children, 2002–2010
(Pediatrics Online June 18 ,2012)(オープンアクセス)
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2012/06/13/peds.2011-2879
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2012/06/13/peds.2011-2879.full.pdf
この調査はFDAのサポートの下、処方データの他、商業的データなども加味され明らかになった(Mail Order によるデータは含まれず)もので、2010年に17歳以下の子どもに処方された医薬品で最も多かったのは、アモキシシリンで、2位はアジスロマイシン、3位はアルブテロール、4位はアモキシシリン/クラブラン酸、5位はセフジニルだったそうです。以下、目立ったところでは、9位にイブプロフェン、10位にモンテルカスト、16位にメチルフェニデート(12~17歳では全体で4.5%を占め、最も多い処方)などとなったそうです。
総処方数は、2002年と比べ9%減少、この背景には抗生剤の適正使用やOTC風邪薬咳止め薬の使用制限、ロラタジン(2002年)やセチジリン(2007)のスイッチがあるのではないかとしています。
一方2002年と比べ増加したのは、ADHD治療薬(年間80万処方増、46%増)と避妊薬(年間500万処方増、93%増)です。
- 去痰薬を除く風邪薬・咳止め薬(42%減)
- 抗アレルギー薬(61%減)
- 抗うつ薬(5%減)
- 鎮痛薬(14%減)
- 抗生剤(14%減)
- ぜんそく治療薬(14%増)
- 外用ステロイド薬(10%増)
- 経口ステロイド薬(22%増)
- 発作薬(seizure medications)(10%増)
乳児へのランソプラゾールなどのPPIのoff-label の使用もあるとのことで、研究者らはベネフィットリスクの評価の一つとして、使用状況のモニターを行うことが重要だとしています。(日本では成分ごとの使用実態は大人も含めてあまり公表されない)
関連情報:TOPICS
2012.06.15 向精神薬を使う人への情報提供を考える(クロ現を見て)
2012.04.19 見直しませんか、いわゆる“かぜ薬”
2011.11.19 ANTIBIOTIC AWARENESS WEEK
2008.10.08 小児用OTC風邪薬は4歳未満に与えてはいけない(米国)
参考:
American Kids Getting Fewer Prescription Drugs: Study
(Health DAY 2012.06.18)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665791
FDA: ADHD Drugs Top Rx for Kids
(Medpage TODAY 2012.06.18)(要会員登録)
http://www.medpagetoday.com/Pediatrics/GeneralPediatrics/33321
2012年06月19日 10:45 投稿
MTProで記事がでています。
全米で小児に最も多く処方された薬剤トップ30
(MT Pro 6月21日 要会員登録)
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1206/1206062.html