英国では、以前からイエローカード副作用報告システム(YCS:Yellow Card Scheme)という患者自身が副作用の報告ができるというシステムが運用(日本では最近ようやく試行事業が開始→TOPICS 2012.03.26)されていますが、このYCSについての地域薬剤師に考え方や取組状況について尋ねた調査結果が公表されています。
Views of British community pharmacists on direct patient reporting of adverse drug reactions (ADRs)
(Pharmacoepidemiol Drug Saf Published Online 22 JUN 2012)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/pds.3306/abstract
調査は郵送により行われ、297人が回答。(回答率27.1%) 以下のようなことがわかったそうです。(FULL-TEXTで詳しい結果が見たい)
- 19.6%の人は副作用(有害事象)について患者に尋ねていない
- 38.7%の人は患者がYCSで報告することを勧めていない
- 勤務先の薬局でYCS周知のポスターを掲示するのはわずか18.5%に留まるが、57.9%の人はYCSが利用できるだろうと考えた
- 一方で、24.9%の人は副作用報告は医療専門職に制限されるべきであるとし、その理由として14.4%が患者は副作用かどうかわからないであろうことをあげた
意外にも、英国の薬剤師におけるYCSの関心は低いということらしく、研究者らはYCS が広く活用されないのではないかと危惧しているようです。
各紙によれば、日本では今年3月26日から試行的に開始した患者副作用報告システムで、これまでに約90例の報告があったとしています。
やはり、日本でも地域薬局も含めたさまざまな手段での周知とともに、現場の薬剤師の認識と取組み姿勢がカギを握るのではないかと思います。(もう少ししたら、これと同じような調査を日本でしたほうがいいかもしれない)
関連情報:TOPICS
2012.03.26 オンラインによる患者副作用報告の試行事業が開始
2011.05.19 イエローカード副作用報告システムは有用
2012年06月24日 19:51 投稿