地域薬局で無料HIV検査の試行事業（米CDC）

　FDA諮問委でOTC HIV検査キットの承認支持が評決された米国（TOPICS 2012.05.13）ですが、米疾病対策センター（CDC）は26日、無料HIV検査の試行事業を全国24ヶ所の地域薬局とretail clinicで実施することを明らかにしています。

Innovative CDC Effort Expands HIV Testing into Pharmacies
（CDC 2012.06.25）
http://www.cdc.gov/nchhstp/newsroom/NHTDPressRelease2012.html

　米国では110万人のHIV感染者がいると推計され、CDCではそのうちの1/5が感染を知らないままでいて、そのうちの1/3が治療を受けないままにAIDSを発症してしまっているとしています。

　CDCでは毎週100万人が利用している地域薬局や30％の人が車で10分でアクセスできる retail clinic がアクセスの面からHIV検査の場として活用できるとして、今回の試行事業に踏み切ったようです。（retail clinic については、下記記事で解説があります）

「アメリカにおけるコンビニエント・ケア・クリニックの動向」
（治療　91(5) 1598-1602,2009、三井物産戦略研究所HP）
http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r0905h_kato.pdf

　CDCのHIV/AIDS対策部長は、「我々のゴールは血圧のチェックと同じように日常的にHIV検査ができるようにすることだ」と延べ、感染を知らないままでいる数十万人の人たちの手助けをしたいとしています。

　CDCでは、12の大都市と12の地方都市で試行事業を検討しているとしていますが、7か所ではすでに事業が開始されているとのことです。

　各紙によれば、検査キットは唾液を綿花でとるという簡易タイプ（20分で結果が出る）で実施されるようで、CDCでは地域薬局やretail clinic のスタッフに対するトレーニングを行うとしています。

　地域薬局でのHIV検査は、全国チェーンのウォルグリーンで既に実績があり、今週20都市でAIDS団体などとのコラボで無料の検査キャンペーンが行われるそうです。

2012年06月27日 13:34 投稿