OTC鎮痛薬は4日分までに制限すべき(ドイツ)

 ドイツ当局の連邦医薬品医療機器庁(BfArm)は、26日に開催された処方薬に関する専門委員会で、アスピリン、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセンのNSAIDsについて、処方せんなしでの販売は4日分までに制限することを勧告したそうです。(Google翻訳による情報です。一部誤訳がある可能性がありますのでご留意下さい)

Ergebnisprotokoll (Kurzfassung) der 69. Sitzung des Sachverständigenausschusses für Verschreibungspflicht am 26.06.2012
(BFArM 2012.06.27)
  原文→リンク  Google翻訳→リンク

 今回はOTC鎮痛薬の長期使用による健康への影響(腎障害・消化管出血)を考慮したもので、イブプロフェン400mg錠なら4800mg(12錠)までとなります。

 既にドイツでは、肝障害のリスクから2009年にアセトアミノフェンについて最大10gのパック制限(300mgの錠剤があるとしたら33錠約10日分となる)も行われています。

 最終決定は保健省が行うとのことですが、製薬会社は反対しているようです。

 海外では包装数によるOTC医薬品の販売制限は一般的(日本でも一応自主規制はあるらしい)で、国によっては包装数によって日本でいうところのリスク区分も細かく分けられています。(陳列も異なる場合あり)

 おそらく、日本のようにノーシンや総合感冒薬の大包装が店頭に山積みにされて販売されているのは、海外ではあまりないでしょう。

関連情報:
 2009.05.28 アセトアミノフェンの安全対策(肝障害)が示される(米国)
 2012.04.29 医薬品ネット販売を認める判決に思う

参考:
Verschreibungspflichtige Medikamente: Schmerzmittelverkauf soll eingeschränkt werden
(stern.de 2012.06.26) →原文  →Google翻訳
Schmerzmittel nur noch vier Tage
(Ärzte Zeitung.de 2012.06.26) →原文  →Google翻訳


2012年06月30日 01:10 投稿

コメントが2つあります

  1.  米国や英国などでは、大包装品のOTC販売は珍しくないし、日本では見かけない2つ買えば1つタダといった売り方もあります。
     また、小包装品については、医薬品の販売規制として、GSL(日本でいえば、医薬部外品に相当する、小売段階では薬事法の規制外の店舗での販売、専門家の関与無しを認める区分)として存在する場合の安全性担保の一方策として取られていることが多いものと考えます。
     海外では、非処方せん薬か処方せん薬かの区分が重要であり、償還対象かどうかは、また別なこととされています。

  2. アポネット 小嶋

    いつもコメントありがとうございます。

    確かに米国などでのアセトアミノフェンの大包装の存在は聞いていますが、日本との違いは、「アセトアミノフェンが含有されています」とはっきり外箱に記され、過量服用についてのリスクについても記されていると聞いています。(使用量は違いますが。NSAIDsでも、大包装というのはあるのですか?)

    以前大包装だから、過量服用で自殺にリスクがあるという話もありましたが、否定的なstudy も出ているので、過度の心配は不要かもしれません。

    ただ、つい最近のDrug Store News によれば、米国薬剤師会は生涯教育プログラムで、アセトアミノフェンに関するプログラムを準備されているとのことで、潜在的なリスクは販売する側も留意する必要がありそうです。

    APhA introduces acetaminophen continuing-education program for pharmacists
    (Drug Store News 2012.06.28)
    http://www.drugstorenews.com/article/apha-introduces-acetaminophen-continuing-education-program-pharmacists

    一方、今回のNSAIDsの規制というのは、事実上4日を超えるものは処方せんでの販売をということのようですが、(ドイツ語で情報が限られるので)もし詳しい経緯がわかりましたら、ご教示下さい。