プロペシア(フィナステリド)による性機能不全(Sexual dysfunction)の副作用の可能性はよく知られているところですが、 The Journal of Sexual Medicine 誌に服用中止後もこの性機能不全が持続する可能性があるとした報告が掲載され、話題となっています。(NHS Choice に研究の詳しい紹介あり。報道は誇張しすぎと少し批判)
Persistent Sexual Side Effects of Finasteride:Could They Be Permanent?
(J Sex Med.published online: 12 JUL 2012)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22789024
Rooney hair-loss drug ‘can shrink men’s genitals’
(NHS Choices 2012.7.13)
http://www.nhs.uk/news/2012/07July/Pages/hair-loss-drug-shrink-genitals.aspx
この研究は、フィナステリドの使用後に性欲低下などの性機能不全となった人54名を追跡調査(平均14か月)したものですが、この54人というのが、フィナステリドの副作用に悩むインターネットフォーラムの参加者だったことから、調査方法に対して疑問を投げかける意見もあります。
それでも結果を見ると、96%が機能不全の定義に該当する副作用に悩み続けているとのことで、Daily Mail 紙などはサッカーのルーニー選手の事例(5か月服用後、精巣の縮小とインポテンスが発現、中止後も改善されない)を取り上げ、製薬会社に「持続的なリスク」の警告をラベルに記すべきとの要求も出ていると伝えています。
ちなみに、PMDAで日本の添付文書をチェックしてみたら、今年1月の改訂で、勃起機能不全の副作用について、「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある」との記載が追記されています。
また、米国では今年4月にラベルの変更が行われています。
Questions and Answers: Finasteride Label Changes
(FDA 2012.04.11)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/InformationbyDrugClass/ucm299754.htm
参考:
Hair loss drug may reduce libido
(CNN 2012.07.13 TIME配信)
http://edition.cnn.com/2012/07/13/health/propecia-healthland-baldness-drug/
Baldness drug Wayne Rooney took ‘could cause permanent impotence and shrink genitals in some men’
(Mail Onlie 2012.07.12)
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2172553/Propecia-Baldness-drug-Wayne-Rooney-took-cause-permanent-impotence-shrink-genitals-men.html
Propecia (finasteride) Permanent Sexual Dysfunction Risk
(Medical News TODAY 2012.07.16)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/247858.php
2012年07月17日 00:34 投稿