米FDA、抗肥満薬Qsymiaを承認

　FDAは27日、FDA諮問委で承認支持の評決（TOPICS 2012.02.23）が行われていた抗肥満薬のQsymia（混同防止のため、Qnexaから名称変更）を承認したことを明らかにしています。（承認の可否の期限は4月17日から7月17日に延期されていた）

FDA approves weight-management drug Qsymia
（FDA　NEWS　RELEASE 2012.07.17）
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm312468.htm

Medications Target Long-Term Weight Control
（FDA For Consumers 2012.07.17）
http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm312380.htm

 Qsymia は、食欲抑制薬のphentermineと抗てんかん薬のトピラマートとの合剤で、BMI30以上または過体重関連の合併症（高血圧、2型糖尿病、高脂血症）を1つ以上有するBMI27以上の過体重の患者が対象となっています。

　使用に当たってはカロリーの制限と運動プログラムを行うことが必要条件となっている他、12週間の使用（7.5mg phentermine/46 mg topiramate extended-release）で3％の減量が認められなかった場合は中止するか増量するかを勧告するとともに、高用量（15mg/92mg）で5％の減量が認められなかった場合には使用の中止を求めています。

　また、Qsymia は従来品の配合薬ということもあり、さまざまな有害事象が想定されており、特に心臓発作や卒中の懸念があることから、承認後も長期間の心臓血管系の安全性に関する臨床試験が継続されます。

　一方、配合されているトピラマートには口蓋裂の胎児への影響があることから妊婦には禁忌となります。（妊娠可能な女性は服用開始前に妊娠検査と服用中の避妊が必要）

　さらに、緑内障や甲状腺機能亢進症の人にも禁忌となる他、心臓病の既往歴がある人での使用も勧告されないとしています。

　なお、Qsymiaでよくある副作用として、手や足の知覚異常、めまい、味覚の変化、不眠、便秘と口内乾燥症などがあるそうです。

　これだけ使用制限があっても承認されるというのは、やはり肥満大国ならではなのでしょうね

関連情報：
　2012.02.23　抗肥満薬 Qnexa、2度目の挑戦で承認か（米国）
　2012.06.28　米FDA、抗肥満薬 lorcaserin を承認

参考：
FDA approves new diet drug
（CNN 2012.07.17）
http://edition.cnn.com/2012/07/17/health/fda-diet-drug/
New diet drug helps patients lose about 10% of weight
（USA TODAY 2012.07.17）
http://www.usatoday.com/news/health/story/2012-07-18/qsymia-diet-drug-approval/56271594/1
Second Diet Drug Wins FDA Approval
（Medpage today 2012.07.17 要会員登録）
http://www.medpagetoday.com/PrimaryCare/Obesity/33794　

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2012年07月18日 10:24 投稿