ロンドンオリンピック開催にあわせてというわけではありませんが、スポーツ飲料などのスポーツ関連商品の有用性について、BMJ 誌に論評が、またBMJ Opne 誌には論文が掲載されています。
BMJ 誌に掲載されたのは、スポーツ飲料についてで、歴史的経緯などの他、運動による血液中の低ナトリウムや脱水症状の危険性などを示すことで、教育の現場などにも企業が商品を売り込んでいるといった論評を行っています。
The truth about sports drinks
(BMJ Published Online 19 July 2012)
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e4737
スポーツドリンク:商用主義により作られた妄想 ・・・ 熱中症予防の嘘、スポーツ・パフォーマンスへの効果など
(内科開業医のお勉強日記 7月20日)
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/07/blog-post_20.html
Sugar-laden sports drinks ‘cancel out exercise gain’
(The Telegraph 2012.07.19)
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/9408844/Sugar-laden-sports-drinks-cancel-out-exercise-gain.html
一方、BMJ Open 誌に掲載されたのは、英国と米国のTOP100の雑誌とTOP10のスポーツ雑誌、フィットネス雑誌(ボディビル関連は除外)に掲載された、スポーツ関連の商品広告のうちスポーツパフォーマンスに関するものについてレビューしたもので、引用されている情報がエビデンスを基づくものになっているかも調べています。
The evidence underpinning sports performance products: a systematic assessment
(BMJ Open Published Online 18 July 2012)
http://bmjopen.bmj.com/content/2/4/e001702.full
‘Gym and tonic’ – doubts about sports drinks
(NHS Choices 2012.07.19)
http://www.nhs.uk/news/2012/07July/Pages/Gym-and-tonic.aspx
[NZ]スポーツ用品の宣伝の「驚くべき根拠の欠如」
(食品安全情報Blog 2012.07.19)
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20120719#p1
研究者らは、431の広告と146の引用情報について調べましたが、パーフォーマンスを向上させると宣伝するWEBの半数で引用が示されていない、引用情報の研究に偏りが見られるものが少なくないと指摘、研究についての限界を認めつつも、スポーツ関連商品の利益と有害性についての質の高い情報が生活者に提供されていないとしています。
いずれも、スポーツパフォーマンスの向上に役立つとした科学的根拠があるのかを疑問視した他、潜在的な有害性についての情報の提供が少ないということのようです。
そういえば先日、歯科医の先生をお招きしてお話を伺ったのですが、その際、スポーツ少年の間にスポーツ飲料の飲ませ過ぎが原因と思われる歯のトラブルが散見されるとのこと。
原因はスポーツ飲料中の糖分などが酸性を高めるため、常用的に使用することでエナメル質が溶け出し、歯の表面が白くなったり、虫歯の原因となりうるとのことだそうで、歯科医の先生は、子どもらを指導する人たちはきちんとした知識を持っていてほしいとお話されていました。(同様のことは、高齢者に人気の黒酢の愛飲者にもみられるとのこと)
イオン飲料とむし歯に関する考え方(案)
(日本小児科学学会 平成16年1月16日)
http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index03_02.html#pro02
気をつけて!最近こんな虫歯が増えています!(埼玉県歯科医師会)
http://www.saitamada.or.jp/knowledge/mushiba.html
Energy and Sports Drinks Eat Away at Teeth, Study Finds
(Health Day 2012.05.02)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664387
2012年07月20日 13:30 投稿