2013年度の厚労省の予算概算要求

 もうこんな時期なのかという気もしますが、5日厚労省は来年度の予算概算要求を明らかにしています。 

2013年度厚生労働省所管概算要求関係
(厚労省 9月7日掲載)
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/13syokan/

2013年度予算概算要求の概要 資料
(日刊薬業行政情報資料 9月5日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226569515389
 

2013年度予算概算要求の主要事項 資料
(日刊薬業行政情報資料 9月5日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226569523242 

 あくまでも概算要求なので、この額そのまま通るというわけではありませんが、新規と思われる事項も散見されますので、私たちと関わりがありそうな部分を抜粋しました。 

≪安心で質の高い医療・介護サービスの安定的な提供≫  

安心で質の高い医療・介護サービスの安定的な提供 

 1. 医療イノベーションの推進など【617億円】(2012年度は290億円)
(1)医療イノベーション5か年戦略の着実な推進【特別重点】 【411億円】
 ・・・・・・
(8)後発医薬品の使用促進【6億円】(4.8億円)(一部新規)

 患者や医療関係者が安心して後発医薬品を使用することができるよう、品質・安定供給の確保、情報提供の充実や普及啓発などによる環境整備に関する事業などを引き続き実施する。
 さらに、医療関係者が品質に関する情報を簡便に入手することができるよう、データベースを新たに整備し、情報提供の充実を図る。
 また、より医療現場に近いレベルで関係者の理解を図るため、都道府県が設置している協議会に加え、市区町村若しくは保健所単位レベルで協議会を設置し、地域住民への働きかけなど地域の実情に応じた取組を強化する。
 さらに、医薬品市場のグローバル化が進む中、我が国の後発品メーカーの国際競争力を高めるため海外市場への進出や、バイオ後続品の可能性を見据えた調査・検討事業を行うとともに、安定供給に関する海外の事例調査を行う。 

2.医療提供体制の機能強化【881億円】(605億円)
(1)地域医療の強化のための緊急対策【特別重点】【105億円】(10億円)
1)在宅医療の充実強化【23億円】(10億円) 

ウ)薬局を活用した薬物療法提供体制の強化) 【2億円】(新規)

 抗がん剤や麻薬など、使い方が難しい薬を用いた治療や適切な服薬指導など、誰もが安心して在宅で受けられるよう、薬の専門家である薬剤師がチーム医療の一員として、訪問や相談、情報提供をスムーズに行うための体制を整備するなど、地域での適切な薬物療法を推進する。 

(2)地域医療確保対策【101億円】(91億円)
5)チーム医療の推進 

ア)チーム医療の普及推進【28億円】(24億円)(一部新規) 

 多職種協働のチーム医療の取組を全国に普及させるため、病院団体や各関係職種の職能団体などに委託して複数の医療関係職種の合同研修を行い、職種間の相互理解やコミュニケーション能力の向上を図る。 ・
 また、チーム医療を推進するため、専門的な臨床実践能力を有する看護師が医師の包括的指示を受け、幅広い医行為を含む看護業務を実施できる仕組みの構築に向け、業務の安全性や効果の検証を行う。 

4.安心で質の高い介護サービスの確保2【2兆5,824億円】(2兆4,314億円)
(1)認知症を有する人の暮らしを守るための施策の推進(一部特別重点)【63億円】(26億円)
1)認知症施策推進5か年計画の着実な実施【特別重点】 【37億円】(新規)

(標準的な認知症ケアハスの作成・普及)

 認知症の人ができる限り住み慣れた自宅で暮らし続けられるよう、市町村で、地域の実情に応じて、その地域ごとの認知症ケアパス(状態に応じた適切な医療や介護サービス提供の流れ)の作成・普及を行う

(地域での日常生活・家族の支援の強化や医療・介護サービスを担う人材の育成)

オ)認知症ケアに携わる多職種の協働研修などの実施

 市町村で認知症ケアに携わる医療、介護従事者の双方が共通して理解しておくべき基礎的知識に関する研修などを行う.

(地域ケア会議の活用推進)

 医療、介護の専門家など多職種が協働してケア方針を検討し、高齢者の自立支援、認知症の人の地域支援などを推進する「地域ケア会議」の普及・定着を図る。

≪健康で安全な生活の確保≫

2.がん対策【392億円】(275億円)

(4)禁煙対策の強化16億円(新規)

「がん対策推進基本計画」や「健康日本21(第2次)」で、たばこをやめたい人を支援して喫煙率を平成34年までに12%まで低下させることを目標としていることに基づき、がん診療連携拠点病院に「たばこ相談員」を配置し、禁煙に関する電話相談や禁煙に係る最寄りの医療機関などの情報提供を行う(たばこクイットライン)。 

15.違法ドラッグを含む薬物乱用・依存症対策の推進【9.5億円】(9.0億円)
(1)連法ドラッグ対策の強化【2.5億円】(1.6億円)

 社会問題化している違法ドラッグの乱用を食い止めるため、指定薬物や麻薬に指定されていない新たな化学物質の指定の迅速化、類似の化学物質を包括的に指定する仕組みを見据えた分析体制の充実強化、乱用防止のための情報の収集・提供や啓発などの取組を強化

 後発医薬品の使用促進の他、多職種協働や認知症ケアパスで薬剤師がどのように関わるかがカギとなりそうです、

関連情報:TOPICS
 2012.01.23 大きく変わる国民健康づくり対策~新健康日本21
 2012.03.12 認知症ケアパス部会報告書(案)(東京都)

関連記事:
医療介護CBニュース 9月5日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38050.html

9月7日 リンク追加


2012年09月05日 15:50 投稿

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