米FDA諮問委、オキチブチニン貼付剤のスイッチを審議へ

 31日、米FDAは11月9日開催の非処方せん薬諮問委員会(Nonprescription Drugs Advisory Committee)で、オキシブチニン(本邦販売名:ポラキス他)の貼付剤(oxybutynin transdermal system)のOTC品を承認するかどうかの審議を行うと発表しています。

November 9, 2012: Nonprescription Drugs Advisory Committee Meeting Announcement
http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/Calendar/ucm317757.htm 

 審議されるのは、既に処方せん医薬品として販売されているWatson Pharma 社の Oxytrol を、一般向けにラベルの変更を行ったもののようで、使用者(生活者)が理解ができるかどうかの調査結果も諮問委員会で提示されるものと思われます。(審議資料は、諮問委員会2日前までにホームページにアップされます。日本は審議資料は、企業秘密だとして承認まで公開されないが、日本でもこういうスタイルにして欲しい)

 OXYTROLは、2003年2月に承認された処方せん医薬品で、パッチは1日あたり3.9mg が出てくるようになっていて、貼り替えも週2回で済むようになっているそうです。(包装も8枚入りが1か月分として売られているらしい)

Oxytrol(Drug Approval Package/Drugs@FDA)
http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2003/21-351_Oxytrol.cfm

Label (2011.01.31 Update)
http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2011/021351s005lbl.pdf

What is OXYTROL?
http://www.oxytrol.com/p/about.asp

Letter to Pharmacist 
http://www.oxytrol.com/hcp/hcp_information_letter.asp

OXYTROL—
the first and only transdermal system for overactive bladder
http://www.oxytrol.com/hcp/hcp_information_letter.asp

 副作用に留意しつつ、週2回貼り替えるということが果たして使用者(生活者)の判断でできるかどうかがおそらく議論になる(米国には要薬剤師薬といったカテゴリーは存在しないので、自己判断で使われるということが大前提)と思いますが、抗コリン作用のある過活動膀胱治療薬がスイッチされるとなると、おそらく世界で初めてとなるので注目です。(日本でいうところの効能効果はどうなるのだろう?)

 ちなみに日本での貼付剤(たぶん同じものではないと思う)は、久光製薬が今年5月に製造販売承認申請を行ったばかりで、日本でのスイッチはず~っと先です。

過活動膀胱治療薬 HOB-294(オキシブチニン塩酸塩 経皮吸収型製剤)の製造販売承認申請に関するお知らせ
(久光製薬株式会社 2012.05.18)
http://www.hisamitsu.co.jp/company/pdf/news_release_120518.pdf

参考:
FDA’s Nonprescription Drugs Advisory Committee to meet on Oxytrol Rx-to-OTC switch
(Drug Store News 2012.09.04)
http://www.drugstorenews.com/article/fdas-nonprescription-drugs-advisory-committee-meet-oxytrol-rx-otc-switch


2012年09月05日 23:31 投稿

コメントが4つあります

  1. アポネット 小嶋

    9日の審議に先立って、当日のスケジュールや資料がアップされました。

    Meeting Materials, Nonprescription Drugs Advisory Committee
    (当日のスケージュールや委員名など)

    スケジュール(→リンク)を見ると、丸一日かけてやるんですね。

    OTC医薬品(米国では要薬剤師薬というカテゴリーがないので、あくまでも生活者の判断で使用することが基準)としてふさわしいか、ラベルがわかりやすいものになっているのかなどの議論が行われるようです。(→リンク

    Briefing Information for the November 9, 2012 Meeting of the Nonprescription Drugs Advisory Committee(討議資料) →FDA →Merck Consumer Care

    朝起きた頃には、記事も出ると思うのでコメントできたらと思います。

    エパデールもこういった形で資料を開示して、Open Public Hearing をするといいと思う。

  2. アポネット 小嶋

    資料を見たら、効能(Use)はすばり女性の活動性膀胱(overactive bladder in woman)で、痛みや発熱がある場合、尿に血が混じる、腰痛を伴う場合、18歳未満、緑内障がある人、咳や笑ったときだけの場合、男性の場合は使用できないとなっていました。

    現在、Bloomberg のみが記事を配信していますが、使用者だけの判断だけでは、難しさもあるのではないかとしています。

    Merck May Not Have Shown Women Can Safely Choose Drug
    (Bloomberg 2012.11.07)
    http://www.bloomberg.com/news/2012-11-07/merck-may-not-have-shown-women-can-safely-choose-drug.html

    一方で、今年3月に行われたOTCの活用を検討する公聴会(TOPICS 2012.03.23 2012.04.23)を踏まえ、今後FDAが積極的にスイッチを推進するのではないか(諮問委員会での審議はMevacor以来たぶん5年ぶり)という向きもあり、今回の審議が注目されます。

    日本時間の10日早朝には評決されます。

  3.  米国では、薬事法上RxかOTCかの2区分しかなく、OTCについては薬剤師の関与が義務付けられていません。 現実には、ドラッグストアでの販売が大部分ですが、OTCにスイッチされたならば、薬剤師の関与が期待できない場での販売も可能となるわけです。
     その辺で、欧州ではスイッチされて薬剤師専売薬となり、さらにその後GSL(日本でいえば、医薬部外品と同様の規制)に緩和されていく流れが、米国ではうまく動いていないとされます。
     今回はどうなるでしょうか?

  4. アポネット 小嶋

    諮問委員会が始まりました。

    生で見ることができます。(日本でもこうあって欲しいな)

    右のPDFにリンク先があります→PDF