結構前から出ていた情報なのですが情報不足でわからずスルーしていたのですが、ニュージーランド(NZ)当局 MEDSAFE が季刊で出す、Prescriber Update の記事でようやくわかったので記事にしました。
Classification of Medicines
(Prescriber Update 2012;33(3):27-28)
http://www.medsafe.govt.nz/profs/PUArticles/ClassificationOfMedSep2012.htm
オセルタミビル(タミフル)が、インフルエンザシーズン(5月~9月)に限り処方せんなしで販売できることは以前紹介しましたが、7月12日の官報で、インフルエンザワクチンとトリメトプリム(抗菌薬:16~65歳の女性の尿路感染症に限定)についても、処方せん医薬品というカテゴリーは変えないものの、専門のトレーニングなどを受けた薬剤師が販売する場合は除くとしたものに改められ、トレーニングを受けた薬剤師であれば処方せんなしで販売(接種)ができるようになったそうです。(トレーニングについての資料は探してみます)
Classification of Medicines
Recent NZ Gazette Notices Relating to Classification
http://www.medsafe.govt.nz/profs/class/recent.asp
Influenza vaccine;
except when administered to an adult in a pharmacy by a registered pharmacist who has successfully completed the New Zealand Qualifications Authority approved vaccinator training course and who is complying with the immunisation standards of the Ministry of Health
Trimethoprim;
except in medicines for oral use containing 300 milligrams or less per dose unit when sold in a pack of 3 solid dosage units to a woman aged 16-65 years for the treatment of an uncomplicated urinary tract infection by a registered pharmacist who has successfully completed the New Zealand College of Pharmacists’ training in the treatment of urinary tract infections、
今回の再分類は、5月1日に行われた医薬品の分類に関する委員会の勧告に行われたもので、下記議事録に今回再分類となった経緯や勧告などが示されています。
Classification of Medicines
Minutes of the May 2012 Medicines Classification Committee Meeting
(委員会議事録 2012.05.01開催)
http://www.medsafe.govt.nz/profs/class/mccMin1May2012.htm
ワクチンについては、ワクチンへの生活者のアクセスの向上、米国・カナダ・アイルランド・英国などで薬剤師によるワクチン接種が行われていることなどを理由として、また、トリメトプリムについても生活者のアクセスの向上や経済的な負担の軽減、アルゴリズムによる教育訓練が行われているとして、条件付きながら処方せんなしでの販売が認められるとの勧告が行われています。
委員会の議論では、トリメトプリムについて、英国で再分類が結局行われなかったことや薬剤耐性への懸念の声も示されましたが、薬剤師が最初に尿路感染症患者をマネージメントできない理由はないとして、薬剤師が販売してもよいとしています。(これは、事実上初めての抗菌薬のスイッチといってもよいと思う)
なお、議事録を見ると、現在同様に処方せん医薬品のカテゴリーにあるオセルタミビルについて、次回委員会で再分類するかどうかの検討が行われるようです。(おそらく要薬剤師薬への変更)
関連情報:TOPICS
2010.04.26 トリメトプリムのスイッチ申請は取り下げ(英国)
2012年09月06日 13:49 投稿