TOPICS 2012.10.07 と、TOPICS 2012.09.13 で、EMA、WHOでのシグナル(検出)についての情報を紹介しましたが、米FDAでも2008年からすでに4半期ごとにQuarterly Reports という形で情報を発出しています。(今後はなるべく紹介します)
Potential Signals of Serious Risks/New Safety Information Identified from the Adverse Event Reporting System (AERS)(米FDA)
http://www.fda.gov/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/
Surveillance/AdverseDrugEffects/ucm082196.htm
繰り返しになりますが、シグナル(検出)とは、「ある有害事象とある医薬品との因果関係(これまで知られていないか報告が不十分なもの)の可能性について報告された情報」のことで、シグナルはあくまでデータと議論による仮説であり、因果関係がはっきりと証明されたものではありません。
しかし、上記の個々のレポートに関する情報を見ると、後になってラベルが変更されたり、注意喚起が行わることも少なくなく、留意する必要があると考えています。
18日に最新のQuarterly Reports が公表されたので、簡単に紹介したいと思います。(今後評価を継続するかどうかなどFDAの対応や考え方も示されている)
Potential Signals of Serious Risks/New Safety Information Identified by the Adverse Event Reporting System (AERS) between April – June 2012
http://www.fda.gov/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/
Surveillance/AdverseDrugEffects/ucm324020.htm
成分名 (本邦販売名) |
重大なリスクの潜在的シグナル 新しい安全性情報 |
関連情報 |
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セチリジン (ジルテック) |
注視発症/注視クリーゼ (Oculogyric crisis) ※異常眼球運動(不随意運動)のことのようです |
2011.7 改訂で副作用の項に「眼球回転発作」として追記 |
コデイン硫酸塩 | 迅速代謝でできたモルヒネによる子どもの呼吸抑制や致死(中毒) | |
ドセタキセル | Dronedarone HCl(本邦未発売)との致死的相互作用 | |
フルオロキノロン系製品 | 網膜剥離 | |
レベチラセタム (イーケプラ) |
乱用、誤用(misuse)、依存の可能性 | アルコール依存症の治療などにも使用されているが・・・・ |
メフロキン (メファキン) |
前庭障害 | 副作用の項に類薬(クロロキン)として、視野欠損、網膜障害の記載有 |
オルメサルタン (オルメテック) |
吸収障害による激しい下痢、体重減少 | 副作用の項に下痢の記載有 |
PPI | 肺炎 |
関連情報:
2012年4~6月期にAERSで特定された重篤なリスクのシグナル/新たな安全性情報について
(医薬品安全性情報Vol.10 No.24)
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly10/24121122.pdf#page=2
11月23日リンク追加
2012年10月24日 13:59 投稿