シルニジピン(TOPICS 2012.11.07)に続き、ビソプロロールフマル酸塩錠(先発品:メインテート錠)の後発品について、3社が販売一時休止を発表しています。(リンクすみません)
メインロール錠2.5/メインロール錠5 の販売一時休止のご案内
(沢井製薬 2012.11.12)
http://med.sawai.co.jp/file/im_49.pdf
ルーク錠2.5/5 販売一時休止のご案内
(全星薬品 2012.11.13)
http://www.zenseiyakuhin.co.jp/product_info/
pharmaceutical/revision/revision_20121113_etc.pdf
これら2剤はPMDAで調べていただければわかると思いますが、大きさ、添加物、生物学的同等性試験の結果は同じになっていて、おそらく同一の製造所が作って、両社に刻印を変えて供給しているものと思われます。(ちなみに日新製薬のビソテート錠2.5mgも同一の可能性がある。ただ、5mg錠は不一致だった)
一方、生物学的同等性試験の結果が異なる東和薬品も 販売一時休止についてのアナウンスをしています。(見落としていました。原料は複数メーカーに供給されていたようです)
メイントーワ錠2.5,メイントーワ錠5 販売一時休止に関するお知らせ
(東和薬品2012.11.09)
http://di.towayakuhin.co.jp/towa5/files/oso/MAI_TAB_oso_031686.pdf
販売一時停止の理由を各社とも、「原薬につきまして、原料製造所の問題発生により主原料のビソプロロールフマル酸塩の安定的入手が困難な状況になりました。そのため在庫がなくなり次第販売を一時休止せざるを得なくなりました」としていますが、この文面が気になりました。もしかして、シルニジピンと同じケース?
「アテレック」後発品4社が販売休止、韓国企業でGMP違反
(RISFAX 2012.11.08)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=39813
代替の他の後発品は他にもあるので、シルニジピンのような混乱はないと思います(と思ったけど、東和がダメとなるとわからない。代替薬を各社とも日医工のメインハーツにしているということはもしかして・・・・)が、もし、シルニジピンと同じ理由で今後販売の一時休止に追い込まれる可能性がある製品が同様にあるのであれば、後発品メーカーは情報を開示すべきではないかと思います。
今後、もし後発品の販売中止のアナウンスが出たら、他社品のチェックも必要のようです。(大きさ・生物学的同等性試験などが同じものはないかどうかのチェックでわかりますが、今回のケースのように生物学的同等性試験が異なる場合もある)
関連情報:TOPICS
2012.11.07 シルニジピン後発品4社が供給停止へ
11月14日 0:20 更新(2社→3社に訂正)
2012年11月13日 22:57 投稿
これも同じパターンかもしれません。(リンクすみません)
テルビナフィン錠125mg「YD」 販売一時休止のご案内
(日本ジェネリック 2012.11.14)
http://www.nihon-generic.co.jp/medical/search/files/TERBI_KYUUSHI_1211.pdf
諸般の事情により原薬メーカーからの原薬供給が停止する為、販売を一時休止せざるを得なくなりました。
テルビナフィン錠125mg「YD」 は、陽進堂、佐藤製薬、第一三共エスファの併売ですが、これらの会社からのアナウンスは現時点ではありません。
また、同一の生物学的同等性試験のものは他社品には見つかりませんでしたが、他社品についてのアナウンスにも留意が必要かもしれません。
これからもこのパターンが増えそう。
m3.comの薬剤師掲示板に「シルニジピン製剤供給停止」として掲載されております。
その中に、PMDAの原薬等登録原簿(MF)についてが掲載されております。
このページのことですね。
原薬等登録原簿(MF)について(PMDA)
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/mf.html
薬事法第14条の11第3項の規定に基づく原薬等登録原簿の公示
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/mf/mfkouji.html
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/mf/mfkouji/file/mf20120630.pdf
上記PDFで、これまでに挙がった成分名を入れて検索をかけると、今回の問題はどこの会社が登録したのかがおおよそ想像できますが、かといって、その会社の登録成分のうち、今度どれが対象になる可能性になるかまではわかりませんよね。また、実際にどこの後発品メーカーがこれを使っているかわからないし。
いずれにせよ、今回はトラブルの原因がはっきりしていて、今後も他の成分に及ぶ可能性が十分考えられます。
やはり供給一時停止になる可能性が分かっているものについては、後発品への不信を招かないためにも、供給停止の理由をもっと明らかにしたうえで、メーカーが早めに情報を開示すべきではないかと思います。
こういうときこそ、日本ジェネリック製薬協会(http://www.jga.gr.jp/)もしっかり情報発信して欲しいですね。