衆院解散の中でかすみがちですが、今日16日から3日間の日程で政府の行政刷新会議による「新仕分け」が始まっています。
行政刷新会議「新仕分け」特設ページ(内閣府)
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/index.html
開催要領
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/pdf/youryou.pdf
私たちとの関係が深い厚労省関連では
- 保護費負担金(生活扶助、住宅扶助、医療扶助)
- 医療給付費(市販品類似薬)
- 在宅医療の充実強化
- 臨床研究中核病院の整備
- 国立高度専門医療研究センター(NC)における橋渡し研究等推進事業
- 個別化医療推進のための患者ゲノムコホート研究推進事業(バイオバンク事業)
が対象となっており、いずれも明日17日に仕分けが行われます。
行政刷新会議「新仕分け」 第2日目(資料がアップされています)
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/1117index.html
当日は一般の参加は認められていませんが、これまで同様WEBで様子を見ることができ。ツイッターなどで寄せられた質問なども取り上げてくれるそうです。
中継ページへのリンクページ(USTREAM では録画も見ることができます)
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/move-d.html
こういう政治状況ですので、今回の仕分け結果が来年度予算その他に反映されるかどうかは疑問のあるところですが、仕分けの行方は注目です。
2012年11月16日 21:37 投稿
医療扶助は11:00~11:50です
論点
・医療扶助について、どのような見直しを行うべきか。
・診療代が全額公費負担となっていることに伴いモラルハザードは生じていないか?
・モラルハザードを防止し、医療費支給の適正化を図る観点からどのような枠組みが必要か?
■医療扶助が全額公費で支えられていることに伴うモラルハザードを防止する観点から、例えば、一定額を上限とした一時窓口負担を導入することが考えられるのではないか。(負担分については、上限の半額程度は、あらかじめ生活扶助基準に上乗せするとともに、それを超える部分については事後的に償還することが考えられるのではないか。)
■後発薬については、
①生活保護受給者の方が一般の受診者よりも使用率が低いこと、
②一旦服用の取組みにもかかわらず使用促進が進んでいないとの指摘があること、
③先発薬と効能に差がない以上、生活保護法に基づき生活保護受給者に義務付けるべきとの指摘があること、等を踏まえ、後発薬の使用を原則化すべきではないか。(後発薬と先発薬との差額について自己負担とすることも考えられるか。
市販品類似薬は12:00~12:50です
論点
公的医療保険制度を持続可能なものとするために、
① 病院でも薬局でも買うことのできる薬の取扱いをどのようにすべきか
② 後発医薬品の使用を進めるための方策は何か
■公的医療保険を持続可能なものとするためにも、市販品類似薬(うがい薬、湿布薬、かぜ薬等)については、真に保険給付の対象か否かを毎年度検証し、必要な対応を行うべきではないか。
■後発医薬品の使用促進については、
①先発品薬価の大幅な引下げ、
②先発品薬価と後発品薬価の差額の一部自己負担化の検討、
③後発医薬品使用促進のロードマップの作成、
といった取組みを積極的かつ継続的に行うべきではないか。
やっぱり議論は深まりませんでしたね。
評価結果もアップされています。
行政刷新会議「新仕分け」 第2日目
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/1117index.html
社会保障②:生活保護(医療扶助)評価結果
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/pdf/111702kekka.pdf
社会保障③:市販品類似薬 評価結果
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/pdf/111703kekka.pdf
限られた医療費をどう有効活用するかという共通の認識がないと、後発医薬品の使用促進や市販品類似薬の自己負担引き上げという議論は、いつまでたっても結論が出ないような気がしました、
現在、医師である櫻井副大臣の「医療と介護を別に考えることはできない」「家電や自動車などは補助金などを出して頑張ってもらっているのに、製薬業界に対しては成長戦略が必要」などとした説明で始まった午後の部の録画を見ていますが、結構面白いです。
仕分けの評価結果は結構厳しい様子です。
在宅医療連携拠点事業、臨床研究中核病院の整備 評価結果
http://www.cao.go.jp/sasshin/shin-shiwake2012/meeting/1117/pdf/111704kekka.pdf
医療から介護を切り離したのは国ではなかったのか・・・・と思いますね。
その時に分離でなく共有部分と言うか総括する所を作っておけばよかったはず。そもそも別にできる話しじゃないですよね。
確かにいい意見もあるんですが、でも出た意見が国民が期待した程今後には反映されてないのが残念ですね。
本来関連するはずの物がてんでんバラバラにやってる事こそ無駄遣いって気がします。
仕分けの方々にでなく、仕分けをパフォーマンスに利用してる政府には、この事業に予算とる事自体仕分け対象と言いたい。
新仕分けをざっと見ましたが、市販類似薬に関してはあまり時間を割いていなかった。
それに、中身の議論も大したことがなかったように思う。(OTC薬の現場のことが、あまり、分かっていない。)
自己負担の引き上げ、類似薬の再検討等など・・・。
漢方薬なんか、若い世代の需要があるから、市販類似薬としての検討外みたいな言い方をしていた。
その具体的な根拠が理解できなかった。
冒頭の副大臣かなんか知らないが、この人のコメントで・・・。
受診した時に、この薬は薬局で売っているので買ってくれと言われて、「良い医者だと感じた・・・。」と言っていた。
これが印象的だった。
要は引き上げとか、再検討とか言う前に、まず、医師がもっとOTC薬にも理解を示すべきだ。
消費者(生活者)、患者教育も大切だ・・・。
医療側からOTC薬と処方薬に振り分けるだけではなく、消費者(生活者)・患者側のセルフメディケーション意識を高めて、OTC薬で対応できる病気、そして、処方薬でなければならない病気の違いを認識させるべきだろう。
厚労省はやはり薬物治療は医師の専売特許ぐらいにしか思っていない。
薬剤師にも軽医療でのOTC薬を有効に活用させることを、もっと真剣に考えるべきだ。
厚労省の役人はやはり、OTC薬を雑品程度にしか思っていないのではないか。少し、言いすぎかもしれないが・・・。
そのようにさせたのは厚労省にも責任がある。であれば、類似薬だけではなく、スイッチ薬も検討のテーブルに乗せるべきだった。
自己負担の引き上げによる経済的誘導と合わせて、上述をさらに充実させなければ、国民皆保険制度の維持をさせることはできないと思う。
お粗末な新仕分けでがっかりしました・・・・。