以前記事(TOPICS 2011.04.12)でちらっと紹介したドパミン作用薬の副作用をめぐるフランスの控訴審の判決が出たそうです。英語でも配信されています。
Loving husband who claimed Parkinson’s drug turned him into a ‘gay sex addict’ wins £160,000 compensation in a French court
(Mail Online 2012.11.29)
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2240249/Didier-Jambart-said-Parkinsons-drug-gay-sex-addict-awarded-160k-French-court.html
Parkinson’s pills ‘turned married dad into gay sex addict’
(The Sun 2012.11.29)
http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/news/4672046/parkinsons-pills-turned-married-dad-into-gay-sex-addict.html
Le malade de Parkinson conforté
(20 minutes.fr 2012.11.29)(動画あり)
http://www.20minutes.fr/article/1052118/malade-parkinson-conforte
この裁判は、パーキンソン病の治療でレキップを服用してた男性がギャンブル依存症やSex依存症(同性愛)になったとしてGSK社に対して訴えていたもので、一審ではGSK社に117000ユーロの賠償を命じる判決が出されていました。
控訴審でも、原告の主張が認められ、GSK社に対し約197,000ユーロの賠償が命じられたそうです。
原告の男性は2003年にパーキンソン病の治療を目的にレキップの服用を開始したところ、会社の同僚や友人、近所の人からお金を盗み、こどものおもちゃまでも売り払い、インターネット競馬で82,000ユーロを失った他、(同性愛)Sex依存症、8回もの自殺企図などがあったそうです。
男性は2005年にレキップの副作用の可能性についてWEBで知り、服用を中止することで行動はおさまったとしていますが、裁判所はもっと早く情報を与えるべきだった(注意喚起が実際に出されたのは2006年)として、訴えを認めたようです。
レキップ自体は治療薬として有用なのでしょうが、可能性が少ないとしても起こりうるパーキンソン病治療薬のこういった副作用(日本でも2008年9月に添付文書に記載されている。ググったら日本でも論文としての報告がある)を、実際にどのように伝え、確認するかは難しい問題です。(フランスでは裁判の影響かどうかはわかりませんが、2011年に一般向けのリーフレットが作成されています)
関連情報:TOPICS
2011.04.12 ドパミン作用薬を服用中の患者さんへ(仏・リーフレット)
2010.05.11 ドパミン作用薬と衝動制御障害(海外研究)
2009.04.13 ドパミン作用薬による病的賭博は通常治療でも起こりうる(米国研究)
2008.09.20 パーキンソン病治療薬・酸化マグネシウムの添付文書改訂を指示
2006.11.10 ドパミン作用薬と病的賭博・性欲亢進(英国レポート)
2006.03.21 パーキンソン病とギャンブル依存症
2012年11月29日 23:23 投稿
日本語の記事も掲載されました
GSK、仏の「ゲイセックス依存症」裁判で敗訴[社会]
(NNA.EU 2012.11.30)
http://nna.jp/free_eu/news/20121130frf004A.html