米FDAは12日、バレニクリン(チャンピックス、米名:Chantix)に関する安全性情報を発出しています。
Chantix (Varenicline)
Updated Safety Review On The Risk of Cardiovascular Adverse Events
(FDA Safety Communication 2012.12.12)
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/
SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm331626.htm
Safety review update of Chantix (varenicline) and risk of cardiovascular adverse events
(FDA Drug Safety Communication 2012.12.12)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm330367.htm
日本語訳概要
(医薬品安全性情報 Vol.11 No.02(2013/01/17))http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly11/02130117.pdf#page=2
FDAが2011年6月に発出した注意喚起(TOPICS 2011.06.17)に基づき、この間FDAの要請でメーカーによる心血管系の安全性についてのレビュー(メタアナリシス)が行われたそうで、今回の発表はこの結果を示したものです。
その結果、大きな心血管イベント(心臓血管病関連死、非致死性の心臓発作、非致死性の発作)がプラセボより多く発生していた(ハザード比1.95 95%CI:0.79-4.82。統計学的には有意差はなく、偶然の結果の可能性もあると指摘)として、改めて注意喚起を行っています。
また、医療関係者には、バレニクリンの使用についてのリスクベネフィットを検討することや、服用中に心臓血管系の疾患の新規症状や症状の悪化が見られた場合には、患者に治療を求めるよう助言することを求めています。
なお、最近の論文ではbupropionと比較して、バレニクリンは大きな心血管イベントを高めないとする意見も示されています。
Use of varenicline for smoking cessation and risk of serious cardiovascular events: nationwide cohort study.
(BMJ. Pulished 2012 Nov 8)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3493624/
関連情報:TOPICS
2011.06.17 バレニクリン(チャンピックス)更新情報(米FDA)
2011.07.05 バレニクリン(チャンピックス)と心臓血管イベントリスク
参考:
FDA Safety Review Finds Small, Nonsignificant Increased Risk With Chantix (Varenicline)
(Forbes 2012.12.12)
http://www.forbes.com/sites/larryhusten/2012/12/12/fda-safety-review-finds-small-nonsignificant-increased-risk-with-chantix-varenicline/
2013.01.18 リンク追加
2012年12月13日 10:25 投稿