新年あけましておめでとうございます。
2012年もさまざまな出来事があった一年でしたが、個人的には近隣医療機関の突然の閉鎖、高得点による個別指導など想定外のことが重なり、全く不本意な一年でした。また、ネットの情報に頼りすぎて、基礎的な勉強や知識の習得を怠っていたのではないかと反省する一年でもありました。
さて、昨年も本サイトには多くの方々に訪問を頂きました。旧サイト(暇を見て、記事をこちらにも少しづつ移動中)から通じて情報発信を開始して早10年目となりましたが、今年も訪問される方の期待に沿えるよう、私たちと関連の深い情報を中心にわかりやすく提供したいと思います。
情報等の整理、海外報道の翻訳等には十分注意を払っておりますが、もし誤り等がございましたら、ご指摘頂ければと思います。また、ご意見・ご提言等ございましたら、是非メールまたは投稿のほどよろしくお願いします。
また、昨年からはツイッターを開始し、気になった記事についてはツイートするようにしています。最新情報が気になる方はフォローの方をよろしくお願いします。(Facebook については現在検討中です)
一方、地元の方におかれましては、今年も新しい薬物療法を学んだり、外部の講師を招くなど、さまざまな研究会を行いたいと思いますので、お近くの方は是非研究会へも足をお運びください。
さて、今年2013年も薬局や薬剤師、くすりをめぐる注目の話題や課題はたくさんあります。
その中で、特に頭に浮かんだもの次の5つの事項について、新年雑感として、皆さんに問題提起をしたいと思います。(分量が多いので記事を分割しますので、下記タイトルをクリックして下さい)
ネット販売については、ポイント付与と同様に、枝葉末節で混乱が起こっています。 海外でも米国と、英国では大違いですし、フランスや北欧諸国もまた様相が異なっています。
処方せん医薬品ですら、ネットでの購入が進んでいる国もあり、そもそも何のために面倒な手続きを要求するのかという点を考える必要があります。
店舗販売しかも、専門家を擁した許可に基づく店舗を原則とするならば、ネット販売を含む郵便等販売についても、同様の安全性・利便性の確保が図られるべきと思います。
スイッチについても、日本では例外的な扱いが続いています。欧州では、処方せん医薬品として導入された新薬についても、一定の期間が経過し、安全性・有効性の確認がなされれば原則として、非処方せん医薬品に移行することとされています。
日本では、出来高払いの医療保険制度の下に、医療保険の適用にしがみつく体制がスイッチを特殊なものとし、OTC医薬品の範疇を制約してきました。
今般の薬事法改正で生まれた「薬局医薬品」の扱いは、薬剤師専用薬の誕生を促すものととらえることができそうです。
既に指摘が出ているように、調剤医療費の伸びの主体は、高価な新薬の増勢にあります。
一方、サービスの対価としての費用については、それに見合ったものかとの批判は起こってくるでしょうし、これに耐える立証は不可欠です。
殊に、OTCの第一類医薬品販売(販売しない場合を含め)では、薬剤師による判断が求められており、そのための説明などが必要となりますが、そのコストは販売の利潤しか見込めない状況です。 この点も含めた、薬局の適正利益が論じられる必要がありそうです。
海外では、個人の権利と責務という考え方が日本とは異なると思えるほど強いようです。 服薬(とその管理)もまず第一義的に服薬する者の権利と責務であり、他者はそれを支援する立場に立つという考え方と思います。 その支援者に、どれほどの専門技能者を充てるかも選択の問題となります。 医師や薬剤師を雇用できるほどの資産家もいるかもしれませんが、社会資源の見地からは、適切な訓練を受けた非医療職の活用も不可欠となるでしょう。
そのような中で、薬剤師がすべてを管理し、実務にあたるとするのか、施設の職員に(本人が取り組むこと)を支援する技術の取得を進めるのかは、おのずと自明となるのではないでしょうか。