厚労省は8日、個人輸入・指定薬物等に関連する事例や被害の収集と情報提供・相談の提供を行うサイト「あやしいヤクブツ連絡ネット」を開設したと発表しています。
個人輸入・指定薬物等適正化対策事業の開始
(厚労省プレスリリース 2013.02.08)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002v1em-att/2r9852000002v1gc.pdf
あやしいヤクブツ連絡ネット
http://www.yakubutsu.com/
このサイトは、「無承認無許可医薬品、指定薬物、偽造医薬品に係る情報についての収集・分析・評価し、新たに開設する広報啓発HP等により、消費者や医療関係者に対する注意喚起を行うこと、また、その情報を活用し、販売業者等に対する監視指導を行うこと」を目的に行われている事業の一つとして、「一般社団法人 偽造医薬品等情報センター」という組織が運営しています。
サイトのネーミングは相当苦労されたとは思いますが、パッと見た限りでは、お役所的な情報提供と情報収集の呼びかけに主眼が行われているためか、脱法薬物や個人輸入の危険性というのはあまり感じることができませんでした。(厚労省や内閣府などの関連サイトへのリンクもされていない)
プレスリリースによれば、「国民が一元的に個人輸入における偽造医薬品情報、指定薬物等の危険性情報にアクセスできるようにし、正しい情報に基づく個人輸入・指定薬物等からの健康被害の防止のための広報啓発を促進していきます」とはなっていますが、個人輸入や脱法逃れを指南したり、助長するのではないかとも思ってもしまいます。
こういうサイトを開設することは有意義ですが、情報提供を求めるのなら、もっと危険性を具体的に示すなどの工夫や、他サイトとの連携も必要ではないかと思います。
例えば、英国ではMHRA(医薬品庁)のトップページ(http://www.mhra.gov.uk/)から、バナーReport a counterfeit productで下記ページに誘導されます。
Counterfeit medicines and devices(MHRA)
http://www.mhra.gov.uk/Safetyinformation/Generalsafetyinformationandadvice/
Adviceandinformationforconsumers/Counterfeitmedicinesanddevices/
また、米FDAのカテゴリーDrugsのトップページ(http://www.fda.gov/Drugs/default.htm)から、Buying Medicines Over the Internet、Counterfeit Medicine というページにリンクが張られています。
やっぱり、情報収集が目的だからといって、個人輸入と違法薬物と同じサイトで扱うことには若干違和感がありますね。
また、TOPICS 2012.07.09 でも指摘しましたが、もっと「くすりには偽物がある」などとした危険性を前面に打ち出した、情報発信の方法もあったのではないかと思いました。
関連情報:TOPICS
2012.07.09 厚労省、脱法ドラッグなどの情報を積極発信へ
2012.06.26 脱法ハーブという呼称を変えるべき(クロ現を見て)
2011.04.27 医薬品個人輸入の危険性
2009.11.06 ネットでの医薬品購入は危険(英国キャンペーン)
2013年02月13日 00:38 投稿
厚労省ではリーフレットを作成したそうです。
あやしいヤクブツ連絡ネット(リーフレット)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/leaflet_250510.pdf
こちらは危険性を前面に打ち出しています。