19日、注目の一般用医薬品のインターネット販売等のルール作りを行う6回目の検討会が開催されています。(今後記事更新する場合があります。詳しい状況は、下記実況ツイートまとめと今後の報道でご確認下さい。)
第6回一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会 資料
(厚労省 2013.04.19 開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000303tz.html
今回も、傍聴されたと思われる方がやりとりの一部をツイートしています。
厚生労働省:一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会
(第6回・2013/04/19)実況ツイ―ト
http://togetter.com/li/490081
検討会では、まず前回の議論を踏まえた論点(案)が示され、了承されたそうです。
資料1:一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する主な論点(案)(PDF)
次いで、現在のリスク区分についての考え方や、リスクごとの情報提供などのあり方についての確認、一般用医薬品で寄せられている副作用報告の概要が示されています。
資料2:リスク分類ごとの情報提供等の機能に関する考え方について(PDF)
資料3:一般用医薬品によるものと疑われる副作用報告について(PDF)
※詳細については、年3回開催されている医薬品等安全対策部会で資料として提出されているので、興味ある方はご参考ください。
医薬品等安全対策部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008fcs.html#shingi26
次に、前回委員から要望があった、法律上対面での対応が必要な事例の紹介がありました。これには、医師の診療や要介護認定、生活保護の申請などがあります。
資料4:対面により行われなければならない等とされている主な事例(PDF)
次に、ネット販売の現状の実例と関係団体がまとめた指針が示されています。
下記資料は、検討会の最後の方で説明。これまで提出が待たれていた、詳細な海外における医薬品のインターネット販売の実情について記した資料で、英・独・仏・米・伊・ポルトガル・豪州・ニュージーランドなどの状況が紹介されています。今後、厚生労働科学研究「諸外国における一般用医薬品の供給と規制に関する状況」としてまとめられるようです。
資料6:諸外国における一般用医薬品のインターネット販売規制について(PDF)
(概要)
- 一般用医薬品の種類や分類、あるいはその販売の仕組み、薬局・薬店での状況などは各国で異なっている。
- 上記を前提としつつ、一般用医薬品のインターネット販売について諸外国の状況を見ると、一般用医薬品の一部について、薬局等の許可を得ている店舗がインターネットを通じて販売することが認められている国もあれば、インターネット販売を禁止している国もある。また、ルール自体定まっていない国も多い。
- また、インターネット販売について、許可制や届出制が導入されている国もある。具体的な許可等の基準としては、倫理規定を遵守していることや、安全性や効果に関する適切な情報提供や受診勧奨の仕組みがあること等がある。
- さらに、インターネット販売に関して、偽造医薬品や偽の販売サイトの対策を講じている国もある。
以下の資料は、事務局からは特に説明はなかったようですが、議論の際に各委員が取り上げています。
資料7:対面による販売の利点(生出構成員提出資料)(PDF)
(対面による販売事例を紹介。自己判断による指名買いや繰り返し購入に対し、アドバイスや受診勧奨を行い、対面販売の重要性を主張)
資料8-1:薬剤師を情報源とする医薬品乱用の実態把握に関する研究(平成24年度厚生労働科学研究)(中川構成員提出資料)(PDF)
(TOPICS 2013.04.16 で紹介した報告書です)
資料8-2:インターネットによる一般用医薬品購入に関連する要因についての研究(中川構成員提出資料)(PDF)
(2009年の薬学雑誌に掲載された慶応大の岸本氏らの論文で、以前本サイトでも紹介しています。→TOPICS 2009.08.31 当時の記事でも述べましたが、(若い人ほど)セルフメディケーション=自分で薬を選んで買うという傾向があり、構成員からも「国民に自己責任でセルフメデフィケーションを求めることがいことなのか」といった趣旨の発言も)
参考資料1:セルフケア及びセルフメディケーションにおける薬剤師の役割(WHO報告書の抜粋(仮訳))(第5回資料3)(PDF)
参考資料2:安全性確保のための具体的方策に関する法令規定(第5回資料4)(PDF)
参考資料3:インターネット販売等における様々なコミュニケーション手段について(第5回資料6-1)(PDF)
参考資料4:インターネット・コミュニケーションと対面コミュニケーションにおける情報の伝わり方の差異についての意見書(後藤構成員提出資料)(第5回資料6-2)(PDF)
参考資料5:一般用医薬品のリスク分類の考え方について(第5回資料7)(PDF)
参考資料6:登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果(中間報告)について(平成25年4月18日公表資料)(PDF)
議論はまず、論点2の(4)「一般用医薬品のリスク分類ごとの性格や副作用の発生状況などをどのように捉えるべきか。また、それらのリスク区分等の分類ごとに求められる情報提供等の機能についてどのように考えるか」を中心に始められたそうです。(詳細はツイートまとめや各紙報道にゆずります)
ツイートまとめを見た感想では、成りすまし購入や大量購入を行う人への具体的な対応策を考えることも必要かと思いますが、まず、乱用や不適切使用などによる潜在的な健康リスクや、こういった潜在的なリスクを抱えている人(例えば、頭痛で痛み止めを繰り返し購入を求める人、症状が改善しないにもかかわらず同じものを使い続けている人、知らず知らずに依存してしまっている人)たちへの情報提供のあり方についての共通認識が必要であり、特にネット販売を推進する構成員の方々に、まだ十分理解が得られていないように感じました。(添付文書の内容だけを示し理解してもらいさえすればいいというものではない)
関連情報:TOPICS
2013.04.16 OTC薬の大量・頻回購入の対象はブロンだけではない
2009.08.31 若い世代ほど、注意が必要なOTCをネットで購入(国内研究)
2013.01.19 医薬品ネット販売に関する国内外の情報
2013.04.05 第5回一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討会
2013.03.22 第4回一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討会
2013.03.13 第3回一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討会
2013.02.27 第2回一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討会
2013.02.14 一般用医薬品のインターネット販売に関するルールの検討が始まる
2013.03.03 OTC、添付文書まできちんと目を通す消費者は少ない?
2013年04月19日 13:05 投稿
今の世の中自由とは無限大だから何か規制がないといけない気がします。昔は自由と言っても「この程度まで」って共有された常識が存在しましたけど。
先日コールドスプレーと痛み止めの塗り薬を買いに来た人(家族)がいました。
打ち身で湿布貼ってるのに腫れが引かないと。
単なる打ち身でないかもしれないし湿布でダメなものが塗り薬で改善するとは思えず・・・・しばらく様子見て改善しなければ受診した方がって話したら・・・・
「受診するかどうかなんて本人が決める事」
こんな会話って今まで無かったなあって思いました。
大体がそうですねとかわかりましたって反応でしたよ。
そうですよね確かに・・・・本人の自由ですよね・・・・
でもこう言う態度に遭遇すると何のための資格だろうって思います。
当日の様子を伝える記事が出そろいました。
OTC薬ネット検討会 座長裁定で具体的議論に、ほんの少し前進
(RISFAX 2013.04.22)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=41050
【厚労省】「指定第2類 第1類に準じる」情報収集・提供の考え提示
(薬事日報 2013.04.22)
http://www.yakuji.co.jp/entry31017.html
http://www.qlifepro.com/news/20130422/provision-and-collection-of-information-forms-of-designation-of-2-1-in-ideas-presented.html
「医薬品ネット販売のルールない」75カ国、厚労省が報告書
(m3.com 2013.04.19)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2013/4/19/170633/
OTC薬ネット販売、全面解禁に向け議論が本格化
リスク分類ごとに情報提供の在り方を検討へ
(日経DI 2013.04.19)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201304/530111.html
第6回OTC医薬品ネット通販検討会~「堂々巡り」再現(前)
(NET IB NEWS 2013.04.22)
http://ib-kenko.jp/2013/04/otc_2_0422_knk_01.html
第6回OTC医薬品ネット通販検討会~遠藤座長が新ルール宣言(後)
(NET IB NEWS 2013.04.23)
http://ib-kenko.jp/2013/04/otc_2_0423_knk_02.html
ところで、田村厚労相は23日開催の産業競争力会議で、一般用医薬品のインターネット販売について、検討会で「5月中旬から下旬には一定の取りまとめをめざす」との考え方を示したそうです。(本当に可能かなあ?)
田村厚労相 OTC薬ネット販売、「5月中下旬には取りまとめ」
(RISFAX 2013.04.24)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=41080
第7回産業競争力会議 配布資料(2013.04.23開催)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/siryou.html
資料8 田村厚生労働大臣提出資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/siryou08.pdf#page=17
またテーマ別会合からでは、ICT を活用した情報提供によるコミュニケーションを確保した上で(第一類は薬剤師が、第二類は薬剤師又は登録販売者が対応)、一般用医薬品の店舗やネットでの販売を可能 とした意見が示されています。
資料2 健康長寿社会の実現(第2回)主要論点(佐藤主査)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/siryou02.pdf