携帯型空間除菌剤の安全性についてはこれまでもたびたび本サイトでも紹介してきましたが、独立行政法人国民生活センター(http://www.kokusen.go.jp/)は30日、6製品について、安全性テストの結果を発表しています。
首から下げるタイプの除菌用品の安全性
-皮膚への刺激性を中心に-
(独立行政法人国民生活センター 2013.04.30)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130430_1.html
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20130430_1.pdf
国民生活センターでは、複数の販売サイトで購入可能であった5 銘柄に「ウイルスプロテクター」の代替品の6銘柄と、自主回収となった「ウイルスプロテクター」2銘柄について、公定法に準じて試験動物による皮膚への刺激性の検討をおこなったそうです。
その結果、「ウイルスガード空間除菌中」「Space Washer」、およびウイルスプロテクターの代替品の「ERA空気除菌グッズ」の3製品で、皮膚に壊死やかさぶた、脱毛、赤い斑点などが見られる「中等度の刺激性」が確認されたそうです。
また、皮膚への刺激性が強かった銘柄ほど、塩素系物質の放散速度も大きい傾向がみられ、放散された成分が水分に溶け込むと酸性になったり、拡散成分による繊維製品の退色がみられたそうです。
今回の結果について、日本二酸化塩素工業会はコメントを発表しています。
独立行政法人国民生活センター 2013年4月30日発表
「首から下げるタイプの除菌製品の安全性」調査の日本二酸化塩素工業会対応について
(日本二酸化塩素工業会 2013.04.30)
http://chlorinedioxide.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2013/04/3514db6475b845b24f7c3ca7f8bc1a17.pdf
当工業会製品は製品の安全性についての調査では問題あるとの指摘はありません。しかし、株式会社中京医薬品発売の「クイックシールドエアーマスク」について、安全性に関する製品表示とホームページの広告内容について消費者が商品の安全性を過信するおそれがある表示を行っているとの指摘を受けました。
同工業会に加盟しているものは品質が確保されていると言いたいのでしょうが、WEBで気軽に買える状況下、粗悪でないものもの品質的に問題のある製品が多くあるという現実に、消費者は果たして見分けがつくのでしょうか?
国民生活センターで紹介した危害事例でも
- 除菌用品を首につけたまま寝てしまい、商品が触れていた腹部があざのようになって痛み、病
院で除菌用品の成分による皮膚障害と診断された。 - 6 歳の息子が除菌ストラップをつけていたら、除菌用品が当たっていた腿ももの部分に低温やけどのような跡ができた。
- 夫が肌着とシャツの間に入れて使用し皮膚がやけどのように赤くなり、皮膚科を受診した。黒
い肌着もその部分だけ色が抜けて白っぽくなった。
といった、効果を過度に期待した使用例は少なくありません。
本当に首から下げることにより、除菌効果があるのかどうか、効果があったとしてもリスクベネフィットから、こういった製品がネット通販など、誰でも気軽に入手して使用できる状況が果たしていいのかどうか、国民生活センターは必要性まで踏み込んだ提言をして欲しかったと思います。
関連情報:TOPICS
2013.04.01 携帯型空間除菌剤の一般的な使用上の注意事項(消費者庁)
2013.02.18 塩素除菌ブームの中、危険商品で健康被害
参考:
朝日新聞4月30日
http://www.asahi.com/national/update/0430/TKY201304300356.html
NHKニュース
http://nhk.jp/N47F5zbf
2013年05月01日 01:01 投稿