ジェネリック医薬品使用促進、地域における取組事例

  厚労省は28日、みずほ情報総研株式会社に委託し調査研究としてまとめられた、「ジェネリック医薬品 使用促進の取組事例と その効果に関する調査研究・報告書」を公表しています。

平成24年度 ジェネリック医薬品 使用促進の取組事例と その効果に関する調査研究 ―報告書―
(厚労省 2013.05.28 掲載)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/04.html

報告書全文
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/dl/h24_03.pdf

 ジェネリック医薬品の使用促進に関する厚労省の委託研究はここ数年は毎年行われ、本サイトで概要を紹介していますが、今年は地域の実情に応じた後発医薬品使用促進のための取組みとしてはどのような施策が有効であるのかとして、自治体や地域協議会などの取り組みを中心に調査結果が紹介されています。

 特に、下記の都道府県や市町村が関与した形で地域協議会などのさまざまな独自の取り組みの紹介は、目に留まりました。

京都府舞鶴地区 病院薬剤師と薬局薬剤師によるワーキンググループを設置し、後発医薬品についての選定基準に関する情報の整理、後発医薬品の使用実績に関するリストを作成。
埼玉県熊谷地区 地域の医師会、歯科医師会、薬剤師会、卸売販売業者によるジェネリック医薬品安心使用促進検討部会を設置し、卸売販売業者での取扱実績をもとにした後発医薬品リストを作成。
鹿児島県
加世田保健所地区
地域の医師会、歯科医師会、市町村担当者等をメンバーとし、保健所が協議会を運営。後発医薬品の使用に関する意見交換や後発医薬品に関する差額通知についての議論、後発医薬品メーカーへの工場見学も行った。また、後発医薬品に関する住民向けの説明会も行った。
福岡県筑紫地区、
飯塚地区
地域協議会本体と備蓄体制等検討委員会を設置。地域協議会では、各保健所の担当者のほか、各地域の医師会、歯科医師会、県が指定しているモデル病院薬剤部担当者、市町村担当者(国保部門と衛生部門双方)による議論が行われ、備蓄体制等検討委員会では、薬剤師会担当者、備蓄担当薬局代表者、病院薬剤部担当者という実務者での協議が行われた。
富山県 薬薬連携推進事業として、県内の4つの二次保健医療圏について、病院薬剤師、薬局薬剤師の間での情報共有を促進する薬薬連携推進会議を開催。
茨城県 県内9地区において、地域の中核病院とその周辺薬局の薬剤師が参加した「後発医薬品安心使用促進のための情報交換会」を開催し、その下部組織に具体的方策について検討する「後発医薬品安心使用促進に係るワーキンググループ」を設け、後発医薬品の使用促進についての検討、具体的施策を展開。
東京都足立区 国民健康保険担当部署が主管となり、後発医薬品の使用促進に関する協議会を立ち上げ、医師会、歯科医師会、薬剤師会、地域の病院の院長、理事長、学識経験者により、後発医薬品の使用促進に関する議論を展開。
広島県呉市 ジェネリック医薬品検討小委員、差額通知事業で対象となった後発医薬品のリストを作成し、医師会・薬剤師会に提供する等独の取組みを行っている。

  調査研究者は、院外処方においてより積極的に後発医薬品の調剤を進めるには、

  • 保険薬局における後発医薬品の採用を増やす方策
  • 処方医の後発医薬品に対する更なる理解を促進する方策

を検討する必要があるとして、都道府県単位ではなく、それよりもさらに狭い地域単位での関係者の集う地域協議会等の取組みを通じて使用促進が期待されるとしています。(おそろく、この報告書を受け、「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」(TOPICS 2013.04.06)で市区町村又は保健所単位レベルでの協議会を設置せよということになったんだと思う)

関連情報:TOPICS
 2013.04.06 後発医薬品の使用促進、新たな目標は60%
 2012.06.01 ジェネリック医薬品の先進事例に関する調査報告書
 2011.06.02 ジェネリック医薬品の先進事例に関する調査報告書


2013年05月29日 01:00 投稿

コメントが1つあります

  1. 推進するには例え薬価でもいい30錠とか小包装作って欲しいです。
    やはり会営薬局初心を貫き備蓄センターとして機能して欲しいです。
    後発の品目をある程度置けば補助が出るとかしてくれないかなあ・・・・共同利用の無菌室に投資するより皆喜ぶと思うけど。