既に一部報道でご存じかと思いますが、日本医師会の救急災害医療対策委員会災害医療小委員会は、JMAT(日本医師会災害医療チーム)が被災後1週間以内に被災地へ支援に行く場合(初期)、準備する薬剤のリスト(指針)をこのほどまとめ、11日、“JMAT携行医薬品リスト Ver.1.0” としてWEBで公表しています。
JMAT携行医薬品リストについて
(日本医師会 2013.7.11)
http://www.med.or.jp/jma/eq201103/carry/001628.html
薬剤の選定にあたっては、
- 大多数の医療従事者が知っていて扱いやすいこと
- 値段が安価であること
- 流通上のフローとストックで確保しやすいこと
を重視したそうですが、今回のリストは大まかな指針であり、季節・災害の種類・感染症情報などにより、薬剤の種類及び数量は変更するなどともしています。
日本医師会として、全国の医師、医師会、医療機関、関係学会、医療関係団体などの意見、提言を受け、2年以内で改訂作業を行い、より適切なリストをつくり上げていく方針だとしています。
JMAT携行医薬品リスト Ver.1.0 コンセプト
http://www.med.or.jp/jma/eq201103/carry/001629.html
リストはAからHまでの8セットがあり、特に青字のセットについては、地域で備蓄医薬品として常時確保しておくことが必要かもしれません。
- 成人基本セット(→リスト)
- 精神科セット(→リスト)
これは一例であって、薬剤の種類および数量は各自で変更調整する必要がある。
精神科専門ではないJMATが処方する場合を想定している。 - 妊婦緊急搬送キット(3セット) アフターピル3セット(必要なら警察に相談)
- 小児科セット(→リスト)
- 簡易診断セット
- 緊急用薬剤セット(現場で迅速に処置が必要な患者のためのセット、病院搬入までのつなぎ)
- 消毒関係
- 特殊災害関係
東日本大震災での経験から、痔のくすりなどもリストアップされていますが、個人的に気になったものも
- モーラスパップ/テープ(有名だけど、光接触皮膚炎のリスクはどうするんだろう)
- プラザキサ75mg(定期的に使っている人もいるかと思うけど、 腎機能をどうやって確認するの?)
- ハルシオン(トリアゾラム)(レンドルミンより有用?)
- 抑肝散(必須医薬品として認知? 緊急時でも奏功する?)
各学会災害時ガイドライン 抜粋(参考情報)
http://www.med.or.jp/jma/eq201103/carry/001634.html
2013年07月11日 23:30 投稿