薬学教育モデル・コアカリキュラム（改訂案）に関するパブコメ(Update)

　文科省は17日、薬科大学在籍中に習得すべき知識、技能、態度等を明確にし、到達目標を定めた薬学教育モデル・コアカリキュラム（改訂案）に関するパブリックコメントを開始しています。

薬学教育モデル・コアカリキュラム（改訂案）」に関する意見募集の実施について
（案の公示日2013年10月17日 意見・情報受付締切日2013年11月06日）

　薬学６年制の教育に当たっては、「コアカリ」と呼ばれる、薬学教育モデル・コアカリキュラム（PDF：薬学会ウェブサイト、概要→PDF）と、実務実習モデル・コアカリキュラム（文部省HPに→リンク）の内容が基本として行われてきましたが、この間これに沿って実際に教育を行ってみると、大学からは、コアカリが過密である、項目数が多く、カリキュラムが過密なために大学の特色ある教育を行うことができず独自性が発揮できないなど、さまざまな課題や意見が出てきています。

　また、現場からは医療機関における薬剤師の役割も病棟活動を中心に多様化・拡大しているなど、学術の進歩及び薬剤師業務の変化等のため見直しが必要であるといった意見が示されています。

薬学生ニュース NO.10（日本薬剤師会 2013.06.30）
http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2013/07/imps_10_0630.pdf

　そのため、文科省では2011年5月より、「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」及び「薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会」を設置し、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の改訂に向けて検討を重ねてきました。

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂に関する専門研究委員会（文科省）
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/47/giji_list/index.htm

薬学系人材養成の在り方に関する検討会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/039/giji_list/index.htm

　また、具体的な改訂作業については日本薬学会に委員会が置かれ、各大学の代表者と薬局で働いている薬剤師、病院で働いている薬剤師が中心となり作業が行われています。

薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラムの改訂に関する調査研究
（日本薬学会・薬学教育）
http://www.pharm.or.jp/kyoiku/

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案に関する全国説明会資料より引用

　今回パブコメで意見募集が行われるのは、コアカリの「改定案」と「基本理念と利用上の留意点について」で、今まで二本だてであった、薬学教育と実務実習モデル・コアカリキュラムの一本化が行われています。

• 「薬学教育モデル・コアカリキュラム（改訂案）」 　
• 「薬学教育モデル・コアカリキュラムの基本理念と利用上の留意点について（案）」 　

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案に関する全国説明会資料より引用

　なお、今後のスケジュールやこれまでの検討の経緯については、下記ページのスライドでも詳しく記されています。

薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂案に関する全国説明会
http://www.pharm.or.jp/kyoiku/corecurri_briefing.html

　大学や現場の声が多く取り入れられた内容とはなっていますが、コアカリ改訂に伴い薬局や病院での実務実習も見直しが必要となってきます。

　現場の方はもちろんですが、今学んでいる薬学生の方や、６年制の教育を受けたばかりの新しい薬剤師の皆さんが実際に学んで思ったことなどを文科省に伝えることも大切ではないかと思います。

10月21日 0:30 画像追加

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2013年10月20日 11:54 投稿