31日の茨城新聞の記事が目に飛び込みました。この事業が議会ですんなり通れば、全国に与える影響は少なくないかと思います。
薬局を健康情報拠点に 県、10月から新事業
体調管理し医療費抑制 食生活指導や血糖値測定
(茨城新聞 2014.08.31)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14094082285050
(リンク切れたらすみません)
この事業は9月の県議会に議案として提出される国庫補助事業で、医師や看護師、栄養士なども交えた「セルフメディケーション推進連絡会議」を設置など、「セルフメディケーション」を推進するなど、地域薬局を活用する国の今後施策の先駆けとして注目に値するものです。
茨城県のHPの平成26年度9月補正予算案参考資料に詳細が載っていました。(画像クリックで別ウインドウで拡大します)
最も注目したいのは、4月から薬局での自己採血検査が認められたことを受けて、HbA1cの測定機器を設置する薬局に対し、県が購入費の一部を補助するというもので、さらに結果を踏まえ、糖尿病が疑われる場合などは早期受診を勧め、重症化を防ぐという仕組みをつくることです。
茨城県議会の議事録を確認したところ、今年6月10日の平成26年第2回定例会で、高崎進議員の質問(→リンク)に対して、森戸保健福祉部長が次のように答弁(→リンク)を行っていました。
高崎進議員質問:
薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点の整備についてお伺いをいたします。
昨年6月に閣議決定された日本再興戦略のアクションプランにおいて,薬局を地域に密着した健康情報の拠点として,一般用医薬品等の適正な使用に関する助言や健康に関する相談,情報提供を行うなど,セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進することが盛り込まれました。
これを受けて厚生労働省は,薬局に来れば,薬剤師から医薬品の情報だけではなく,健康食品,食生活,また禁煙,心の健康,在宅医療,介護ケアなどに関する情報を幅広く入手できる環境を整備する必要があるとされております。
本県では,第2次健康いばらき21プランにおいて,身近で気軽に健康に関する相談ができる場所として,ヘルシースポット薬局を活用することを県民に働きかけるとされております。しかし,現在のヘルシースポット薬局の役割は,禁煙指導のみと伺っております。
最近では,専門家の適切なアドバイスのもと,体の軽微な不調や症状は,みずから手当てするというセルフメディケーションへの関心が高まっております。さらに,本年4月からは,薬局においても血糖値や中性脂肪などの簡易な検査ができるようになったことから,身近な薬局においても生活習慣病の早期発見が可能となることを期待しております。
埼玉県では,今年度,薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点推進事業がスタートすると聞いております。この事業は,薬局・薬剤師を活用し,地域に密着した健康情報の拠点として位置づけ,セルフメディケーションやうつ病,自殺対策などの心の健康,さらに,高齢者,要介護者への生活機能に着目した服薬指導及び在宅医療を推進する取り組みであります。
本県においても,県民が身近に立ち寄ることができる薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点の整備を行うべきと考えますが,保健福祉部長の御見解をお伺いいたします。
森戸保健福祉部長答弁:
県といたしましても,県民の健康増進を図る上で,薬局や薬剤師の活用が有効であると考えております。
このため,茨城県薬剤師会に委託し,県民の皆様からの相談に応じる「くすりの相談室」を設置しているほか,高齢者クラブや地域の健康講座等に薬剤師を派遣し,医薬品の適正使用に関する「お薬講座」を実施しております。
また,薬局を活用した在宅医療を推進するため,研修やシンポジウムを開催し,薬剤師のスキルアップを図るとともに,在宅訪問薬局を紹介する窓口を市町村ごとに設置しております。
さらに,薬局につきましては,議員御指摘のとおり,地域における健康情報拠点としての機能を持つことが大変重要であると考えております。
そのため,今後,薬局において,一般用医薬品を活用したセルフメディケーションの支援や食生活,心の健康等の相談業務を強化するとともに,生活習慣病の早期発見などのため,簡易な血液検査による健康チェックと医療機関への受診勧奨を行うなど,薬局が地域住民の身近な健康相談の拠点となるよう,茨城県薬剤師会と連携し,取り組んでまいりたいと考えております。
今後、この事業が議会で承認され、どのような取り組みが実際に行われるか注目したいと思います。(医師会等から反発の声も出るような気もするのですが)
特に、今年3月末に経産省・厚労省が示したGLとは外れるようにも思われますが。(自治体が中心となって行えば可ということ?)
健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン
(厚生労働省・経済産業省 2014.03.31)
http://www.meti.go.jp/press/2013/03/20140331008/20140331008-3.pdf#page=5
(該当ページにリンク、以下抜粋)
(適法)
・ 検体を採取する際に、利用者が自ら検体を採取した上で、民間事業者が、検査(測定)後のサービス提供として、検査(測定)結果の事実や検査(測定)項目の一般的な基準値を通知する場合。
(違法)
・ 検体を採取する際に、無資格者である民間事業者が利用者から検体を採取する場合。
・ 無資格者である民間事業者が、利用者に対して、個別の検査(測定)結果を用いて、利用者の健康状態を評価する等の医学的判断を行った上で、食事や運動等の生活上の注意、健康増進に資する地域の関連施設やサービスの紹介、利用者からの医薬品に関する照会に応じたOTC医薬品の紹介、健康食品やサプリメントの紹介、より詳しい健診を受けるように勧めることを行う場合。
関連情報:TOPICS
2013.11.03 セルフケア・セルフチェックと地域薬局の関わり(厚生労働科学研究)
薬局の求められる機能とあるべき姿
(平成 25 年度厚生労働科学研究費補助金 薬剤師が担うチーム医療と地域の調査アウトカムの評価研究)
http://www.jsphcs.jp/cont/14/0107-1.pdf
検体測定室に関するガイドラインについて
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1398825511902/files/201404301110.pdf
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/cgi-bin/t_docframe2.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=SEARCH&SMODE=NORMAL&KEYWORD=%8c%9f%91%cc%91%aa%92%e8%8e%ba&EFSNO=1353&FILE=FIRST&POS=0&HITSU=53
検体測定室に関するガイドラインに係る 疑義解釈集(Q&A)
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/717851.pdf
「健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン」を策定しました
(経済産業省 2014.03.31)
http://www.meti.go.jp/press/2013/03/20140331008/20140331008.html
関連記事:
本来の薬局の姿取り戻す好機
(薬事日報 社説 2014.08.22)
http://www.yakuji.co.jp/entry38262.html
【厚労省/経産省】薬局の簡易検査等に指針
(薬事日報 2014.04.04)
http://www.yakuji.co.jp/entry35402.html
http://www.qlifepro.com/news/20140404/simple-inspection-of-pharmacy-guidelines-result-annual-based-on-the-illegal.html
薬局などでの簡易検査のガイドライン公表 「ワンコイン健診」の広告はNG
(日経DI 2014.04.10)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201404/535931.html
茨城県の件が明らかになっているこのタイミングでなんだかなあ 【日医】 一般用検査薬についての日本医師会の見解 http://t.co/JmK5R09Xpv (関連) 一般用医薬品・検査薬に対する医師の意識(日医総研WP) http://t.co/YsMwJJ9n87
— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) 2014, 9月 3
8月31日 17:28更新 9月3日 21:45更新 9月5日 コメント欄で記事を追加
2014年08月31日 16:04 投稿
「医学的判断を行った上で」というところがカギの筈では? 医師が専権としている診断に及ばない限り、情報の提供を薬剤師や登録販売者が行わないとすれば、それは逆に業務懈怠では?
確かに、厚労省の現場サイドになると、後ろ向きに読める通知が出たりしていますが、もともとは政府として『解禁』に向けた決断をしたものであり、通知は受診者の安全確保への取組みに過ぎません。 なぜ、素直に読まずに【無理】と決めつけるのでしょうか?
日医のプレスリリースにあるように、セルフケアとしての検査には医師会は難色のようですが、国や自治体がきちんと手順(プロトコル)や仕組みを作り、本腰を入れて薬局の将来の利活用を考えれば、この動きは社会の認知を得られるのではないのでしょうか?
ふと思い調べたところ、なんと鳥取県では6月補正予算で同様の事業が始まっていました。
【鳥取県医師会報 平成26年6月】
http://www.tottori.med.or.jp/docs/kaihou/2014/708.pdf#page=9
県薬剤師会では国のモデル事業として薬局内(10ヶ所選定)に血糖値や血中脂質を迅速に測定できる機器等を導入し、希望者に対して検査値を踏まえた健康相談、受診勧奨などを行うとともに、生活習慣病に関する情報提供、啓発等を行い、今後の健康情報の拠点づくりに 活かすとのことである。(鳥取県医師会ではどう感じたんだろう)
下記議事録をみると、鳥取県が機械を購入、モデル薬局10カ所に無償貸与という形で行われているようです。
【鳥取県議会2014.06.12議事録】
http://www.pref.tottori.lg.jp/item/920221.htm
秋田県も同様の取組が行われているようです。
平成26年度6月補正予算の概要について
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1402287485434/files/H2606hosei-gaiyou2.pdf#page=8
薬局・薬剤師活用推進事業 509.1万円
薬局・薬剤師を活用した健康情報の拠点づくりを推進するため、薬局における健康支援・相談等のモデル事業を実施する。
・事業内容 血糖測定器を用いた健康サポート、高齢者等の服薬管理、認知症対策 等
・委 託 先 (一社)秋田県薬剤師会
宮崎県の事業も気になります
平成26年度9月補正予算 事業一覧
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000224405.pdf
医療薬務課 薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点化モデル事業 薬局の薬剤師が肝炎や糖尿病等に関する健康情報の拠点となり、県民に適切な健康支援を行う。
調べたところ、今回の関連事業についてどこの県でも一応補正予算で組まれており、多くが500万という数字になっていました。(つまり国の肝いり?)
血糖測定器等を導入するかどうかはその自治体の判断なのでしょうが、どうして、こういった動きがあまり公にならないのでしょうか?
医師会への配慮もあるかもしれませんが、取り組みを始めた自治体はまずは取組を伝えて、是非を含め、きちんとオープンな議論を行い、地域薬局の果たすべき役割を改めて考えてみるべきではないでしょうか?
国や自治体の支援による素晴らしい試みだとは思います。ただ、医師会は自己採血など侵襲を伴う検査は必ず、医療機関で行うこと。薬局では絶対にやらせない・・・。
この医師会の徹底反対で実現は無理でしょう。過去の例を考えても、スイッチOTC薬化がことごとく進まないのは医師会の反対があるからです。これからも、それは期待できません。ロキソニンなど要指導薬から2類薬へと、薬剤師の手を離れて、登録販売者でも販売できるようになります。他の品目も随時、そうなり、要指導薬は減っても増えることはありません。もし、増える品目があったとしても、従来と同じ類似薬ばかりです。この傾向はこれからも変わらないでしょう。消費者や患者は、簡易な検査も含めて医療機関に直接、行く社会的習慣が確立されています。指定を受けたかかりつけ薬局に手軽に検査を受けてもらうという試みでしょうが、今の医療機関は検診のサービス面を含めて、患者確保に必死になっています。いくら、薬局が受診勧奨と唱えても、現実不可能なたんなる理想像に過ぎません。国が医師会の反対に圧されてしまうと、自治体もやる気を削がれてしまうでしょう。医師と薬剤師の役割分担は医師の手中にあり、医師が承諾する薬剤師の職域しか認められない。それが現実だと思います。国、自治体は権力に流されます。権力には利害関係がつきものです。一度、作り上げられたその流れを変えるのは大変なことです。それと、消費者と患者が検査の信頼を医療機関においてしまっているので、より、難しいと思います。どうも、消極的なことばかり書きましたが、今までの薬剤師会や薬業界、そして、薬剤師がしてきたことを考えれば、無理もないことです。
今日から、週末二日間の休日をゆっくり骨休みと考えていたのに、地元の病院に検診に行くことになっています。薬局でも実現できそうな簡易な検査もあります。でも、病院はそれも、病院の収益を上げるために必死になっています。せっかくの有意義な休日を潰して行くのが、バカバカしくなります。病院の喰いものに、自分はされているだけだと思うと。病院はそれをわかっているのかどうか知りませんが、さもたいそうに、上から目線であなたの健康は病院が診てあげますよと。でも、やっぱり、たとえ買い物ついでに、また、市販薬の相談をしたとしても、やはり検査となると、金儲け主義の病院に足を向けてしまう。社会的習慣化された庶民は、もう、金儲け主義の病院にしつけされてしまっているのです。人間は自分たちの健康や病気に対する経済的な負担と信頼、この二つの視点にシビアなんです。医療に皆保険制度(検診は制度外ですが)、これは供給者と需要者の双方が納得できる金儲け手段としても、素晴らしい制度なんですね。良い制度を作り上げたものです。(笑)
検査薬スイッチ化の次はOTC薬のスイッチ化・・・。
こんなアプローチでは全体(医師は除外して)のコンセンサスは得られない。
検査薬のスイッチ化とOTC薬のスイッチ化は切り離して考えるべき。
正道を持って、本道を開く。これは私なりの造語だが。
OTC薬のスイッチ化がなぜ、必要なのか。今まで散々、されてきたことだが。
でも、これからも辛抱強く・・・・。
医師は自分たちの利害を考えるあまり、それを理解しようとしない。
もう、処方薬は限界に来ている。
OTC薬→処方薬の大所高所の視点、それを医師は持たなければ、いずれ、自分たちも破滅することを認識しなければならない。
検査薬スイッチ化における薬局での自己採血には無理がある。
正道は正道、邪道は邪道、これをしっかり踏まえた上でしか、本道を切り開くことはできない。
昨日、検診で近くの病院に行った。胃がん検診と便潜血検診が増えていて、自己負担があると言われた。成人病検診で、そのメニューが追加されているのだ。今までは労基検診で、この2項目はなく、自己負担もなかった。なのに・・・。
飲みたくもないバリウムを飲まされて、検診台の上に乗った私は逆さになったり、仰向け、横向け、いろんな体位になって、レントゲン照射された。終わった時にはバリウムと発泡剤を飲まされて、くるくる回されて、気分が悪かった。こんな苦しい思いまでして、どれだけガンの検出ができるのか。胃カメラの方が精度も高く、ガン検出率はバリウム検査ははるかに劣る昔からの古臭い検査だ。でも、胃カメラは抵抗があり、この方を選んだのだが。別に、労基検査で省いてもらっても良かったのだが、これを省くと全額負担になると言われた。年一回の検査、これを社会人は強制的にさせられるが。果たして、どこまで、その必要性があるのか。早期がん発見で、生存率90%以上と言われているが。
それにしても、バリウムを飲んでから、胃の調子が悪い。こちらの方でまいってしまう。
病院は金稼ぎのために検診患者確保に躍起になっている。そのほか、地元の金になる木の老人をかき集め、グループ系列の施設にほりこんだり、入院させたり、検査・薬漬けにして、荒稼ぎしている。益々、それらの病院は地元で肥大化して、町はそれら病院の城下町化されて、異様な光景だ。庶民の酷税、保険料がこの異様現象に湯水のごとく注ぎ込まれている。まあ、自治体も指定かかりつけ薬局を支援して、簡易検査を含めたセルフメディケーションを促進させたい意向も分からないでもないが。
胃部バリウム検査ほど、馬鹿げた検査はない。協会健保が生活習慣病の一般検診の中に含めた項目だが。これを病院は金稼ぎの糧にしている。そもそも、この検査はバリウムや放射線暴露の副作用が大きい。胃がんを検査するのが、かえって、胃がんを発生させやすくしている。病院は金儲けのために、検査を受ける人に黙っているけれど。ひどい話だ。
この検査での胃がん検出能力はあまりなく、病院の金稼ぎの形式検査に過ぎない。
医師会は検査は医者でというけれど。こんな無駄な検査を厚労行政、検査機器業者、医師会が結託していることを考えると、指定かかりつけ薬局も含めて、これからの検診のあり方を考えなければならない。医師会は有害無用になったものでも、自分たちの権力に任せ、金儲けになる既得権は絶対手放さないが。
医師はこぞって胃部バリウム検査に逆流性食道炎誘発や被爆の副作用はないという。
なのに、自分(医師)たちは胸部レントゲンや胃部レントゲンの検査を受けたがらない。
医師たちはレントゲン検査における上述副作用の負の情報を知っている。それをひた隠しにする。その理由は公にすると、自分たちのレントゲン検査の仕事が目減りするからだ。
なんという悪用どもか。医師だけではなく、それを知っている医療関係者は皆、受けない。知らされないのは庶民だけだ・・・。
下記の検診の真実を掲載します。
知らされない受検診者は悲劇です。
厚労省はそれでも、検診を後押ししています。
もう、この国は狂っています。
新潟大学医学部教授の岡田正彦氏(65歳)は予防医学の第一人者で、現代医療の無駄の多さ、過剰さに疑問を呈し、健康のために真に必要なものは何なのか、独自に調査・研究を進めてきた。
私の計算では、胃がん検診は、胃がんを 減らすどころか、むしろ増やしている可能性があります。肺がん検診はエックス線写真を1枚撮れば済みますが、胃がん検診ではバリウムを飲んで検査をしている間、ずっと放射線を浴びなくてはなりません。その被曝量は、肺がん検診の100倍近くも高くなります。
そもそも胃がん検診をやっているのは、世界中で日本だけ。日本は、大規模な追跡調査をやらない国なので、胃がん検診が有効だということを実証する証拠は一切ありません。にもかかわらず国が推奨しているのが、私は不思議でならないのです。
大がかりな検診は意味がないという認識は、すでに欧米の研究者の間で広まっています。アメリカ人の医者千数百人を対象にしたアンケート調査のデータでは、大部分のドクターは、「検診はやった方がいい。ただし血液検査や尿検査があれば十分で、レントゲンや心電図までは必要ない」という意見でした。
人間ドック、脳ドックも
ところが日本では、いまだに検診は有効だと盲信され、国を挙げて推奨されています。それはなぜかというと、ひとつはビジネスマター、つまり金儲けをする手段として検診がもてはやされているということ。もう一つは「検診は有効だ」という、人々の深い思い込みによります。なくてもいいという発想そのものを持っていないのです。
医者の側にも問題があります。医療が細かく専門化した結果、自分の領域しか知らない医者ばかりになり、検診が他の領域に及ぼす影響まで思いが至らなくなっているのです。
また、医者はこれまで自分のやってきたことが正当だったと信じたいため、検診に否定的な論文を目にしても、それは例外だと自分自身にも言い聞かせ、患者さんにもそう伝えるのです。
だから、がん検診を受けても寿命は延びないし、かえって苦しい思いをしたり、がんを発症させたりする可能性があるという事実が、患者側には一切伝わってこないのです。
こういったケースは、がん検診だけに限ったことではありません。人間ドックに入れば、ありとあらゆる検査の中で何らかの病気が見つかりますが、その中には無理に治療が必要でない微細な病気も多く、結果的に過剰医療に繋がって身体にダメージを与えてしまう恐れがあります。
そもそも、人間ドックという言葉があるのは日本だけ。推奨している国も他にはないのです。
日医総研が関連でレポートを出しています。
薬局等でのセルフメディケーションの現状と課題について
-自己採血検査を中心にー
(日医総研WP No.328 2014.10.22)
http://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_560.html
http://www.jmari.med.or.jp/download/WP328.pdf
茨城県の他、各地でのさまざまな取り組みを調べ、コメントをしています。
レポートでは、さままな動きに神経をとがらせていることがうがえますが、やはり、厚労省が「健康情報拠点事業」について、なぜ薬局を活用するのかということを医療関係者及び一般に広く理解周知させないことが、日医の疑心暗鬼を生んでいるように思います。
そして何よりも、エパデールのスイッチ問題の際にも指摘しましたが、“セルフメディケーション”とは何か”という共通認識のなさが、今回の医師会の立場につながっていまっているように思います。
日本においては、“セルフメディケーション”=「軽度の症状や病気に対して、OTC医薬品を使用して対応すること」だけが強調されていますが、Association of the European Self-Medication Industry(AESGP) では、「医師と地域薬剤師には患者(生活者)に対し、セルフ・メディケーションと医薬品の合理的な使用に関する援助やアドバイス、情報の提供者として、非常に重要な役割がある」としており、全てが自己責任での使用ではないこともうかがえます。
what is self-medication? (AESGP)
http://www.aesgp.eu/self-care/about-self-care/en/
(関連資料)
http://www.watarase.ne.jp/aponet/blog/pdf/smac2011.pdf#page=2
各県レベルでの医師会の反発はそれほどでないようにも感じますが、日医副会長の中川氏は、厚労省の取組みに対し、あまり快く思われていないようです。
2006年以来の大改革時代 – 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.2
(m3.com 医療維新 2014.10.28 要会員登録)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/261971/
健康情報拠点「健康ナビステーション」の見直しを要求した他、「薬学的知見に基づく服薬指導までが、薬剤師の仕事」との主張をされています。
薬剤師の本来業務って、そんなに狭いものなんでしょうか?