国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部(http://www.nihs.go.jp/dig/jindex.html)は11月6日、医薬品安全性情報(海外公的機関 医薬品安全性情報)Vol.12 No.23を公表しています。
小児集団でのファーマコビジランスに関するEMAのワークショップ、バルプロ酸(デパケン、セレニカ)の女性での使用制限の強化、テストステロン製品と臓障害のリスク上昇、Ponatinib(Iclusig)と血管閉塞リスク、ベンゾジアゼピン系薬:自殺念慮および自殺既遂のリスクなどについての情報が掲載されています。
全文はこちら(PDF)です。
バルプロ酸の使用制限については、母体内での暴露が、生まれてくる子どもへのさまざまな影響を示す報告を踏まえたもので、いわば予防的措置として今回PRACが勧告を行いました。
PRAC recommends strengthening the restrictions on the use of valproate in women and girls
(EMA 2014.10.10) (→リンク)
正式に決まれば、妊婦または妊娠する可能性のある女性では、他の治療薬が無効または忍容性がない場合を除き、てんかんや双極性障害の治療に使用しない、偏頭痛で使用する場合は治療の開始前に妊娠していないことを確認するとともに、効果的な避妊法を求めることになるようです。(簡単に言えば、女性はバルプロ酸は予報的措置として使用すべきでないということ。日本じゃこういう勧告はまず無理でしょうね。)
一方、ベンゾジアゼピン系薬の情報は、オランダ・ファーマコビジランスセンター(Lareb)(http://www.lareb.nl/)がほぼ季刊で発行している“Quarterly reports”で取り上げているシグナル検出の情報です。(医薬品安全性情報で取り上げるのはたぶん初めて? ツイッターや本サイトでもときどき紹介しています)
2014年11月15日 14:15 投稿