ここのところ余裕がなく、新たな記事のアップができず申し訳ありません。(この記事ももっと早くアップしたかった)
この話題については、調べれば調べるほど様々な情報があり、まだ十分整理しきれていない段階なのですが、とりあえずメモとして、年内最後の話題として紹介します。
一部報道でご存知かと思いますが、薬食審・要指導・一般用医薬品部会で、フッ化ナトリウムを有効成分とした虫歯予防の要指導医薬品の洗口液「エフコート」の審議が行われ、近く、新たに承認される運びとなっています。
フッ化ナトリウム含有の要指導薬
(薬局新聞 2014.12.3)
http://www.yakkyoku-shimbun.net/2014/12/05/000198/
上記記事にあるように、エフコートは、医療用医薬品「バトラーF洗口液0.1%」のスイッチ品で、医療用医薬品の半量の濃度のフッ化ナトリウムを0.05%が含有されています。
エフコート添付文書案
(薬事分科会資料・日刊薬業行政情報)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226686641032#page=101
バトラー洗口液0.1%
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/279082XQ2022_1_01/
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300226_279082XQ2022_1_01.pdf
注目したいのは、今回のスイッチにあたって、パブリックコメントが行われている点です。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第4条第5項第3号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品を定める件(案)する意見募集について
(案の公示日 2014年12月19日 意見・情報受付締切日 2015年01月17日)
スイッチにあたって、パブコメが行われたのはおそらく今回が初めて(医療用医薬品では、過去に緊急避妊薬のノルレボ錠で行われた→TOPICS 2010.11.10)で、パブコメに踏み切った理由として考えられることは、次のような点があったためだと思われます。
- フッ化物の洗口(塗布)の有効性と安全性についての議論がある
- 小学校や保育所・幼稚園などで、集団でのフッ化物洗口液による虫歯予防のとりくみが行われている
- 適用年齢が4歳からとなっている
う蝕予防のためのフッ化物応用に関する最近の知見
―フッ化物洗口を中心に―
(歯科薬物療法 29 (1)p1-8,2010 )
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsotp/29/1/29_1_1/_article/-char/ja/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsotp/29/1/29_1_1/_pdf
NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(http://www.nponitif.jp/)掲載の資料によれば、全国53%にあたる915市町村(佐賀・熊本・愛媛は県下全市町村で実施)の10,287施設の1,044,254人が集団でのフッ化物洗口液での虫歯予防が実施されています。
我が国における施設での集団応用フッ化物洗口に関する実態調査(2014年速報値)
-国内で実施施設数1万施設,当該児童実施人数100万人を超える!! –
http://www.nponitif.jp/newpage202.html
少し前のデータで医学雑誌で報告されたもの
National survey on school-based fluoride mouth-rinsing programme in Japan: regional spread conditions from preschool to junior high school in 2010
(Int Dent J. Published Online 30 Oct 2013)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4255315/
フッ化物洗口マニュアル改訂版
(名古屋市健康福祉局 2012.07)
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000040/40576/fukkabutusenkou.pdf
集団でのフッ化物洗口液の有効性と安全性については、日本弁護士連合会が2011年に意見書を提出してます。
集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書
(日本弁護士連合会 2011.01.21)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2011/110121.html
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/110121.pdf
上記に対する関係団体の見解
日本弁護士連合会「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」に対する見解
(日本口腔衛生学会 2014.02.18)
http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/file/news/news_110225_opinion.pdf
日本弁護士連合会「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」に対する日本口腔衛生学会解説について
(日本口腔衛生学会 2011.11)
http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/file/news/news_111118_jsdh.pdf
NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議の見解(2011.2.16)
http://www.nponitif.jp/newpage143.html
フッ化物の有用性については日歯の一般向け情報ページ「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」などで詳しく記されています。
フッ化物
https://www.jda.or.jp/park/prevent/index05.html
お口の予防とケア ~フッ化物
フッ化物洗口(少し下へスクロール)
https://www.jda.or.jp/park/prevent/index05_09.html
Fluoride mouthrinses for preventing dental caries in children and adolescents.
(Cochrane Database Syst Rev. Published Online: 21 JUL 2003)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12917928/
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD002284/abstract
もう一つ注目したい点は、海外では、WHOや各国歯科医師会、保健当局のガイドラインで、6歳未満の使用を勧奨されていないのにもかかわらず、今回4歳からの適応をあえて認めている点です。
Topical fluoride for caries prevention
(US AHRQ )
http://www.guideline.gov/content.aspx?id=47553
Topical fluoride for caries prevention:
executive summary of the updated clinical recommendations and supporting systematic review.
(J Am Dent Assoc. 2013 Nov;144(11):1279-91.)
http://jada.ada.org/content/144/11/1279.full
Fluoride Use in Caries Prevention in the Primary Care Setting
(Pediatrics Published Online 25 Aug 2014)
http://pediatrics.aappublications.org/content/134/3/626.full
Dentifrices, mouthwashes, and remineralization/caries arrestment strategies
(BMC Oral Health Published online 15 Jun 2006)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2147065/
おそらく、4歳からの適応としたのは、集団での洗口事業で誤飲などが認められていないこと、海外の一部の国や地域で行われているフッ素の水道水への添加が行われていないことが背景にあるようです。
4歳から問題がないとする理由については、下記ページでその理由が記されています。
就学前児童のフッ化物洗口法についてのWHO見解
https://www.jda.or.jp/park/prevent/index05_10.html
わが国の就学前児童のフッ化物洗口は、保育園や幼稚園の4歳児及び5歳児を対象に、看視下において30秒~1分間洗口するのが最も一般的です。その実施に先立って水で洗口練習を行い、洗口可能になった児童に実施することが求められています
フッ化物Q&A100
(大分県歯科医師会)
http://www.oita-dental-a.or.jp/flu/flu100.pdf
個人的に注目したいのは、この6歳未満の適応を可とするかどうかという点です。
海外での洗口液の6歳未満の非勧奨は、やはり飲んでしまうリスクがあるという点があるようで、水道水へのフッ素添加の有無とは直接関係がないように思われました。(小さいとき、歯磨きを飲み込んだという記憶も)
今回パブコメを行うのであれば、せめて承認審査書の公表をして欲しかったと思います。(これでは、判断材料がない)
また承認された際には、フッ化物洗口液による虫歯予防の正しい理解と、家庭での使用(特に未就学児)にあたっての適切な指導を行うための理解が求められていることは言うまでもありません。
関連情報(慎重派の意見)
フッ化物洗口問題総合サイト
http://fusso.jp/
学校等での強制的なフッ素洗口等を推進しないよう 要望書を提出しました
(日本消費者連盟 2014.03.20)
http://nishoren.net/safety/6570
2014年12月30日 22:07 投稿
11月24日神奈川県教育会館にて第34回日本フッ素研究会
が開催され、フッ素予防、再石灰化に対し重要な論文の講演がありました。
(明海大学歯学部 口腔解剖学分野)筧 光夫先生
この講演は今まで信じられているフッ素の虫歯予防の効果を最新の機器を用いて科学的に
全面否定したものです。
会場には養護教員、歯科医、医師、政治家など多数あつまっておりました。
「フッ素の歯、骨への影響」と題する明海大学口腔解剖系の筧光夫講師による講演があり、その要旨は以下のようであった。
フッ素が虫歯予防に効果があるとする根拠:1)フルオロアパタイトの形成2)再石灰化
3)抗細菌(抗酵素作用)について
1)フッ素洗口の効果
フッ素イオンが置換されず、フロールアパタイトも形成されない。
歯質強化(耐酸性)にはカラクリがある(酸に弱い中心部が先に脱灰したエナメル結晶は、
周囲が耐酸性を増したように見えるだけ)。
2)水道水フッ素化
生体内に取り込まれたフッ素イオンは骨や他の組織への悪影響を及ぼす(抗酵素作用)。
フッ素の炭酸脱水素酵素に対する阻害作用はカドミュウムの20倍であり、特に閉経後の
女性はフッ素の影響を受けやすい。
3)再石灰化:
再石灰化実験方法は実際には人に対して行うには不可能な条件下である。
異なる結晶が沈着し、修復されたように見えるだけ (体中に病的石灰化の進行)。
いったん齲蝕に侵された結晶は修復されない 。
*正しい結晶形成機構が理解出来なければフッ素問題を論じることは出来ない。
最近、一部の研究者により結晶形成過程が分かり始めたばかりであり、 口腔衛生や小児歯科分野などの研究者では理解不可能である。
また生物進化の過程からみると、2経路のアパタイト結晶形成過程がある。
1. アパタイトの前駆体(中間物質)を経る経路、フッ素イオン存在下で結晶化が加速
され、結果としてフルオロアパタイトを形成、フッ素イオンがなければゆっくりとアパタイ
ト結晶に移行する、多くはフッ素を含むアパタイトとなる(魚のエナメル質など)
2. 中心線(CDL)形成を経る経路
炭酸イオンによる核形成後に結晶の成熟(フッ素の介入や中間物質を必要としない)
ヒトなど多くの脊椎動物の歯牙(エナメル、象牙、セメント質)や骨。
また、一般の方にもフッ素の有害性がいきわたっております。さらに科学的にも「NaturalON]「FULUORIDE ALERT.OGR」FANなどでフッ素の神経毒が注目されております。
学会の明確なる反論無いままに、このままフッ素予防を続ければ歯科の将来は危うくなるものと思われます。いくら組織で、無視、隠匿してもネット世界は暴いてしまいます、現に「宮歯会報(34)2014.9で「フッ素は「う蝕予防」に本当に効果があるか?
-最近の論文の紹介と考察― として宮城県歯科医師会会員 杉本是考氏の論説掲載されております。会員としてこのままの状態でフッ素予防、予防メカニズムについて疑問を感じます。
また資料にもございますが「ポール・コネット博士」の講演にもあります
米国歯科医師会白書(1979)
「個々の歯科医師は、フッ素化を効果的に進める協力者であるために科学的報告論文や実施研究などに精通する必要はなく、非協力的な場合は専門家としての責任を放棄することである、という事を十分に理解しておかねばならない。」
上記白書を口腔衛生学会、学校歯科医会、歯科医師会が踏襲しているとすれば学会の存亡にも関わるものと思われます。日本弁護士会の意見書に対する回答や対応にあらわれております、健康に関わる問題ですのでより真摯な対応が求められます。
しかるに行政、歯科医師会は不都合情報はひたすら隠匿、無視しており
自画自賛、自己保身であり、情報を知らされない末端の会員はフッ素予防推進に動いております。
フッ素論争における現状
フッ素の危険情報で最近①②の情報が掲載されました、③などの情報は
以前フッ素剤の注意事項として記載されておりました。今は削除されてます。
①日本歯科新聞:低濃度フッ素もインプラントを腐食する?2014,9,2
②新聞QUINTインプラント治療のメンテナンスを再考する014.9.10
③バトラー フルオールゼリー その他の注意 In vitro試験において本剤との接触により、チタン、ケイ素含有材料(グラスアイオノマー)など変色したり表面形状に影響を及ぼすとの報告がある。
④バイオマテリアル”チタン”は腐食・変色しないか? 日本歯科医学会誌 V.55 No123003-3
それに対し何を血迷ったか、下記見解出されました。
*
平成26年10月10日
関係各位
一般社団法人日本口腔衛生学会
フッ化物応用委員会委員長 眞木吉信
インプラント専用歯磨剤として発売されたフッ化物無配合歯磨剤に対する見解
中略 (①②をIn vitroによる仮説であるという見解)
現代はヒトを対象とした実験研究や疫学研究で証明された事実を,患者ならびに一般消費者に提供するEBMの時代であり,試験管での実験や仮説をそのまま適用することはできません.日本口腔衛生学会としては,EBMならびに「歯科口腔保健の推進に関する法律」の基本的事項に則って,フッ化物配合歯磨剤の適正使用を低年齢児から高齢者までのすべての人々に推奨してきた経緯があり,自分の歯を保有する人々に明らかなう蝕予防効果を認めてきたので,これを中止することによるう蝕リスクの増大を危惧することから,今回,フッ化物応用委員会より本件の見解を発出いたしました.
*
これがフッ化物応用委員会の見解です、医療人は、リスクカンリというもっとも大切な事がないがしろにされております。薬物に、副作用情報は絶対欠かせないものです、自画自賛、自己保身といわれても仕方ありません。歯科医として口腔衛生学会には失望せざる負えません。
前回下記コメントさせていただきました。抜粋
「このままフッ素予防を続ければ歯科の将来は危うくなるものと思われます。いくら組織で、無視、隠匿してもネット世界は暴いてしまいます、現に「宮歯会報(34)2014.9で「フッ素は「う蝕予防」に本当に効果があるか? -最近の論文の紹介と考察― として宮城県歯科医師会会員 杉本是考氏の論説掲載されております。
会員としてこのままの状態でフッ素予防、予防メカニズムについて疑問を感じます。
*
そしたら恐ろしいことおきました、地方歯科医師会の公報に疑問を投稿したら、日本歯科医師会から会の方針に従わないのかという圧力がかかりました。そこでやむなく宮城歯科医師会が下記声明を出しました。
これが今の歯科医師会の現状です。医療人として皆様の判断をお願いします。
宮城発第 287 号
平成26年9月12日
各都道府県歯科医師会会長 様
一般社団法人宮城県歯科医師会
会長 細谷仁憲
う蝕予防におけるフッ化物応用に関し本会会員が作成した文書について
時下 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、本会の一会員が個人の考察として各都道府県歯科医師会の皆に様見解を求める文書を発送しましたところ、いくつかの歯科医師会におぴて、本会としての取り組みと誤解を与える結果ととなりましたことに対して、深くお詫び申し上げます。
う蝕予防におけるフッ化物の応用の有効性及び安全性は、科学的根拠に基づくものであり、世界的にも、また、我が国においても広く認識されているところであります。本県においても「宮城県歯と口腔の健康づくり推進条例」など法整備がなされ、フッ化物応用の取り組みが推奨されているところであります。
また、宮城県歯科医師会のフッ化物応用に関する見解は、平成23年3月に日本歯科医師会から出された「う蝕予防におけるフッ化物応用に関する日本歯科医師会の見解」と同一であり、「宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画」に基づき、う蝕予防におけるフッ化物応用を推進しております。
この件に関しての見解のご対応につきましては、それぞれの歯科医師会のご判断にお任せしたいと存じます。
なお、今回の宮歯会報への記事の掲載につきましては、多くの会員の貴重な調査研究等の発表のばとしておりますことを申し添えます。
フッ素予防に関してはもはや覆い隠せないほど疑念が世界的に広まっております。また再石灰化など意味も定義もない概念を未だに推し進めようとしております。色々な疑念が出ているのですから再検証する事が必要ではないでしょうか。
朝日新聞捏造から会広報と会のありかた
朝日新聞の捏造問題で従来のマスコミのあり方が問われております。
2014年2月11日「医療番記者メモ(55)」田辺 功氏(医療ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員)「まだある、フッ素は怖いのイメージ」なる記事掲載された。
昨年12月の本紙に「水道水フッ素化」の記事があった。
フッ素反対団体が集会をし、反対する海外の研究者が特別講演をした、という内容だった。
本誌は反対派に近いのかな、と感じさせた。一部抜粋
その記事は13年12月3日「反フッ素団体が埼玉で会合開く」1面半分にも及ぶフッ素導入経緯からADAの異常行動、(化学的態度動態より協力のみが要求された)など科学的EBMをを示したものであった。
同じような事が日本でも行われた。
しかるに田辺記事は(過去の抗議反論に対し)全く自画自賛、自己保身の内容であった。まさに元朝日新聞編集委員の上から目線と意図的な元朝日新聞論説委員の記事そのものであった。
最近は医療界に限らず広報重視であるが世の中「潜規則」「捏造記事」などこれがリーダーを任ずる方の言動、行動とは思えない論調がまかりとおております。
特に(弁護士会の意見書)に対する反論で、口腔衛生学会、学校歯科医会には疑念を感じます、「反フッ素LETTER」やSNSで「フッ素推進学者のおかしな論理」で”フッ素洗口をする権利を守れ”という非常識な主張がまかりとおております。
特に意見書に対する日本口腔衛生学会解説、や擁護する日本歯科医師会、関連学会の全面的に支持しますなるコメントには、歯科医、否、医療人として恥ずかしい限りです。そこには検証や見直すという医療人としての謙虚な態度が全く見えません。
最近のインプラント腐食知見に対する口腔衛生学会の見解抜粋
現代はヒトを対象とした実験研究や疫学研究で証明された事実を,患者ならびに一般消費者に提供するEBMの時代であり,試験管での実験や仮説をそのまま適用することはできません.日本口腔衛生学会としては,EBMならびに「歯科口腔保健の推進に関する法律」の基本的事項に則って,フッ化物配合歯磨剤の適正使用を低年齢児から高齢者までのすべての人々に推奨してきた経緯があり,自分の歯を保有する人々に明らかなう蝕予防効果を認めてきたので,これを中止することによるう蝕リスクの増大を危惧することから,今回,フッ化物応用委員会より本件の見解を発出いたしました.