すでにご存知かと思いますが、厚労省では、20年後の2035年を見据えた保健医療政策のビジョンを明らかにし、短期・中長期の政策課題に着手するための有識者による懇談会の“保険医療2035”を設置し、議論を開始しています。
保険医療2035
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/
bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/
「保健医療2035」策定懇談会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakaihosyou.html?tid=248884
塩崎大臣閣議後記者会見概要 2015.02.23
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000074162.html
上記資料(プレゼンスライド・議事概要)を見ると、Polypharmacy(→徳田構成員プレゼン)の話題や保険給付のあり方(→堀構成員プレゼン)他、実に広範囲の医療の問題について意見交換が行われていることがわかります。(構成員の平均年齢は若く、懇談会は自由闊達な議論がなされるようにと非公開)
個人的には、最後にプレゼンした小野崎事務局長が示した視点・論点(→プレゼンスライド)が印象に残りました。
厚労省では、今回の懇談会と並行して、20年後の医療の姿や、20年後に向けて改革すべき長期ビジョン等について意見募集を開始しています。
“塩崎大臣へ、私のアイディア2035”(「2035年の保健医療」に関する提案・意見の募集)について
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/
bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/opinion/
プライマリケア、グローバルヘルス、住民(地域)参加、給付と負担のあり方などがキーワードとなりそうですが、医療従事者の役割分担(特にpublic health や プライマリ(ヘルス)ケアの分野での)ということも改めて検討してもよいのではないかと思いました。
20年後というのは決して遠い先ではありません。特に若い皆さんは思い思いの意見を提出してはいかがでしょうか?
関連情報:
2035年見据え、保健医療政策ビジョン検討へ 厚労省
(朝日新聞2015.02.13)
http://www.asahi.com/articles/ASH2F4DWLH2FUTFL002.html
「2035年」見据え、長期ビジョン策定へ
厚労省の懇談会が初会合、今年6月に報告書
(m3.com 医療維新 2015.02.24)
https://www.m3.com/news/iryoishin/297750
渋谷健司・東大国際保健政策学教授に聞く
(m3.com 医療維新 2015.03.08,12, 22)
http://www.m3.com/news/iryoishin/301249
https://www.m3.com/news/iryoishin/301250
https://www.m3.com/news/iryoishin/301251
渋谷健司さん(厚生労働省『保健医療2035』策定懇談会座長)
「日本の医療に投げかけられた問いに答えを示したい」
(週刊医事新報 2015.04.04)
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=1138
http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=19963
2015年04月25日 23:46 投稿
紹介が遅れましたが、9日に提言書としてまとめられて発表されています(2015.07.07 リンク切れていたので張り直しました)
保健医療2035提言書の公表について
(厚労省 2015.06.09)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088375.html
保健医療2035 提言書
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000088647.pdf
提言書(概要版)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000088652.pdf
提言書(参考資料)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000088653.pdf
気になったところを抜粋すると
不必要に低額負担となっている場合の自己負担の見直しや、風邪などの軽度の疾病には負担割合を高くして重度の疾病には負担割合を低くするなど、疾病に応じて負担割合を変えることも検討に値する。
先進的又は高額な医療が良い、あるいは検査や薬剤処方も量を投入すればするほど良いとするのではなく、国民の保険料や税金一円あたりの効果・価値を高め、2035 年までに、「より良い医療をより安く」という価値観へ転換する。
個人の選択に応じた負担のあり方を検討する。例えば、後発医薬品でなくブランド薬を使用した場合の追加的な負担や、在宅でサービスを受ける場合と入院・入所によりサービスを受ける場合とで、異なる自己負担を導入することなどが考えられる。
国民が自ら健康を育むことを支援する。例えば、制度的な位置付けを含め、OTC薬を活用したセルフメディケーションの支援を行う。従来の門前薬局から抜本的に機能を見直し、薬局再編の姿を示す「患者のための薬局ビジョン」の具体化を推進する。
今後の方向性としては、2020年までに取り組むことと2035年までにとりくむことを2段階に示しています。
規制改革会議や財務省などが主張していたことも含まれていますが、今回の提言で政策変更を迫られる可能性もあります。 日医などの職能団体がどのような反応をするでしょうね。
保健医療2035
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/
2035年へ新ビジョン
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/future/