12月4日の中医協で、調剤報酬についてが議題になっています。
第317回中央社会保険医療協議会 総会(2015年12月4日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000105569.html
これからの報道に注目していて下さい
調剤報酬(その2)について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000106118.pdf
とりあえず論点を示しておきます。
患者本位の医薬分業に向けた調剤報酬の取扱い
- 患者の服薬情報を一元的・継続的に把握し、それに基づき薬学的管理・指導を行うかかりつけ薬剤師の業務や、かかりつけ薬剤師が役割を発揮できるかかりつけ薬局の機能を評価すること。
- 薬局における業務について、対物業務から対人業務への構造的な転換を促すため、対物業務の評価については適正化を図る一方、患者への丁寧な説明、医師への処方内容の疑義照会、在宅訪問も含む地域包括ケアシステムにおける多職種との連携などにおいて、薬剤師が専門性を発揮できるよう、対人業務の評価を充実すること。
- 薬剤師の専門性やかかりつけ機能を発揮することで患者に選択される、かかりつけ薬剤師・薬局を評価する一方、かかりつけ機能を発揮できていない大型門前薬局などの評価を適正化すること。
かかりつけ薬剤師・薬局の評価について
- 患者が選択する、かかりつけ薬剤師の要件等を診療報酬上明確にした上で、当該薬剤師が医師と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握する業務を評価してはどうか。また、かかりつけ薬剤師の業務の包括的な評価も検討してはどうか。
- 基準調剤加算については、在宅訪問の実績要件をさらに求めるとともに、開局時間、相談時のプライバシーに配慮した要件の追加、 24時間対応に関する実態に即した要件の明確化など、「患者のための薬局ビジョン」等を踏まえ、かかりつけ機能を評価してはどうか。
- また、かかりつけ機能を有する薬局としては、かかりつけ薬剤師となりうる、当該薬局に一定時間以上勤務する薬剤師を配置することを基準調剤加算の要件に追加することとしてはどうか。
- 患者に対する情報提供に関しては、患者の選択に資するよう、薬局のサービスの内容も含めて丁寧にわかりやすい情報提供を推進することとしてはどうか。
- 基準調剤加算については、かかりつけ薬剤師・薬局の普及状況等を踏まえて、次期改定以降も引き続き見直しを検討していくこととしてはどうか。
高齢者への多剤処方に関する課題と論点
- 特に高齢者に、多種類の服薬に起因する有害事象を防止するとともに、服薬アドヒアランスを改善するために、医療機関において、又は医療機関と薬局が連携して、多種類の服薬を行っている患者の処方薬剤を減少させる取り組みを行い、処方薬剤数が減少した場合について評価することとしてはどうか。
対人業務の評価の充実について
- 薬剤服用歴管理指導料は、業務の実態も考慮しつつ、服薬状況の一元的な管理のために患者が同じ薬局にお薬手帳を持参して繰り返し来局することのインセンティブを与えるため、2回目以降に手帳を持参して来局する場合の点数を低くすることについてどのように考えるか。
- お薬手帳については、電子版の手帳であっても、紙媒体と同等の機能を有する場合には、算定上、紙媒体の手帳と同様の取扱いが可能と位置づけてはどうか。
- 重複投薬・相互作用防止加算については、医師と連携の上、減薬等にかかる疑義照会を進めるため、加算できる範囲の見直しなど評価を充実させてはどうか。
- 継続的な薬学的管理を進めるため、ブラウンバッグによる残薬削減等の推進を検討してはどうか。
- 対物業務の評価適正化として、調剤料及びその加算の仕組みについて、例えば、調剤日数に応じて増加する一包化加算などの評価を見直してはどうか。
- 対物業務から対人業務への構造的な転換を促すため、調剤料や指導料の評価の仕組みの在り方について、引き続き検討していくこととしてはどうか。
いわゆる門前薬局の評価の見直しについて
大規模門前薬局の評価の適正化のため、以下のような取扱いとしてはどうか。
- 現行の処方箋受付回数と集中率による特例対象の要件については、次期改定以降、段階的に拡大することとしてはどうか。また、特例対象を除外するための24時間開局の要件は廃止してはどうか。
- 薬局の収益状況、医薬品の備蓄等の効率性も踏まえ、店舗数の多い薬局、特定の医療機関から処方せんを多く受け付けている薬局、特定の医療機関との関係性が深いとみなされる薬局について評価を見直すこととしてはどうか。
- 未妥結減算制度は、今後の妥結状況を検証することを前提に、制度を継続することとし、薬局の対象範囲を見直してはどうか。
- 調剤基本料の特例対象施設や未妥結減算対象施設が随時把握できるよう、施設基準として地方厚生(支)局へ届け出ることとしてはどうか。
- 前述の「かかりつけ薬剤師・薬局の評価」や「対人業務の評価の充実」のうち、かかりつけ機能に係る業務を一定期間行っていないと判断される薬局の評価についてどのように考えるか。
基準調剤加算に「かかりつけ薬局」の要件導入、調剤料は引き下げの方向 https://t.co/FuxyDZzswm #nikkeidi
— 日経DI (@nikkeidi) 2015, 12月 6
【ニュース】 中医協総会 “かかりつけ薬剤師”包括的な評価導入へ 大型門前、調剤料に… https://t.co/NY4WiZtJzj
— ミクス編集部 (@mixonlinejp) 2015, 12月 6
調剤報酬抜本改革の「覚悟を決めろ」
中医協 煮え切らない厚労省案に日医が喝破、先送りしたいのか via @risfax_iyaku https://t.co/lnr5Ra6bjw
— 医薬経済社 (@risfax_iyaku) 2015, 12月 6
門前薬局から、かかりつけ薬局・薬剤師への転換迫る。「対物から対人へ」「立地から機能へ」 https://t.co/v3Kxcvtc0k #m3com
— m3.com編集部 (@m3com_editors) 2015, 12月 4
かかりつけ薬剤師・薬局への移行推進に向け、かかりつけ薬剤師業務の包括評価、基準調剤加算の見直し、調剤基本料減額対象の拡大などを実施!
◆かかりつけ薬剤師の業務を包括的に評価する調剤版の「地域包括診療料」を新設―中医協総会
https://t.co/onHLYGh2VM
— メディ・ウォッチ (@medwatchjp) 2015, 12月 4
4日の中医協は調剤報酬を議論。中川委員(日医副会長)発言1。全ての薬局を一括して論じるのはなかなか難しい。大手4社の14年度の純利益の合計は139億円、内部留保の増加額120億円、配当26億円。こういう状態の株式会社が公的医療保険下に国民皆保険の中に併存しているのをどう考えるか。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
中川委員発言2。調剤報酬改定に際して2つの柱を提案したい。まず薬局の体制を評価している今の調剤報酬を抜本的に見直して、かかりつけ薬剤師を改めて評価する。2つ目は医科と整合性のない調剤報酬を是正する。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
中川委員発言3。薬局の体制を評価している基準調剤加算を抜本的に見直して真にかかりつけ薬剤師を評価する報酬を新設してはどうか。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
中川委員発言4。薬歴管理指導料はほぼ全てで算定されている。そもそも薬剤に関する情報提供はかかりつけ薬剤師の本来業務では。特段に評価する必要があるか。お薬手帳を通じた情報提供・指導は大前提としてかかりつけ薬剤師は患者の服薬情報を一元的継続的に管理した場合のみ評価するとしてはどうか。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
中川委員発言5。調剤という行為は薬局調剤と医科院内処方で同じであって調剤料格差は患者から見て非常に分かりにくいもの。調剤の自動化による効率化が進んでいるので投薬日数に応じた点数設定は時代遅れ。薬局の調剤料、一包化加算を含めて1調剤当たりの定額にしてはどうか。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
4日の中医協は調剤報酬を議論。幸野委員(健保連理事)発言1。調剤基本料の特例について「どういうところが減算の対象になっているのか。処方箋受付回数は少ないが、あえてチェーン薬局が切り分けて持っていて、集中率が高い部分に大きな魚がいっぱいいるのでは」
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
幸野委員発言2。基準調剤加算を取っているところが本当に患者の利点に立った薬剤業務をやっているのか疑問がある。本当にかかりつけ薬局としての機能を満たすような基準に厳格化していくことが大切。1と2を区別する必要があるのかについても検討の余地がある。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
中医協で安部委員(日薬常務理事)発言1。薬学的管理充実の観点から対人業務の取り組みや評価を調剤報酬の中でより充実させる方向に賛同。その場合でも医薬品取扱調剤業務の重要性は全く変わらない。対物業務と整理されている業務にマイナスの影響を及ぼさないような慎重な評価の在り方を考えるべき。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
安部委員発言2。対物業務と対人業務は、患者中心の医療を充実させることによって相対的に評価の比率が変わるという解釈でよいか?
「時間をかけながら丁寧にやっていきたい」と中井薬剤管理官。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
安部委員発言3。調剤日数と一包化加算の関係は、一定の評価は必要だが、処方日数の長期化等の影響を踏まえながら評価の在り方には検討の余地がある。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
安部委員発言4。薬歴管理指導料の2回目以降の点数について、かかりつけ薬剤師・薬局の評価とのバランスを考えながら患者本位の仕組みとしてご検討いただきたい。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
安部委員発言5。受付回数と集中率、店舗数、特定の医療機関の受付枚数、医療機関との関係性などが挙がっているが、医療部会・医療保険部会ではかかりつけ機能を発揮していない、いわゆる門前薬局の見直しが基本方針として示されており、方針に合っていることが必要。
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
4日の中医協で安部委員(日薬常務理事)は財政審建議に言及。「内容は極めて非現実的かつ乱暴なものと言わざるを得ない」「地域に密着した小規模薬局から消滅してしまい、地域における医薬品供給体制ひいては地域医療提供体制が崩壊してしまう」
— 国際医薬品情報 (@IPI_editors) 2015, 12月 4
12月4日 15:40更新 19:20更新 12月7日9:10更新
2015年12月04日 13:13 投稿
議事録出ました
【中医協 2015.12.04】
調剤報酬(その2)について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000112856.html
(資料)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000106118.pdf
議事録をみてもわかるように、ここでの議論が結果的に大体、今回の診療報酬改定に反映されています。是非ご一読下さい。
何かと物議となる医師会委員の発言ですが、議事録をよく読むと、下記のような同意できる意見もされているんですね。
中川委員:
「・・・・今の調剤報酬を、かかりつけ薬剤師の機能といいますか、かかりつけ薬剤師自体を評価する、むしろ零細薬局、1店舗、2店舗しかない薬局を守ろうという私の提案なのですが、どうもそれを御理解していただけないのは極めて残念です。」
(実際の方向性は真逆だと思いますね)
松本委員:
「スライド25の主治医機能の評価の中で、ちょっと小さくて見にくいのですが、健康管理のところに「敷地内禁煙等」という文字がございます。医療機関ではそのようなことを行っておりまして、健康管理に関連して、お酒とかたばこなどを販売する施設と併設していないことを調剤薬局にも基準として入れるべきではないかと思います。それをお願いしたい。」
(いったん案として出されて意義が出なかったのに、2月3日の中医協で外されました。どこからか圧力でもあったんですかね)