個別改定項目の要件案(1/27中医協)(Update3)

27日の中医協で、次回診療報酬改定の個別項目の算定要件案等が示されています。

第325回中央社会保険医療協議会 総会(2016年1月26日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000110251.html

個別改定項目について(下記表中のリンクはきれています)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110788.pdf

2月3日提示の個別改定項目の要件案(一部修正されています)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000111307.pdf

保険薬局の構造規制見直し等について(案)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110424.pdf

かかりつけ薬剤師指導料というが新設されるようです。(同意書が必要。要件もね…)

かかりつけ薬剤師指導料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf#page=90

[算定要件]
(1) 患者の同意の上、かかりつけ薬剤師として服薬指導等の業務を実施した場合に算定する。
(2) 患者の同意については、 患者が選択した保険薬剤師をかかりつけ薬剤師とすることの同意を得ることとし、当該患者の署名付きの同意書を作成した上で保管し、当該患者の薬剤服用歴にその旨を記載する。なお、患者の服用薬について、一元的・継続的な管理を推進する観点から患者1人に対して、1人の保険薬剤師のみがかかりつけ薬剤師として算定できる。
(3) 当該指導料は、患者の同意を得た後の次の来局時以降に算定可能とする。
(4) 当該指導料を算定する保険薬剤師は、 以下の要件を満たしている旨を地
方厚生局長等に届け出ていること。
① 薬剤師として◯年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週◯時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に◯年以上在籍していること。
②薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
③ 医療に係る地域活動の取組に参画していること。( 地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)
(5) 他の保険薬局及び保険医療機関においても、 患者が選択したかかりつけ薬剤師の情報を確認できるよう、手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称を記載すること。
(6) 患者に対する服薬指導等の業務はかかりつけ薬剤師が行うことを原則とする。かかりつけ薬剤師以外の保険薬剤師が服薬指導等を行った場合は当該指導料を算定できない。
(7) かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して、以下の業務を行っていること。
①薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施した上で患者の理解に応じた適切な服薬指導等を行うこと。
② 患者が服用中の薬剤等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、患者の意向を確認した上で手帳を用いて当該指導等の内容を記載すること。
③患者が受診している全ての保険医療機関の情報を把握し、服用している処方薬をはじめ、要指導医薬品及び一般用医薬品(以下「要指導医薬品等」という。)並びに健康食品等について全て把握するとともに、その内容を薬剤服用歴に記載すること。また、当該患者に対して、保険医療機関を受診する場合や他の保険薬局で調剤を受ける場合には、かかりつけ薬剤師を有している旨を明示するよう説明すること。
④患者から24時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝えるとともに、勤務表を作成して患者に渡すこと。ただし、やむを得ない事由により、かかりつけ薬剤師が開局時間外の問い合わせに応じることができない場合には、あらかじめ患者に対して当該薬局の別の薬剤師が開局時間外の相談等に対応する場合があることを説明するとともに、当該薬剤師の連絡先を患者に伝えることにより、別の薬剤師が対応しても差し支えない。
⑤ 患者が他の薬局で調剤を受けた場合は、その服用薬等の情報を入手し、薬剤服用歴の記録に記載すること。
⑥ 調剤後も患者の服薬状況の把握、指導等を行い、その内容を薬剤を処方した保険医にその内容を情報提供し、必要に応じて処方提案すること。服薬状況の把握の方法は、患者の容態や希望に応じて、定期的に連絡できるようにすること(電話による連絡、患家への訪問、患者の来局時など)。また、服薬期間中に服用中の薬剤に係る重要な情報を知ったときは、患者又はその家族等に対し当該情報を提供し、患者への指導等の内容及び情報提供した内容については薬剤服用歴の記録に記載すること。
⑦ 継続的な薬学的管理のため、患者に対して、服用中の薬剤等を保険薬局に持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋(いわゆるブラウンバッグ)を必要に応じて配布し、その取組の意義等を説明すること。また、患者が薬剤等を持参した場合は服用薬の整理等の薬学的管理を行うこととするが、必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を行うこと。
(8) 薬剤服用歴管理指導料、 かかりつけ薬剤師包括管理料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料(当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の投薬が行われた場合を除く。)と同時に算定できないこと。

さらに、このかかりつけ薬剤師の業務について、出来高によるこの評価に加えて、包括的な評価も新設するそうです

(新)かかりつけ薬剤師包括管理料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf#page=92

下記以外は包括とする。
(1)時間外等加算、夜間・休日等加算
(2)在宅医療に係る点数
(3)薬剤料
(4)特定保険医療材料料

[算定要件]
(1) 対象患者は地域包括診療料、地域包括診療加算等の算定対象患者とする。
(2) 患者の服薬状況等については、薬学的知見に基づき随時把握して、保険医に対して、その都度情報提供するとともに、必要に応じて減薬等の処方提案を実施すること。
なお、情報提供の要否、方法、頻度等については、あらかじめ保険医と相談して合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等によることで差し支えないこと。
(3)「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件の(1)~(7)を満たしていること。
(4) 薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料( 臨時の投薬が行われた場合を除く。)と同時に算定できないこと。

基準調剤加算については現行の1.2が統合され、下記の算定要件が追加・変更となります。

基準調剤加算を統合し、施設基準の要件を以下のとおりとする。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110788.pdf#page=92

(2/3中医協修正)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000111307.pdf#page=92

  • 患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っていること。
  • 患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する主な情報を提供していること。
  • 地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた開局時間となっていること。
  • 一定時間以上開局していること。
  • 十分な数の医薬品を備蓄していること。
  • 適切な薬学的管理及び服薬指導 ホ適切な薬学的管理及び服薬指導 を行うにつき必要な体制の情報を提供していること。
  • 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
  • 当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含んだ連携する近隣の保険薬局において、二十四時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制が整備されていること。
  • 在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、実績を有している こと。
  • 当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されていること。
  • 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制 が整備されていること。
  • かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料の施設基準の届出を行っていること。
  • 特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が○割を超える場合であって、当該保険薬局に おいて調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した薬剤の使用薬剤の薬価( 薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量(以下「規格単位数量」 という。) に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が○割以上であること。

※「一定時間以上開局している」基準として、通知において、「平日は1日◯時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週◯時間以上開局していること」を規定する。
※「十分な医薬品を備蓄している」基準として、通知において、「◯品目以上」を規定する。
※ 「体制及び機能の整備」として、通知において、現行で例示や努力規定とされていた「医薬品医療機器情報配信サービス(PM DAメディナビ)の登録」、「患者のプライバシーに配慮した構造」を要件とし、「管理薬剤師は◯年以上の薬局勤務経験があり、同一の保険薬局に週◯時間以上勤務しているとともに、当該保険薬局に◯ 年以上在籍していること」、「 健康相談又は健康教室を行っている旨の薬局内掲示」、「 敷地内は禁煙であること」、「 同一施設内での酒類、たばこの販売禁止」を新たに要件として義務付ける。

薬剤服用歴管理指導料は、下記の2段階となります。

薬剤服用歴管理指導料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf#page=284

  1. 原則過去6月内に処方せんを持参した患者に対して行った場○点
  2. 1の患者以外の患者に対して行った場合○点

分割調剤については、下記の要件が加わります(医師の指示が必要だって)

医師の指示に伴う分割調剤の実施
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf#page=288

  • 長期保存が困難な場合や後発医薬品を初めて使用する場合以外であっても、患者の服薬管理が困難である等の理由により、医師が処方時に指示した場合には、薬局で分割調剤を実施する。
  • その際、処方医は、処方せんの備考欄に分割日数及び分割回数を記載する。
  • また、分割調剤を行った薬局は、2回目以降の調剤時は患者の服薬状況等を確認し、処方医に対して情報提供を行う。

これに伴い処方箋の様式も変更になります。

新たな処方せん様式の案
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf#page=352

いわゆる大型門前薬局等に対する変更は下記のような案が示されています。極めつけは、一番最後の赤字の部分です。

いわゆる門前薬局の評価の見直し
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110423.pdf#page=353

1.現行の調剤基本料の特例について、以下の項目を追加する。
(1)処方せんの受付回数が1月に○回を超える保険薬局のうち、特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が○%を超える保険薬局。
(2)特定の保険医療機関に係る処方せんの受付が1月に○回を超える保険薬局。
2.同一法人グループ内の処方せん受付回数の合計が、1月に○回を超える法人グループに属する保険薬局のうち、以下の保険薬局については、調剤基本料を○点とする。
(1)特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が○%を超える保険薬局。
(2) 特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係のある保険薬局。
3.特例の対象となった保険薬局であっても、かかりつけ薬剤師としての業務を一定以上行っている場合には特例の対象から除外する。これに伴い、 現在の特例対象を除外するための 24時間開局の要件は廃止する。
4.薬局における妥結状況の推移等を踏まえ、2.の法人グループに属する保険薬局以外の保険薬局については、妥結率の報告は、添付資料として契約書の写し等を提出することを不要とし、簡素化する。
5.調剤基本料として算定する点数が随時把握できるように、算定する基本料の点数を施設基準の内容に含め、地方厚生(支)局へ届け出ることとする。
6.かかりつけ機能に係る業務として、かかりつけ薬剤師指導料、かかり薬剤師包括管理料、重複投薬・ 相互作用防止等加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料等を○ 月算定していない保険薬局は調剤基本料を○/ 100 に減算する。ただし、処方せんの受付回数が1月に○回以下の保険薬局を除く。(経過措置あり)

他にもたくさんの変更追加がありますが、とりあえず重要な部分を書きだしました。余裕があれば、順次追加します。

2月3日12:20更新


2016年01月27日 09:59 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    かかりつけ薬剤師で検索するといろいろなツイートありますね。危惧する声も少なくないですね。

    ツイッター
    https://twitter.com/search?f=tweets&vertical=default&q=%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%A4%E3%81%91%E8%96%AC%E5%89%A4%E5%B8%AB%20lang%3Aja

    かかりつけ医がいる医院は個人が多いけど、かかりつけ薬剤師といっても勤務の方が少なくないですよね。

    ツイートにもあるけど、おそらく大手~中堅のチェーンは算定を進めていくでしょうから、現場にしわ寄せが来ないか心配ですね。

    逆にこういう意見も

    在宅を積極的に行う会社に勤務する人は覚悟しなさいということでしょうか。

    一方、期待されている、OTCの供給なんか、これではまあ余裕がないでしょうね。

    理想としては認めるけど、調剤実務と薬歴にとられる時間は少なくない状況で、一部の声に押されて点数化することが果たしていいのかはこれからの評価を待たなければいけないですね。

    最後にこういうコメントも

  2. アポネット 小嶋

    記事中のリンク先が変更になっています(どうしてすぐに変えるんだろう)

    1月27日提示の個別改定項目の要件案
    http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000110788.pdf

    2月3日の中医協で一部修正されています。(よく見ないとわからない)

    2月3日提示の個別改定項目の要件案
    http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000111307.pdf

    行きすぎではないと思うな。米国ではたばこの販売を止めるドラッグストアが出ているというのに・・・