スイッチOTCの候補成分の要望の募集が開始(厚労省)

 厚労省は8月5日、セルフメディケーションの推進に向け、スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望を受け付けを行うページを開設しました

スイッチOTC医薬品の候補となる成分の要望募集について
(厚労省 医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 2016.08.05)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000127534.html

 今回の募集は、スイッチ成分の要望を専門家だけでなく、消費者を含めてすべての人から受け付け、新たに立ち上げた下記の検討会で候補を決め、これを企業が開発するという仕組みに改められたことに伴うものです。

医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=346305

 募集対象は、「学会、団体、企業」と「一般消費者(個人)」で、要望書がそれぞれ分かれています。

 要望の様式については、第1回の転用に関する検討会で示された案は当初、個人・団体、学会共に共通のものでした。

スイッチOTC医薬品候補成分の要望様式(案)
(第1回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000126353_8.pdf

 しかし、委員から「一般の人には、何を治す薬がスイッチOTCであったらいいかというところをたずねる方がよい」といった意見(日本女性薬剤師会副会長)などが出されたことから、個人用は別の様式が作られたようです。

 となると、現場の私たちは(一般消費者(個人)用)で要望するしかないのでしょうか? 個人用では、あくまで「薬局や薬店で購入したい」という視点であり、「処方箋なしでも販売できるようにしたい」といった現場での必要性や、海外でのスイッチ状況(海外での承認・販売状況)を元にスイッチを要望することは難しくなっています。(海外事情を知っている一般個人の方もたくさんいるはずです)

 つまり、現場の薬剤師の要望は、製薬企業か薬剤師会などの職能団体、もしくはOTC医薬品協会などの関連団体を通じてしか、要望ができないということになってしまいそうです。せめて、「学会、団体、企業、専門職(個人)用」として欲しかったです。

 日薬が意見集約して要望を出すということはまず考えにくいので、現場の薬剤師は、一般消費者になりすまして意見を要望するしかできないかもしれません。現時点では現場の薬剤師にとっては、残念なスキームになってしまいました。

第1回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議
(厚労省 2016.04.13 開催 )
 資 料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000126439.html
 議事録:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000127980.html

関連情報:TOPICS
 2016.06.21 セルフメディケーション税制とスイッチOTC
 2016.05.05 海外におけるスイッチOTCの状況(2016)
 2015.05.30 現場・生活者のニーズも~スイッチ化の新たなスキーム
 2015.05.24 一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向に関する研究


2016年08月06日 00:08 投稿

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