厚労省は19日(平成27年度のレセプト情報と平成26年度の特定健診情報を集計したデータなどを公表しています。
第2回NDBオープンデータ(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221.html
このデータは、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と呼ばれるもので、2011年度からは、医療費適正化計画策定に資する目的以外でのデータの利用も認められてきました。
私達にとって興味あるところは「薬剤」についてですが、今回も、医科入院/入院外レセプト、DPCレセプト、調剤レセプトの情報を元に「内服」、「外用」、「注射」の剤形別に、「都道府県別」及び「性・年齢別」の集計を行っています。
薬効分類3桁毎に処方数量の多い薬剤を公表し、第2回NDBオープンデータでは表示薬剤数を第1回の上位30品目から上位100品目まで拡大しているが特徴です。(H27.4~H28.3診療分)
データは下記のようにエクセルファイルとしてまとめられています。(厚労省サイトにリンク)
- 内服薬・外来(院外)_性年齢別薬効分類別数量[1,860KB]
- 内服薬・外来(院外)_都道府県別薬効分類別数量[2,210KB]
- 内服薬・外来(院内)_性年齢別薬効分類別数量[1,761KB]
- 内服薬・外来(院内)_都道府県別薬効分類別数量[2,050KB]
- 内服薬・入院_性年齢別薬効分類別数量[1,557KB]
- 内服薬・入院_都道府県別薬効分類別数量[1,808KB]
- 外用薬・性年齢別薬効分類別数量[1,387KB]
- 外用薬・都道府県別薬効分類別数量[1,515KB]
- 注射薬・性年齢別薬効分類別数量[2,128KB]
- 注射薬・都道府県別薬効分類別数量[2,399KB]
注目は第1回との比較ですが、最近話題になっている、へパリン類似物質製剤(ヒルドイド)を前年(H26.4~H27.3診療分)と比べたところ次のような結果となりました。
第1回NDBオープンデータ(厚労省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html
血管凝固阻止剤上位7位(外用・院外処方)
- ヒルドイドソフト軟膏 +8.52%
- ヒルドイドローション +18.37%(40代女性では +26%)
- ビーソフテンローション +24.61%(50-54歳女性では +35%)
- ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」 +41.38%
(ビーソフテン油性クリーム) - ビーソフテンクリーム +5.03%
- ヘパリン類似物質外用スプレー「日医工」 +16.74%
(ビーソフテン外用スプレー) - ヒルドイドクリーム +3.93%
漢方薬も調べてみました
漢方製剤上位10位(いずれもツムラ・院外処方)
- 大建中湯 +5.08%
- 芍薬甘草湯 +7.73%
- 抑肝散 +7.02%
- 六君子湯 +2.53%
- 葛根湯 +11.16%
- 牛車腎気丸 +3.47%
- 補中益気湯 +2.74%
- 加味逍遙散 +6.82%
- 防風通聖散 +0.35%
- 麦門冬湯 +9.09%
PLやモーラステープは、調べたところそれほどの増減はないという印象ですので、へパリン類似物質製剤の伸びというのは突出しているかもしれません。また漢方薬も、抑肝散の伸びに比して、芍薬甘草湯や葛根湯の伸びは目にとまります。
公表時期は、遅いという指摘もあるようですが、こういう時期にこういう結果を示されると、来年の診療報酬改定に向けて、OTC類似薬の保険適用の問題に及ぶ可能性もあります。
関連情報:TOPICS
2016.10.12 第1回NDBオープンデータ・薬剤データ(厚労省)
2017年09月20日 01:35 投稿