24日の中医協で、次回診療報酬改定の個別項目の算定要件案等が示されています。
第386回中央社会保険医療協議会 総会(2018年1月24日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000191961.html
個別改定項目(その1)について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf
今日からの議論を経て、若干の要件の変更追加があるかもしれませんが、おおよそ今回の案で決まると思われます。実際の配点は2月に入ってからになります。
基準調剤加算を廃止し「地域支援体制加算」新設 https://t.co/9zUN2PROii #nikkeidi
— 日経DI (@nikkeidi) 2018年1月24日
調剤関連の部分について、順次書き出しておきます
まず注目の廃止となる、基準調剤加算に代わり、地域支援体制加算が設定されました。
ただ、1年間の常勤薬剤師1人当たりの実績が設定されるため、改定直後からの算定は相当困難ではないかと思います。(但し、調剤基本料1を算定していれば、(2)から(12)をクリアすればよいと解釈できます)
地域医療に貢献する薬局の評価(地域支援体制加算:新設)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf#page=79
- 夜間・休日対応や医療機関等への服薬情報提供の実績など、地域に貢 献する一定の実績があること等を前提として、地域支援に積極的に貢献 するための一定の体制を整備している薬局を評価する。
- 施設基準において、一定時間以上の開局や医薬品の備蓄品目数等に加 えて、薬物療法の安全性向上に資する事例の報告や副作用報告体制の整 備を要件とする。併せて、基準調剤加算を廃止する。
[施設基準]
(1) 地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績があること。
地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績の基準 1年に常勤薬剤師1人当たり、以下の全ての実績を有すること。
- 夜間・休日等の対応実績 ○回
- 重複投薬・相互作用等防止加算等の実績 ○回
- 服用薬剤調整支援料の実績 ○回
- 単一建物診療患者が 1 人の場合の在宅薬剤管理の実績 ○回
- 服薬情報等提供料の実績 ○回
- 麻薬指導管理加算の実績 ○回
- かかりつけ薬剤師指導料等の実績 ○回
- 外来服薬支援料の実績 ○回
(2) 患者ごとに、適切な薬学的管理を行い、かつ、服薬指導を行っていること。
(3) 患者の求めに応じて、投薬に係る薬剤に関する情報を提供していること
(4) 一定時間以上開局していること。
(5) 十分な数の医薬品を備蓄していること。
(6) 適切な薬学的管理及び服薬指導を行うにつき必要な体制及び機能が整備されており、患者に対し在宅に係る当該薬局の体制の情報を提供している こと。
(7) 当該保険薬局のみ又は当該保険薬局を含む連携する近隣の保険薬局において、24 時間調剤並びに在宅患者に対する薬学的管理及び服薬指導を行う につき必要な体制が整備されていること。
(8) 当該地域において、在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの連携体制が整備されていること。
(9) 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制が整備されていること。
(10) 当該保険薬局以外の医療従事者等に対し、医薬品に係る医療安全に資する情報の共有を行うにつき必要な体制が整備され、一定の実績を有していること。
(11) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が○割を超える場合にあっては、当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位 数量の割合が○割以上であること。
(12) 区分番号 00 の1に掲げる調剤基本料1を算定している保険薬局については、下記の基準を全て満たすこととし、(1)を適用しない。
① 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第三条の規定 による麻薬小売業者の免許を受けていること。
② 在宅患者に対する薬学的管理及び指導について、実績を有していること。
③ かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること。
後発医薬品調剤体制加算は現行の2段階から3段階(具体的割合はまだ提示されていない)になる一方、調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定が設定されました
薬局における後発医薬品の使用促進
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf#page=447
- 後発医薬品調剤体制加算について、後発品の調剤数量割合の基準を引 き上げ、調剤数量に応じた評価に見直す。
- 後発医薬品の調剤数量割合が著しく低い薬局に対する調剤基本料の減算規定を設ける。
- 後発医薬品調剤体制加算1 ○%以上
- 後発医薬品調剤体制加算2 ○%以上
- 後発医薬品調剤体制加算3 ○%以上
【調剤基本料】
注6 後発医薬品の調剤に関して、別に厚生労働大臣が定める薬局において調剤した場合には、所定点数から○点を減算する。ただし、処方箋の受付回数が1月に○回以下の保険薬局を除く。
[施設基準]
調剤基本料の注6に規定する厚生労働大臣が定める保険薬局
次のいずれかに該当する保険薬局であること。
(1) 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品 及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の 規格単位数量の割合が○割以下であること。ただし、当該保険薬 局における処方箋受付状況を踏まえ、やむを得ないものは除く。
(2) (1)に係る報告を地方厚生局長 等に報告していない保険薬局であること。
医療機関と連携して、医薬品の適正使用に係る取組として、服用薬剤調整支援料が新たに設定される一方、適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない場合の薬剤服用歴管理指導料の区分が新設されます。(詳しい要件は現時点では不明)
薬局における対人業務の評価の充実
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf#page=367
1.薬剤総合評価調整管理料を算定する医療機関と連携して、医薬品の適 正使用に係る取組を調剤報酬において評価する。
服用薬剤調整支援料 ○点(新設)
[算定要件]
6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が○ 種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。
2.適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局に対する薬剤服用歴管理指導料の区分を新設する。
「6月以内に再度処方箋を持参した患者のうち、手帳を持参した 患者の割合が○割以下」等の基準を設ける。
3.継続的な薬学的管理・指導等を推進するため、薬剤服用歴の記録に次回の服薬指導の計画を追加するとともに、かかりつけ薬剤師指導料、薬剤服用歴管理指導料等について評価を見直す。これに併せて、乳幼児に 対する当該加算の評価を充実する。
4.重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅重複投薬・相互作用等防止管理料について、残薬調整に係るもの以外の評価を見直す。
5.服薬情報等提供料について、保険医療機関の求めがあった場合の評価を見直す。
- 保険医療機関の求めがあった場合
- 患者又はその家 族等の求めがあった場合又は薬剤師がその必要性を認めた場合
6.かかりつけ薬剤師による在宅対応を推進するため、無菌製剤室の共同 利用などの評価を見直す。
7.対物業務から対人業務への構造的な転換を進めるため、内服薬の調剤料を見直す。
分割調剤推進のため、処方箋様式が見直され、処方箋の右上に「分割指示に係る処方箋 分割の 枚目」という文言が加わります。(→新様式(案)リンク)、
処方料等及び処方箋様式の見直し
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf#page=464
外来機能の役割分担の推進及び分割調剤に係る医師の指示や分割調剤 を行った際の手続きの明確化・合理化を図る観点から、処方に係る加算 及び処方箋の様式を見直す。医療機関と薬局の連携による医薬品の適正使用を推進するため、残薬に係る疑義照会の取扱いを明確にする。
1.外来機能の役割分担と医薬品の適正使用を進める観点から、処方日数 に係る加算を見直す。
2.分割調剤の手続きの明確化・合理化を図る観点から、分割調剤に係る 処方せん様式を追加するとともに、具体的な取扱いを明確にする。
[分割調剤に係る留意事項]
- 分割指示に係る処方せんを発行する場合、分割の回数は3回までとする こと。
- 分割指示に係る処方せんを発行した場合は、患者に対し、調剤を受ける度に、記載された回数に応じた処方せん及び別紙(→リンク)を保険薬局に提出するよ う指導すること。
- 保険薬局の保険薬剤師は、分割指示に係る処方せんの交付を受けた患者 に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
- 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により調剤の状況 を確認すること。患者が別の保険薬局にて調剤を受けることを申し出ている場合は、当該保険薬局に調剤の状況とともに必要な情報を予め提供する こと。
- 受付保険薬局情報において、1枚目の処方せんが処方せんの使用期間内に受け付けられたことが確認できない場合は、当該処方せんは無効とすること。
3.あらかじめ医療機関と薬局で合意した方法により、残薬調整に係る疑義照会の取扱いを明確にする。
調剤基本料については、大型チェーンや敷地内薬局には厳しいものになりそうです。調剤基本料2の1月2000回というのは維持されるようです。集中率が何割になるかが最大の注目です。(現行は9割これが・・・)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf#page=4701.現行の処方箋受付回数及び特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤割合に基づく調剤基本料の特例対象範囲について以下のとおり拡大する。
- 調剤基本料3について、特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合の基準を引き下げる。
- 調剤基本料3について、グループ全体の処方箋受付回数が多い、特に大型の門前薬局の評価をさらに適正化する。
- 調剤基本料2について、処方箋の受付回数が 2,000 回を超える保険薬局における特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合の基準を引き下げる。
- 調剤基本料2について、以下の場合を追加する。
① 当該保険薬局の所在する建物内に複数保険医療機関が所在する場合にあっては、当該保険医療機関からの処方箋を全て合算した回数が一定数を超える場合。
② 同一グループに属する他の保険薬局において、保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が最も高い保険医療機関が同一の場合は、当該他の保険薬局の処方箋を含めた受付回数が一定数を超える場合。 - 特定の医療機関との不動産取引の関係がある等のいわゆる同一敷地内薬局に対する評価を見直す。
改定案(要件の詳細はリンク先を参考にして下さい)
【調剤基本料】
- 調剤基本料1 ○点
- 調剤基本料2 ○点
- 調剤基本料3
イ .同一グループの保険薬局による処方箋受付回数○回超○回以下の場合 ○点
ロ .同一グループの保険薬局による処方箋受付回数○回超の場合 ○点
2.保険薬局の調剤基本料について、簡素化も考慮し、未妥結減算及び薬 剤師のかかりつけ機能に係る業務を実施していない場合の減算を統合す る。
1月24日 15:25更新
2018年01月24日 12:57 投稿
1月31日の中医協で、1月19日に開催された公聴会の概要とパブリックコメントの概要が報告されています。
第388回中央社会保険医療協議会 総会
(厚労省2018年1月31日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192796.html
中央社会保険医療協議会総会(公聴会)の概要
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000192804.pdf
「平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点の骨子)」
に関するご意見の募集の結果について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000192803.pdf
薬剤師からは81件の報告があったようです。いくつか意見を紹介しておきます。