厚労省は28日、第3回NDBオープンデータ・(平成28年度のレセプト情報と平成27年度の特定健診情報を集計したデータなどを公表しています。
第3回NDBオープンデータ(厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221_00002.html
このデータは、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と呼ばれるもので、2011年度からは、医療費適正化計画策定に資する目的以外でのデータの利用も認められてきました。
私たちに関係ある項目の「薬剤」についてですが、「内服」、 「外用」、 「注射」それぞれにつき、「外来院内」、「外来院外」、「入院」 ごとに、薬価収載の基準単位に基づき、薬効分類別に処方数の上位100位の集計を行っています。(H28.4~H29.3診療分)
データは下記のようにエクセルファイルとしてまとめられています。(厚労省サイトにリンク)
内服薬
◾外来(院外) 性年齢別薬効分類別数量[1,845KB]
◾外来(院外) 都道府県別薬効分類別数量[2,096KB]
◾外来(院内) 性年齢別薬効分類別数量[1,748KB]
◾外来(院内) 都道府県別薬効分類別数量[1,912KB]
◾入院 性年齢別薬効分類別数量[1,554KB]
◾入院 都道府県別薬効分類別数量[1,703KB]
外用薬
◾性年齢別薬効分類別数量[1,347KB]
◾都道府県別薬効分類別数量[1,429KB]
注射薬
◾性年齢別薬効分類別数量[2,253KB]
◾都道府県別薬効分類別数量[2,396KB]
このデータにより、年間売上高の推計の他、一般に処方されている薬の把握(特にGEの処方傾向)が把握できますので、是非一度は目を通してみて下さい。
外来(院外)の内服については、前回との比較をいくつか調べてみました。
漢方処方TOP10は前回と同じ
多くの処方で前回より数量が増えている大建中湯
芍薬甘草湯
抑肝散
葛根湯
六君子湯
牛車腎気丸
補中益気湯
加味逍遙散
麦門冬湯
防風通聖散— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) 2018年8月28日
抗生剤「主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの」は、第3世代セフェムを中心に処方数量は減少
一方で、オーグメンチン、ケフラール、ケフレックスなどは数量を伸ばしている
— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) 2018年8月28日
合成抗菌剤(ニューキノロン)の処方数量上位5位は下記の通り
GEを合算すると成分別処方数量は横ばいの感ジェニナック錠
グレースビット錠
オゼックス錠150
クラビット錠500
レボフロキサシン錠500「DSEP」— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) 2018年8月28日
タミフルカプセルは、前回調査より23%増
インフルエンザが流行したんだっけ?— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) 2018年8月28日
ピロリ菌除菌は、ランサップからボノサップパックに大きくシフト
しかも72%の処方増— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) 2018年8月28日
外用についても、比較を試みたのですが、前回と桁がひと桁?違うものが続出していたので、比較はしませんでした。(もしかすると、単位を10gと1gを取り違えたのかもしれないけど、貼り薬とかは、説明がつかない)
なお、前回との比較についてはこういう指摘もありますので、記しておきます
NDBオープンデータでは、ほとんどの場合、薬剤クラス別の用量を経年的にみるのは困難、という限界があります。
— 奥村泰之 (@yachu93) 2018年8月28日
関連情報:TOPICS
2017.09.20 第2回NDBオープンデータ・薬剤データ(厚労省)
2016.10.02 第1回NDBオープンデータ・薬剤データ(厚労省)
2018年08月29日 13:42 投稿