2019年1月から個人輸入が制限されるスマートドラッグ

TOPICS 2018.01.24 で紹介しましたが、「集中力を高める」や「頭がスッキリする」など、脳の機能等を高めることを標ぼうして海外で販売されている医薬品等の製品(いわゆる「スマートドラッグ」)について、厚労省では原則として予め薬監証明の交付を受けない限り一般の個人による輸入は認めない方針を決め、11月26日付けで、通知を発出しました。

脳機能の向上等を標ぼうする医薬品等を個人輸入する場合の取扱いについて
(平成30年11月26日薬生監麻発1126第3号)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000180687

下記が今回規制の対象となったのは下記25成分で、薬物依存等に関する研究を行っている団体の専門家の意見や厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会において検討した結果、医師や薬剤師等の専門家が関与せずに安易に使用することによって健康被害や乱用につながるおそれが高いとまとめられたものです。(パブコメ段階では、27成分でしたが、臨床試験で、依存性や重篤な神経系症状のリスクの増大が認められていないとしてイデベノン、シチコリンの2成分は対象から除外に)

【e-Gov】
「医師や薬剤師等の専門家が関与せずに使用した場合に健康被害や乱用につながるおそれが高い医薬品等を個人輸入する際には、医師の処方せんや指示を要することについての意見募集」い対して寄せられた御意見等について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170283&Mode=2

寄せられた意見は46件。飲みたいという人は少なくないようです。

パブリックコメントで寄せられたご意見への回答
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000180684

これにより、平成31 年1月1日から、下記成分を含む、海外で販売されている医薬品や食品等については、海外からの入国者が国内滞在中の自己の治療のために携帯して輸入する場合を除いて、数量に関わらず、あらかじめ薬監証明の交付を受けない限り、一般の個人による輸入は認めないことになりました。

和名 英名 国内製品 備考
アテノロール Atenolol テノーミン 医薬品成分(心臓選択性β遮断剤)である。
アトモキセチン Atomoxetine ストラテラ ADHD治療薬の一つである。
アドラフィニル Adrafinil 主要代謝物のモダフィニルは医薬品(ナルコレプシー治療剤「モディオダール」)として使用されている。
アニラセタム Aniracetam (旧)ドラガノン 国内で医薬品(脳代謝改善薬)として使用されていた成分である。
エチラセタム Etiracetam 国内で医薬品として販売されているレベチラセタム( 販売名「イーケプラ錠」)のラセミ体である。
オキシラセタム Oxiracetam ラセタム系化合物の一種であり、ピラセタムに類似した作用が予想される。
ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩 Dihydroergotoxine Mesilate (旧)ヒデルギン
バソラックス
国内で医薬品成分(循環改善薬)として使用されていた成分である。
ソマトロピン(遺伝子組換え) Somatropin(Genetical Recombination) グロウジェクト皮下注 医薬品成分(ヒト成長ホルモン製剤)である。
タンニン酸バソプレシン Vasopressin Tannate バソプレシンは国内で医薬品(脳下垂体後葉ホルモン剤「ピトレシン注射液」)として使用されている。
チアネプチン Tianeptine 海外で医薬品(抗うつ薬)として販売されている。
デスモプレシン酢酸塩水和物 Desmopressin Acetate Hydrate ミニリンメルト 医薬品成分(抗利尿ホルモン用剤)である。
デヒドロエピアンドロステロン (略称)DHEA プロゲステロンやテストステロンなどの生成に関わるプロホルモンであり、長期服用による生体への影響が大きいと考えられる。
ナドロール Nadolol ナディック 医薬品成分(β受容体遮断薬)である。
ニセルゴリン Nicergoline サアミオン 医薬品成分(脳循環・代謝改善剤)である。
ニモジピン Nimodipine 海外で医薬品( カルシウムチャネル遮断薬)として販売されている。
ネフィラセタム Nefiracetam ラセタム系化合物の一種であり、ピラセタムに類似した作用が予想される。
ビンポセチン Vinpocetine (旧)カラン 国内で医薬品(脳循環改善薬)として使用されていた成分である。
ピラセタム Piracetam ミオカーム内服液 海外で主に流通しているのはカプセル剤である。
国内の内服液(医薬品)は一部のてんかん患者における不随意運動の治療に用いられている。
フロセミド Furosemide ラシックス 医薬品成分(利尿降圧剤)である。
ブロモクリプチンメシル酸塩 Bromocriptine Mesilate パーロデル 医薬品成分(持続性ドパミン作動薬)である。
プラミラセタム Pramiracetam ラセタム系化合物の一種であり、ピラセタムに類似した作用が予想される。
プレグネノロン Pregnenolone DHEA(前記)の前駆体であり、プロホルモンである。長期服用による生体への影響が大きいと考えられる。
プロカイン塩酸塩(外用剤を除く。) Procaine Hydrochloride 塩酸プロカイン『ホエイ』他 医薬品成分(局所麻酔剤)である。
国内では、プロカイン塩酸塩を含有する外用剤が一般用医薬品として承認されている。
プロプラノロール塩酸塩 Propranolol Hydrochloride インデラル 医薬品成分(交感神経β受容体遮断薬)である。
レベチラセタム Levetiracetam イーケプラ錠 抗てんかん薬の一つである。

関連情報:TOPICS
2018.01.24 スマートドラッグとして、今後規制の対象となる品目


2018年12月13日 12:04 投稿

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