余計なことを書いてと怒られそうと思って記事にすることをためらっていましたが。そうもいっていられなくなりました。
一大国家プロジェクトになりつつある、新型コロナウイルスワクチン接種スキームに、薬剤師は無縁ではないということです。
ツイッターを見ていたところ次のツイートが目にとまりました(ツイート引用失礼します)
とうとうお涙頂戴書類が郵送されてきて、腹抱えてて笑うしかないわ。
いや、自信がないから参加しないのではなくて、ボランティアが嫌なのよ。
この医療現場の疲弊を前にして、よくもまぁ未だに無償でかき集めようとするわな(クソデカため息) pic.twitter.com/wTbbmVZb7N— カズラ (@kazura_cheese) January 26, 2021
発信元は宇都宮市薬剤師会らしく、集団でのワクチン接種においてワクチンを希釈する作業があって、そこに薬剤師が人員として組み込まれているので、協力のために準備態勢を整えようということでした。
そうです。海外で報道されているように、まず日本に入ってくるファイザー製のワクチンは、1バイアルから5~6回分をとって接種するのです。
下記自治体向けの資料に詳しい資料があります。
第1回新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に関する自治体向け説明会
(厚労省 2020.12.18 開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15608.html
各ワクチンの取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000707431.pdf
第2回新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に関する自治体向け説明会
(厚労省 2021.01.25 開催)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16252.html
各ワクチンの取扱いについて(ファイザー➁)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000726454.pdf
(ファイザー新型コロナウイルスワクチン医療従事者専用サイトへのリンクあり)
上記資料から抜粋したもの
この希釈する作業に薬剤師が人員が必要になるということです。
そんななか次のツイートが目にとまりました
今日はファイザーワクチンの希釈研修に行くで — ☫кептагоп™Я☫ (@kentaron1971) January 27, 2021
そこで、この方に直接研修の様子について伺いました。
第15回ツイキャス・トーク(新型コロナワクチンの希釈研修について聞いてみよう)
https://twitcasting.tv/kojima_aponet/movie/664325183
第15回 ツイキャス・トークに参加して頂いてありがとうございました。 https://t.co/HlUUzwLu5V
— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) January 29, 2021
行われた研修は、ワクチン(ビタメジンで代用)を生理食塩水で溶解して、6本のシリンジに分けとるという手技の実習だったそうです。
今回のスキームについて、今回の薬剤師配置の根拠となることが下記手引きに次のように明記されています。
新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に係る手引き(第1.1版)(p18-19)
https://www.mhlw.go.jp/content/000721693.pdf
従事者の確保: 従来医療機関でなかった場所で行う予防接種においては、多くの医療従事者等が必要であることから、市町村は、郡市区医師会等の協力を得てその確保を図ること。 接種方法や会場の数、開設時間の設定により、必要な医師数や期間が異なることから、地域の実情に合わせて、必要な医療従事者数を算定すること。 具体的な医療従事者等の数の例として、 |
人口が多い自治体での集団接種となると、県職員の薬剤師だけではおそらく人員が足らなくなると思います。 そうなると、他の地域でもこういった呼びかけが行われるのかもしれませんね。 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に係る手引き(第1.1版)(p18-19)https://t.co/Sxmty35nIb pic.twitter.com/drgMPRpDzu — 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) January 27, 2021
つまりすでに、人員の配置が想定されているのです。
さらに、先進的な取り組み事例についての事務連絡が行われており、地域によっては協力要請は不可避と言えるでしょう
新型コロナウイルスワクチンに係る予防接種実施計画の先進的な取組事例について
(厚生労働省健康局健康課予防接種室 2021.01.29)
https://www.mhlw.go.jp/content/000731982.pdf
こちらは、S市の対策本部が想定したもの。
薬剤管理として、薬剤師の配置を検討
おそらく薬剤師会を通じて人員の要請があるでしょう pic.twitter.com/ZCOIGrGAtF— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) January 30, 2021
一応、日薬はこういった状況について都道府県の地域薬剤師会に通知を行っていますが、具体的な対応は示さず、いわば地域に丸投げの状態です。
すでに1月25日の時点で「至急・重要」として日薬から都道府県薬に協力依頼が出ているようです。何も出てこないのは、地方薬剤師会の問題かもしれません。
— イケアキ @制度・政策から医療を支えたい (@AkitoIkeshita) January 28, 2021
新型コロナウイルス感染症に係る予防接種実施体制への協力について(お願い)
(日本薬剤師会 令和3年1月25日、掲載はもとす薬剤師会HP)
https://www.motosu-yaku.jp/wp-content/uploads/kai030128.pdf
ツイッター上で確認していますが、大阪府や埼玉県の一部で会員への協力要請がすでに出ています。
考えてみれば、英国や米国の地域薬局の薬剤師たちは、規模は違うもものこれらのスキームを自前で全てやっているということです。
日本でも「インフルエンザワクチンを地域薬局でできるようにしよう」という声がありますが、将来の職能拡大ということを念頭に、まずはこういったことに少しでも協力することが必要ではないでしょうか。
そのためにも、日本薬剤師会は取り組み姿勢を社会に明確にして、会社と社会に理解を求めることが必要だと思っています。(地元でももし声がかかったら避けては通れない)
気持ちはわかります
確かに協力が難しい人もいる
地域薬剤師会の役員だけの訴えだけでは困惑するよな
日薬が全会員に直接事情を説明しないと
地域薬剤師会に丸投げではわからないでしょ
将来の薬局でのインフルエンザワクチン接種につながる機会なのにhttps://t.co/6ndmYDyDnE
— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) January 29, 2021
仰るとおりです。
そのためにも、日本薬剤師会は取り組み姿勢を明確にして、会社と社会に理解を求めることが必要です。
— 小嶋 慎二@アポネット (@kojima_aponet) January 31, 2021
2021年01月31日 13:12 投稿
ツイキャスではお世話になりました。
今回の宇都宮市薬剤師会主催のワクチン希釈研修会では、各5~6名のグループ別のテーブルに分かれて、実際の希釈手技を練習しました。
日ごろ無菌調剤をされている保険薬局薬剤師の方の指導の下、実際のワクチン希釈を模擬実習しました。
研修会後には実習で使用したシリンジなどを自宅に持ち帰り、各自練習できるような態勢を取らせていただけました。
また、手技に自信が持てるまでの間は何回でも研修に参加できるということでした。
m3サイトでも、様々な意見が出ています。 注射をすることよりも、薬剤(ワクチン)の製剤(回答・希釈・分注)を実施する最適任者として登場することが、だいいちでは?
欧米では、インフルエンザワクチンを始め、多年にわたる実績があって、今般の緊急事態でのCOVIDワクチン接種にも薬局と薬剤師(及び薬局助手)の動員が為されていると理解されます。
ぜひ一読して下さい。
緊急事態下、新型コロナワクチンの集団接種で医師、看護師がそれぞれ自分たちにしかできないことを優先できるようにするためには何ができるか、古川裕之さんが具体的な提言をされています。
【日経DI 2021.02.04】
ワクチン集団接種で薬剤師が協力できること
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/furukawa/202102/568961.html
本来は日薬はこういったことも含めて下部組織に指示を出すべきです。
イメージがわかなかった薬剤師への期待を、わずか10日で具体化してここまで準備をされた かぼす(@kabosu94) さんに感謝感謝です。
【ぽかぽか日和 2021.02.11】
研修、つくってみた。
http://tikurinn-san.jugem.jp/?eid=9339
過去のツイートも是非ご参考下さい
日薬会長が日医会長に具体的な協力を申し出たそうです
【ノーカット】新型コロナワクチン 先行接種開始 日本医師会会見(2021.02.16)
(会長説明7:52あたり、記者質問に対し14:05 25:00あたりから)
抜粋しました
中川日医会長:
先日、日本薬剤師会の山本会長から、基本型接種施設(集団接種)に対して、各地域の薬剤師の皆様のご協力を頂けるとのお約束をして頂きました。
特に基本型接種施設でのワクチンの検収、小分けの管理など、医薬品の取り扱いを熟知した薬剤師の方々の支援を得られることとなり、大変心強く思っています。
毎日新聞記者:
日薬との関係ですが、もう少し具体的に日薬がどのようなことをして、具体的に薬剤師にどういうことを担ってもらうのか?
中川日医会長:
ご存じのようにファイザーの今回のワクチンは非常に取り扱いが難しいというか、マイナス75度のディープフリーザーの中に入っているものを、まずは小分けするという作業とか、配送の準備をするとか、ドライアイスを詰め込むとか、いろんな作業がありますが、そのときにそういうことも含めて、薬剤師会の山本会長から協力をしたいと仰って頂いて、是非お願いしますと言いました。
そのときに、ワクチン接種の時にも、薬剤師が協力したいということも仰っていまして、例えば「それまで、こういう薬を飲んでいるんだけど大丈夫かな」といった接種希望者の相談に乗ることもですね、そういうことも含めて協力頂けるということです。
中川日医会長:
地域の医薬品卸の協力が必要なのは、いわゆる小分けで配送する、フットワークより地域で基本型接種施設のディープフリーザーから(近隣の医療機関等の連携型接種施設に)小分けで頻繁に配送することを想定して、無駄が少なくなるようにすることを想定しているのです。
記者:
先ほどの薬剤師のお手伝いというのもそういうところにも?
中川日医会長:
卸の皆さんが配送するところにも、地域の薬剤師が関わって頂いて、そして絶妙な連携でやって頂きたいなと思っています。
こういう意見も