厚労省は10日、プレガバリン(リリカ)などについて添付文書の変更指示を行っています。
使用上の注意改訂情報(平成24年7月10日指示分)(PMDAウェブサイト)
上記によれば、
[重要な基本的注意]の項の眠気、めまい等に関する記載を
「本剤の投与によりめまい、傾眠、意識消失等があらわれ、自動車事故に至った例もあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。特に高齢者ではこれらの症状により転倒し骨折等を起こした例があるため、十分に注意すること。」
と改め、
[副作用]の「重大な副作用」の項の意識消失に関する記載を
「めまい、傾眠、意識消失:
めまい、傾眠、意識消失があらわれ、転倒し骨折等に至ったとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止又は減量するなど、適切な処置を行うこと。」
と改め、
「低血糖:
低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、意識障害等の低血糖症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「間質性肺炎:
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。」
「ショック、アナフィラキシー様症状:
ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑:
皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記し、[高齢者への投与]の項を
「高齢者では腎機能が低下していることが多いため、クレアチニンクリアランス値を参考に投与量、投与間隔を調節するなど、慎重に投与すること。
また、高齢者ではめまい、傾眠、意識消失等により転倒し骨折等を起こした例があるため、十分に注意すること。」
と改める。
と変更となります。(→調査結果概要)
今回の添付文書改訂指示に伴い、メーカーより適正使用情報がでています。
リリカ®カプセル 適正使用のお願い
“高齢者における「めまい、傾眠、意識消失」について”
(ファイザー株式会社・エーザイ株式会社 2012年7月)
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201207_1.pdf
ちなみにEMAの関連性が疑われる有害事象の報告(TOPICS 2012.05.31)として、めまい1024例、せん妄501例、転倒436例の他、体重増727例、suicidal ideation 227例、completed suicide 161例、抑うつ259例などがあり、中枢神経系の副作用には特に留意が必要のようです。
PREGABALIN
(European database of suspected adverse drug reaction reports)
http://www.adrreports.eu/dashboards/20120605/substance/PREGABALIN.pdf
(要 Adobe Reader 10.x、Adobe FlashPlayer 10.2)
関連情報:TOPICS
2012.04.03 意識消失のリスクのある薬で交通事故を起こしたら責任は誰?
2010.11.01 リリカの適応症が追加(研究会学習メモも)
2012年07月11日 14:39 投稿